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2008年7月

【書籍】・「NYLON100% 80年代渋谷発ポップ・カルチャーの源流」 ばるぼら、監修:100%Project(2008、アスペクト)

[amazon]

以下はamazonにあった紹介文。

NYLON100% の誕生30周年を記念して“伝説”のスポットの全貌を探る。

カフェ『NYLON100%』に集った著名人の証言と詳細な資料を軸に、当時のエピソードやその感性の源を訪ね、80年代、時代と共に「趣味」からやがて「娯楽」へと移りゆく日本のサブカルチャーの起源を辿るエンサイクロペディア大全。

【本書に登場する証言者・関係者】
上野耕路/太田螢一/大槻ケンヂ/加藤賢崇/管野秀夫/岸野雄一/久保田慎吾/KERA/小塚類子/サーシャ/サエキけんぞう/坂本みつわ/椎橋夏奈子/関川誠/高木完/地引雄一/戸川純/常盤響/中村直也/野々村文宏/林茂助/羽良多平吉/平沢進/Phew/ブラボー小松/巻上公一/増戸実/山口優/米原康正(五十音順)

私のシュミの研究課題は80年代前半の広義のサブカルチャーなんで、この本には興味津々です。もう買いました。

ここが著者のブログでいいんでしょうか。このリンクから、他の紹介文も読めます。

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【雑記】・「同じことを百万回書く苦行」

そもそも、80年代に本当に梶原一騎は嘲笑されていたのか、っていうところから考え直したいんですよ。

80年代の初頭に「あしたのジョー」のリバイバルブームみたいのがあり、それを境に私の記憶では梶原一騎は第一線からは後退していってしまう。
その後、パロディと嘲笑の時代が来て、梶原一騎的な努力、根性、汗、涙がカッコ悪いものとされてきた、というのがまあ定説。

だけれども、実際のところはその後に制作されたドラマ「金八先生」や「スクール・ウォーズ」は、当時の若者にかぎってもリアルタイムで人気があったし、大映テレビもみんな笑いながら観ていたけど、一方で感動もしていた。
とくに「スチュワーデス物語」とかね。

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【映画】・「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」

公式ページ

監督: 本木克英、脚本: 沢村光彦

妖怪濡れ女のしわざによって、手にウロコを付けられてしまった女子高生を救うため、鬼太郎ほかおなじみのメンバーが立ち上がる。

映画ファンには日本映画(正確に言うと角川映画あたりからの日本映画)を目のカタキにしている人がいる。
そんな人たちが、やっぱり目のカタキにしてしまうような映画……と、言いたくないけどそう言うほかないよなあ。

ストーリーはがちゃがちゃだし、キャラクター一人ひとりの行動原理も今ひとつピリッとしない。最近はこのテの映画を観ていてそういうことを期待すらしなくなってしまった。

ただ、私個人はウエンツ鬼太郎や大泉洋のねずみ男、田中麗奈の猫娘などはその造形やキャラクター性を評価はしている。
二枚目の鬼太郎がいたっていいじゃないの。

テーマである「人間と妖怪との和解」も、まあ昨今の風潮にそったものだし、クライマックスに登場する妖怪も、たぶん本来の出自ゆえの扱いというか象徴性が盛り込まれていると考えるのは深読みか?
上から目線で申し訳ないが、ギリギリのところで映画としての体裁は……守られていると思います。

ただし、「どろろ」だとか「L~Chenge The World」だとか本作のような、評価以前に「もしかして、脚本や演出に矛盾があるとか製作者サイドは思っていないのでは?」という邦画が(「ポニョ」も含めて)頻発するという現状は、一つひとつの作品がどうこうというより、日本映画界の構造的な問題としてとらえた方がいいんだろうね。

だれか取材して本にしてください。いや無理か。そんな本に協力してくれるわけないもんな。映画界が。

それともうひとつ、現場の構造的な問題以前に、「キャラクターのつくり方」がもしかして根本的に変わってきてしまっているのではないか、という疑問も浮かぶ。
いやここ10年くらいのテレビアニメのキャラクターに、ぜんぜん感情移入できないから。一部の作品を除いて。

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【イベント】・「楽工社新刊『トンデモマンガの世界』発売記念トークショー&サイン会」

楽工社新刊『トンデモマンガの世界』発売記念トークショー&サイン会 出張版『トンデモマンガの世界』!(f青山ブックセンター
出演者:唐沢俊一&新田五郎(と学会)

■2008年8月24日(日)14:00~16:00(開場13:45~)
■会場:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン
■定員:100名様
■入場料:500円(税込)電話予約の上、当日ご清算

■電話予約&お問い合わせ電話:
 青山ブックセンター本店
  03-5485-5511

■受付時間: 10:00~22:00
(※受付時間は、お問い合わせ店舗の営業時間内となります。御注意下さい。)
■受付開始日:2008年7月29日(火)10:00~
トークショー終了後にサイン会を行います。

◆オンラインチケット予約受付中!

<イベント内容>
世間に知られざるトンデモないマンガを紹介した本書『トンデモマンガの世界』。
そんな奥深いマンガの世界を、貴重な現物資料も用いて本書のメイン著者二人が解説します。
また、書籍に収録できなかった裏話なども紹介できそうです。


……だそうです!!

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【雑記】・「ネット書店をざっと見たら……」

「トンデモマンガの世界」ですが、amazonではちょっと前まで「在庫あり」になっていたんですが今は「3~5週間」になっていて、他のオンラインショップの方が現状では早く買えるみたいです。
(追記:アマゾンは、もうちょっと早く届くように表示がときどき変わったりいろいろしますね。)

[amazon]

楽天ブックス

ビーケーワン

Kinokuniya BookWeb

セブンアンドワイ

ジュンク堂
池袋本店にたくさんあるらしい?

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【書籍】・「トンデモマンガの世界」  と学会(2008、楽工社)

Photo
[amazon]

新刊として出ます!!
要するに古今東西のぶっとんだマンガを紹介した本です!!

楽工社のウェブサイトから紹介文を引用します。

有名作家の知られざる珍作から、
海外トンデモマンガ、ぶっとびボーイズラブマンガ、
超絶麻雀マンガに学習マンガまで、
理屈抜きに面白いマンガ50本以上をと学会が一挙紹介!

こちらが目次。1500円。

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【アニメ映画】・「崖の上のポニョ」追記

このエントリへの追記。
まず、前のエントリではけっこうボロカスに書いてしまい、その後「追記」として「見どころがあるのは間違いない」的なことを書き加えた。最初のヴァージョンだけ読んだ人もいると思うので、いちおうここに「追記した」と書いておく。

次に、「ポニョ」がまったくどうしようもない駄作ではない、ということを前提とした上で、以下に私の気になったことをいくつか書いておく。

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【アニメ映画】・「崖の上のポニョ」

公式ページ

原作・監督・脚本:宮崎駿

ポニョがポニョポニョ言って、ラーメン食ったりする話。

正直、意味がわからん!!
意味がわからん作品は、こちらから解釈してやる必要ナシ!!!!!
なんでお客様であるこっちがそんなことしなくちゃならんのよ。

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【イベント】・「ホラリオン」にと学会が登場

Title
唐沢俊一プロデュース あぁルナティックシアターPRESENTS
「ホラリオン」

2008年9月2日(火)~9月28日(日) 下北沢小劇場「楽園」
「ホラー」をテーマに1ヶ月間、トーク、コント、芝居、歌などを日替わりでやるイベントだそうです。

「ホラリオン」とは? 講演ラインナップ、タイムテーブルなど

と学会・トンデモ本特別講座
9月4日(木) テーマ:オカルト番組 メインゲスト:山本弘(と学会会長)
9月19日(金)テーマ:ホラー漫画  メインゲスト:新田五郎
9月23日(火・祝) テーマ:UFO メインゲスト:皆神龍太郎

チケット予約ページ

正直、かなり緊張しています! よろしくお願いします!!

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・「貸本怪談まんが傑作選」 怪の巻 菊地秀行:編(1991、立風書房)

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菊地秀行が選んだ資本怪談劇画を収録したものの下巻。

この巻では巻末の小島剛夕「いまひとたびの」がなかなかの傑作で、これは読む価値がある。

他には水木しげる「へびの神」、楳図かずお「ばけもの」、浜慎二「北へ行った男」、いばら美喜「印画紙」、北風三平「今朝早く」、谷川きよし「怪奇焼死体」、とみ新蔵「首」、影丸譲也「呪人形」を収録。

「北へ行った男」みたいな、地味だが渋めの掌編、といった作品や、ギャングものと怪奇ものの折衷的な「印画紙」などをチョイスするのがいかにも菊地秀行、と行ったところかな。
「今朝早く」は怪奇というより物悲しい話。

以下は余談。

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・「貸本怪談まんが傑作選」 妖の巻 菊地秀行:編(1991、立風書房)

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菊地秀行が選んだ資本怪談劇画を収録したもの。

まず楳図かずお「蝶の森」は文句なしの傑作。
いばら美喜「焦熱地獄」、モンキー・パンチ「復讐」は、当時多かったと思われるギャングもののテイストが入っている作品。菊地秀行は、怪奇ものとアクションを融合させた作品で名を売った人だが、こういう折衷的な作品が原点だとしたら興味深い。
巌太郎「幽霊館の鬼女」は、「アッシャー家の崩壊」を時代劇風にアレンジした作品。絵はヘタだし、これ単体ではまったく評価のしようがないという印象だが、菊地秀行の怪奇趣味(完全にキッチュとも言いきれない怪奇趣味)のフィルターを通すと、また「味」を感じるのが面白いところ。

他に小島剛夕「月に背く者」、浜慎二「人間蒸発」、古賀新一「健啖家」、水木しげる「壁ぬけ男」を収録。

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・「心霊物件2008」(2008、講談社)

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コンビニコミック。怪談もの。
体験と創作の中間的なエピソードが多い。が、これも恐さ、プロットの面白さという点ではちょっと……。

ただし、最後に載っている「怪覧(3) 吊り橋から見た」は、こんなハイストレンジネス事例をよくマンガ化したな、という意味では貴重かもしれない。
マイク・ダッシュの「ボーダーランド」や妖怪ファン寄りのUMA好きにはおすすめしておきます。

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・「実録 心霊現象目撃地帯」(2008、宙出版)

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コンビニコミック。
実在の心霊スポットと思われる場所を伏字で表記し(なかにはフェイクもあるかもしれませんが)、そこで起こった心霊現象についてマンガ化したもの。中には記憶に新しい殺人事件現場などもあり、なかなか不謹慎な内容のものもあったりします。

が、怪談としては正直観るべきものは希薄……。あるエピソードでアンガールズが出てくるのだけがちょっと面白かった。

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・「桜金造の背筋の凍る話 ~倫敦の怪~」(2008、リイド社)

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コンビニコミック。
桜金造の場合、稲川淳二と違って話の因果関係がそれほど明確ではない場合のものに彼なりの怪談の意義があると思っている(パクリ説なんかも当然出るが、それでも彼がその話をセレクトしたという意志は残る)。

この単行本では、「彼女の別れた理由」、「大きな黒い影」あたりにとくにそんな印象を受ける。

それと、桜金造はどこか怪談を語るときでも、非常に人間を突き放した、「恐いのはアンタ自身の感性じゃないのか」というところがコワイという場合もあって、それはこの単行本に入ってる文章での怪談話に感じたことです。ハイ。

なお、表紙は受けを狙っているんだろうが、ブックオフで見つけたときなどにはこの表紙だけでもマストバイです。おやまゆうえんち~。

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・「稲川淳二のすごーく恐い話 ~樹海の廃車~」(2008、リイド社)

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コンビニコミック。
まあ正直、観るべきところは風忍とダイナミック・プロの「東京大空襲」のエピソードくらいか。稲川さんの場合、「語り」の比重が大きすぎて、文章やマンガにすると個人的にはイマイチ。

それと、「事件の影に……」というエピソードは原作もらって描いてる作画の人に罪はないんだろうけど、ちょっといただけない内容だった。

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・「リフレッシュ」(上)(中)(下) みやすのんき(1985、白泉社)

みやすのんきのSF&ホラー短編集。
電子出版されているようです。

1985年頃のマンガ。メジャー誌にもマイナー誌にも描いていて、自分が影響されているものをモロに出す。それは美少女、アニメ、ロック、スプラッタ・ムービー、リドリー・スコット、大友克洋。そうだよな、この頃のオタク好きのするマンガ家はけっこうロックについて描いてたな(もうちょっと先だけど「バスタード!」とかそうだな)。

あとみやすのんきにはないようだけどバイク趣味について描いている人も多かった。

つまり、それらの集積が80年代半ばの(オタク・サブカル系の)若者にとっての「文化」だった。そして、それに耽溺していると表明すること自体に意味が、(現在よりずっと)あったのです。

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・「犬のジュース屋さんZ」(2) おおひなたごう(2008、集英社)

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たぶんヤングジャンプ連載のギャグマンガ。

けっきょく「立体くん」が振り込め詐欺をやっているという設定には何の意味もなかったね……。どうも、作風がドライすぎてついていけなくなってきたなあ。

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・「銀河宅配便マグロ」(3)(完結) おおひなたごう(2008、エンターブレイン)

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宇宙の宅配便屋を描いたギャグマンガの完結編。

1巻、2巻はよかったが、なんかメチャクチャやりすぎのような……。
キューチャクというキャラクターが、一方的にいじめられ続けるのも、あんまり感じよくないよー(2巻から続いてる)。

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・「バナナシスターズ」 ひろもりしのぶ(1985、白夜書房)

Banana
みやすのんきがひろもりしのぶ名義でロリコンマンガ誌などに描いた作品をまとめたもの。電子出版されてるようですね。
80年代にひたりたい! と思って読んだらドンピシャの内容。

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【映画】・「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」

公式ページ

監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:デヴィッド・コープ
ストーリー:ジョージ・ルーカス

1957年、「クリスタル・スカル」をめぐっていろいろある話。

こういうメジャーなシリーズほど感想が書きにくいもんです。だって細かいことよく知らないものな。

ただまあ、シリーズ最初の「レイダース」を踏襲してというか、たとえば「ハムナプトラ2」みたいな「どうだCGすごいだろ!」的な映画とは違って、いかにもエイティーズなアクションが楽しめる(まあ、CG使ってないかと言えばバリバリ使っているわけだけど)。

クルマに乗ってのフェンシングのシーンとか、ああいうのがイイんですよ。「インディ」らしいというか。

プロットは舞台が「50年代後半」ということを意識しているつくりになっているわけだけれども、結果的に「トンデモアイテムの複合体」みたいな作品になってしまった。と指摘するむきもあろうが、50年代でインディ・ジョーンズをやろうとしたらどうしてもこうなっちゃうと思う。
だってこの頃から90年代までの米ソ冷戦時代って、そういう時期だったんだもの。

「ランボー 最後の戦場」が、「イマドキっぽさ」を前面に出しているのに対し、こちらはあくまで「明るく楽しいアクション、でも『ナショナル・トレジャー』に見られる腐ったファミリーっぽさはナシ!」って感じでしょうか。
これは「ランボー」の一作目がアメリカン・ニューシネマの尻尾をひきずっていたのと、「レイダース」が70年代なんて微塵も感じさせない同時代的な(「魔宮の伝説」でさらに加速する)遊園地のアトラクション的な明るい映画になっていたことと呼応していると思う。

そんなわけで、本作には「時代性」はほとんど感じないのだが、「21世紀から見たアメリカ50年代」という意味はある。さらに、20年間にわたって引っ張られてきた都市伝説(ネタバレになるので秘密)を、製作者サイドが語りなおしたという意味がある。

本作によって、例の「都市伝説」はトドメをさされたとも言えるわけだ。

でもほんと、冒険は死なず、ですよ。別にテーマとか何にもない映画だけど、どっか観てて泣けてくるね。

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【映画】・「ザ・マジックアワー」

公式ページ

監督・脚本:三谷幸喜

まるで映画のセットみたいな感じの田舎町・守加護。ここを仕切るボス・手塩(西田敏行)の女・マリ(深津絵里)を寝取った罪で、殺されそうになる劇場支配人・備後(妻夫木聡)。
「私、デラ富樫の知り合いなんです。」
コンクリートを重石にされて、海に沈められそうになったときに言った口から出まかせ。「デラ富樫」は、ボスも憧れている伝説の殺し屋だったのだ。

出まかせを言って急場はしのいだものの、「デラ富樫を連れて来い。そうしたら何もかもなかったことにしてやる」というボスの命令に悩みまくる備後は、苦肉の策として、売れない役者を殺し屋役に選び、何とかしようと考える。

彼に選ばれたのが、ハードボイルドな映画に魅了されつつもちっとも芽が出ない役者・村田(佐藤浩市)。備後にだまされてすべてを映画だと思い込んだ彼は、「デラ富樫」の役を貫徹しようとするのだが……。

……いやまあ、つまらない映画ではないのだが、……はっきり書くと、
「これって、舞台でやるお芝居の脚本と演出ですよね?」
ということになる。
(以下、ネタバレなし。)

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【書籍】・「ライムスター宇多丸の マブ論CLASSICS アイドルソング時評2000-2008」(2008、白夜書房)

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雑誌「BUBKA」で2000年から連載している、ラッパー・宇多丸によるアイドルソング評をまとめたもの。巻末には小西康陽との対談も収録。

私が最初「BUBKA」でこの連載を読んだのがいつだったかな。「萌え」的な視点による「アイドルそのもの」の状況論はネットに溢れていたけど、楽曲に絞った批評は珍しく、すぐに単行本になるのだろうと勝手に思い込んでいたことを覚えている。
そうしたら、まさか5年以上の歳月がかかるとは。本書を読むとハロプロの隆盛~停滞~アイドル冬の時代再び~Perfumeの台頭という、全体的に「アイドル」に対して世間が冷淡な現状が読み取れるが、同時に出版不況なのもヒシヒシと感じてしまう(本当はどうなのかは、知らん)。

個人的にすっかりアイドルに興味を失っていた昨今だったので、本書を読んでいろいろと過去のことが思い出せたし、また最近の状況が掴めて面白かった。

なお、本書で強くプッシュされている曲を実際に聞いてみたけど、いいのが多いのは確かです。杏さゆりのCD、確かこの連載見て私、買いましたよ。
要するに本書の著者が「目利き」として確かで、本書がアイドルソングのガイドブックたりえていることは、ひとまず最重要だと言っていいでしょう。

さて、以下は自分語りも含めて本書を読んで思ったことなど。長いです。

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【雑記】・「ケータイ小説の分析って、そんなに必要か?」

なんか、たまたまネットウロウロしていたらいわゆる「ケータイ小説」を分析した本が何冊か出ていて、それの書評が書かれていた。
私は、それらの本をまだ読んでない。でもその書評のいくつかを読んですごく気になった。

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・「ORIGINAL QUEST(オリジナルクエスト)」 ミラクルとんちんかん番外編 えんどコイチ(1994、集英社)

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RPGのパロディ「ORIGINAL QUEST」と、読みきりギャグ作品「なにゆえレイユ」、「ぱられるクロス」、「お先真っ暗闇雲家族」を収録した短編集。

「ORIGINAL QUEST」は6作まである。「ドラクエ」や「FF」の基本的なパロディ(勇者が家の中に入ってタンスなどを勝手に開けてアイテムを盗みまくるとかそういうやつね)が満載のギャグマンガ。「ミラクルとんちんかん」のメンバーが、RPGのキャラクターとなって登場している。

この頃はまだ、「RPGにありがちなことや、リアルに考えるとおかしいことを指摘する」っていうことが新鮮だった時代なのかもしれないなあ。
なんかもうちょっと素直にゲームが楽しめたというか。

他の作品では「ばあさんの屁に火がついて爆発し、ばあさん以外の家族全員が死んで幽霊になってしまった」という設定の「なにゆえレイユ」がバカバカしくて面白かった。

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【映画】・「スピード・レーサー」

公式ページ

監督:ウォシャウスキー兄弟

1967年、日本のタツノコプロがつくったアニメ「マッハGoGoGo」の映画化。

もう言うことなし! ここまで明朗な作品が2008年に公開されたということにたいして意味はないとは思うが、つい意味を見出してしまいたくなる自分がいる。

「レースでは何も変わらない。しかし、レースで我々が変わるんだ」というセリフは、監督の「映画」に対する信念なのかもしれないなあ。いろいろな意味で非常に面白い作品だった。

原作に対するリスペクトも相当なもの。だってアニメと同じような動きで車がスピンしてクラッシュするんだよ!!
きちんと確認してないけど、マッハ号がオートジャッキでジャンプするときの音もアニメと一緒か、もしくは非常に近いものだった。

いや本当にすばらしい。ちなみに、主題歌も日本のアニメと一緒だよ!!(歌詞は英語だけど)

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・「萌道」 カラスヤサトシ(2008、竹書房)

Moedo
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ギャグマンガ家・カラスヤサトシが、メイド喫茶だとかメイドの足ツボマッサージだとか、そういう萌え系の店に行くなどして「萌え」を学ぼうとするレポートマンガ。

面白いんだけど、けっきょく今ってレポートマンガみたいな実録的なものがいちばん受けるのかなー、フィクションじゃダメなのかなー、と思ってしまったりした。

萌え産業みたいなものに関しては、私は何も言うことはない。ただ、私のものの考えの立場からすると、否定することはできない。

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【書籍】・「イロブン 色物文具マニアックス」 きだてたく(2005、ロコモーションパブリッシング)

Irobun
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一風変わった色物文具について、1ページに1商品の構成で紹介した本。

まず私の自分語りをしますが、マンガを描かなくなってから文房具屋にはめっきり行かなくなり、パソコンでいろいろやるようになってますます行かなくなってしまいました。

しかし、本書を読んで文具の機能美の美しさや、よこしまな意味での楽しさを再び思い出させてもらいました。

紹介文のテキストがうまいです。単調になりがちなところにうまく変化を付けている。しかも、「変化を付けてますよ」という自己言及性が皆無なんです。これはできそうでなかなかできることではありません。

紹介されている文具については、私の拙い説明文を読むよりも、著者がやっている色物文具専門サイト「イロブン」を参照してください。面白いよ。

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・「ピューと吹く! ジャガー」(15) うすた京介(2008、集英社)

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週刊少年ジャンプ連載のギャグマンガ。実写映画もDVDが出ているようですね。
あれ、amazonで検索しても出ないや。

さすがにハマーさんいじりで終わる展開も飽きてきたなぁ~と思った矢先の、「敵へのいやがらせにハマーさんを使う」には笑った。

P24のジョン太夫の顔にひげがないことに、鬼の首を取ったかのようにつっこもう!!

14巻の感想

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【書籍】・「オールザッツバカ画像」(2008、インフォレスト)

Allthatsbaka
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ロフトプラスワンで定期的に開催されているイベント「オールザッツバカ映像」などで紹介されたバカ画像をまとめたコンビニ本。
イベントの「オールザッツバカ映像」の司会をやっているセラチェン春山&DJ急行両氏の写真とコメント付き。

同工異曲のコンビニ本はもう何冊も出ているそうだけど、本書は一行コメントの面白さが光ってます。

それにしても、読んでいてショックだったのは紹介された画像の98パーセントを私が知らないこと。紹介されていた画像サイトもすべて知りませんでした。
私のまったく知らないところで、こんなことが繰り広げられていたということがショックです。

まあ、私のアンテナの低さは今後も治らないでしょうけどね……。

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【架空】・「脳内合コン」完結編

これの続き。

これまでのあらすじ。合コンをするために、ブタ山くんと鈴木山くんと白木屋の前で待ち合わせた私。しかし、人体発火現象によってブタ山くんは焼きブタに。合コンが始まる前に、早くも一人メンバーが減ってしまった! どうする、俺。

「ど、どうしよう……」
焦る鈴木山くん。手に持ったむずかしそうな幻想文学の本が、ブルブル震えている。

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【書籍】・「トンデモ音楽の世界」 と学会+α:著、唐沢俊一:編、杉ちゃん&鉄平:曲(2008、小学館)

Tondemoongaku
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クラシック、アニメ主題歌、アイドル歌謡、「初音ミク」などなど、「音楽」に関することを幅広く取り上げ、そこに「トンデモなもの」を見出すという試みの1冊。

さらに、クラシックにポップな事象を織り交ぜて曲にし、演奏するデュオ「杉ちゃん&鉄平」の新作ミニアルバム(CD)付き!

実は新田五郎も書いている……。

私個人はなかなか大人の事情で、当初紹介しようと思っていた作品に言及できなかったりといろいろありましたが、まあ全力を尽くしましたよ。

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・「リーマンギャンブラーマウス インドまぐろ子DX」 高橋のぼる(2008、講談社)

Indomaguroko
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謎の女体盛りギャンブルマンガ「リーマンギャンブラーマウス」が、コンビニペーパーバック調単行本で登場。
あらすじについては、私が書いたレビューを参考にしてください
パラパラと観たところ、基本的には単行本と変わりない模様(もしあったらすいません。買っ
て確かめて!)。

しかし、もっと驚いたのはmichao!というサイトで「リーマンギャンブラーマウス2」の連載が始まっていたことだ!!
読んでみると、直接の続編ではなく、新しく仕切りなおしした模様。「女体盛り」は今のところ出てこず、「総務部クレーム対応課謝り係」に配属された主人公の篁忠則のもとに、超巨乳の美女・早乙女操が入社してきて、毎回珍妙なギャンブル(馬の代わりに競走させられるとか)につき合わされる、という話になっている。

前シリーズよりもギャグ度は強いが、あいかわらずこの人の絵はエロいね。

このmichao!では、他にもふくしま政美が「超市民F」という劇画を描いている。「超市民F」の存在は知っていたが、「リーマンギャンブラーマウス」の方はまったく知らなかった。これじゃインターネットやってる意味ないよ。

あ、あと「リーマンギャンブラーマウス」の感想は、「愛のトンデモ本」の上巻[amazon]か下巻[amazon]のどっちかに書いたよ。ずっと前に。

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【架空】・「脳内合コン」

ネットウロウロしていたら、「脳内合コン」というテキストを書いていた女子がいた。
まだ若い人。二十代前半じゃないか?

対抗心がメラメラと頭をもたげてきたが、私の場合、「ありそうなんだけど、でもやっぱりそんなのないよな」という微妙なラインを描くことができない。
(合コンを妄想して書くときのキモは、まさしくそこだろうけど。)

また、あまりの対抗意識に、リンクしようかと思ったけれども、やめた。
ウソでも内容が合コンである場合、男女で問題意識もおとしどころも違ってくるし、こっちが後だしジャンケンだし。

ま、結論からいうとオレのがトシ取ってるぶん、絶望は深い。
ああ、このクッキー、食べていいの?
絶望は深い。

今、希望の光を乗せて、平成の咸臨丸、出帆!!!!!


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・「ムーメイドP」 安田秀一(1986、久保書店)

Moonmaid
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ロリコン美少女マンガ短編集。
ひさしぶりに80年代にひたりたくなり、読む。

美少女が出てきて、ストーリーらしいストーリーはなく、かといってねちっこいH描写が出てくるわけではない。それが多くの80年代ロリコン美少女マンガで、本作はそのひとつ。

たぶん、今の若い人が読んでもまったくピンと来ないだろう。
実は一見地続きであるかのようなオタク受けするアニメ、ゲーム、マンガの諸要素が、80年代には(本当にそうかどうかは別にして)あたかもとつぜん出現したかのように思われていたことを、本書を読んで思い出した。
そして、それらが後続世代(とくに「萌え」を自覚した世代)に、ほとんど何のリスペクトも得ていないという現象は、私は問題だと思っているのである。

まあ、どうせそう思っているのは日本に10人くらいだろう。寂しい。

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・「ギャラクシー銀座」(1) 長尾謙一郎(2008、小学館)

Ginza01
[amazon]

2巻がそろそろ出るらしいんだけど、本屋に行ったらなかった。書店に問い合わせたら、7月中には発売しないらしい。

長尾謙一郎は、ギャグの芸風から言うとおおざっぱに言って「天久聖一風」というか、電気グルーヴがときどき歌詞のテーマにしていた「哀愁のあるバカ、バカの哀愁」みたいなものを描いてきた人なんだけども、
前にも書いたけどその他の人たちとの違いは、
「絶対的な孤独感」にある。

キャラクター同士は交錯するけど、心の中ではそれぞれが恐ろしい孤独感を抱えていて、決して交錯することはない。たとえ身を寄せ合っても、それはそれぞれの孤独を埋め合わせるだけであって、心が交流したことにはならないんじゃないかという。そこまで描いてる。
だから、「あまりに寂しすぎるよ!」って思う人はイヤになってしまうかもしれない。

でも私は好きだ。

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・「神聖モテモテ王国」(7)(完結) ながいけん(2008、小学館)

Sinseimotemote07

週刊少年サンデー連載。謎の宇宙人・ファーザーと、普通の少年・オンナスキーが毎回、見込みが限りなくゼロに近い奇策を用いてナンパに挑戦するギャグマンガ。

単行本未収録分をオンデマンド出版するということで、飛びついて買ったわけさ。

で、内容はもちろん面白いんだけど、オンデマンド出版ってあれですな、コストのことはよくわからんけど、印刷があまりよくないのね。

あと、謎なのは少年サンデーから直接スキャンした原稿があること。あれは何なの? 元の原稿がないってことなの?

よくわかりませんけど。
単行本の表紙がないのも寂しい。

内容については、もう連載も後期に入ってくると、ファーザーの顔とか体型がどんどんゆがんできて、毎度おなじみのナンパも可能性がまったくないことを毎週毎週やっているわけで、ゲラゲラ笑いながらもとんでもない無間地獄を見せつけられているのでは? と思ってみたりもする。

このマンガ、ファーザーが宇宙人ではなく、オンナスキーにしか相手にされない孤独な中年男(しかも、ある時期まではまともだったのに何かすごいショックなことがあっておかしくなっちゃった中年)だと考えると、たちまちせつない作品に早変わり!!します。

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・「放課後保健室」全10巻 水城せとな(2005~2008、秋田書店)

Houkago
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月刊プリンセス連載。
ある日、高校生の一条真白は自分が上半身が男、下半身が女であるという現実を突きつけられる。真白は、あるはずのない地下の保健室にいざなわれ、そこで授業を受けるようにと言われる。

その授業とは、眠りに落ち、夢の世界の中で他の生徒たちと戦うこと。
夢の世界では生徒たちは「それそれが心で思っている姿」に変身している。その中には化け物じみた姿かたちの者もいる。
勝ち続けると「卒業」することができ、いったん卒業するとその人物は学園から忘れ去られる。しかし、卒業できなければ永遠に他の生徒たちとの戦いを続けなければならない。

男性として女性の藤島紅葉を愛すること、一方で女性として男性の水橋蒼を愛すること、両方に気持ちが引き裂かれる真白は、本当に「卒業」できるのだろうか。
いやこの保健室で行われる「卒業」って、何なのだろうか?

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・「仮面ライダーストロンガー」 石ノ森章太郎、すがやみつる(1999、双葉社)

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仮面ライダーストロンガーが、ブラックサタンやデルザー軍団と戦いを繰り広げる。

70年代に、すがやみつるによって児童誌に連載されたコミカライズ。表紙は開田裕治。
個人的に「ストロンガー」で、すがやみつるのコミカライズはひとつの完成を見たように思う(その後、コミカライズやってるかどうか調べてないんだが。すいません)。
絵やコマ運びは観やすく、テレビを観ていなくても理解できる面白さがあり、お色気もちょっと入っていたりして楽しめる。

2008年くらいになってしまうと、本作が刊行された1999年とはまた印象も違って、「70年代のアニメ・特撮のコミカライズ」が、70年代のメディア事情やマンガのプロダクション制度などの当時の「場」によって形成されたことについていろいろと思いが至る。
ぜんぜん関係ないが、江川達也はもうちょっとライダーマンガを丁寧に描け、って今さら思ったなあ。

石森プロの人もダイナミックプロの人も、70年代のコミカライズでみんないい仕事してるもん。自分の名前が看板背負っているわけではないのにいい仕事してんだよ。それにひきかえ……って、どうでもいいけどさあ。

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・「仮面ライダーアマゾン」 石ノ森章太郎、すがやみつる(1999、双葉社)

Kamenraider
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アマゾンからやってきた、「ギギの腕輪」によって変身する仮面ライダーアマゾンが、悪の組織、ゲドンやガランダー帝国と戦う。

すがやみつるが70年代に児童誌で連載していた作品をまとめたもの。表紙絵は開田裕治。
インターネットが普及するちょっと前くらいに、過去のオタク/サブカル系作品を再評価するというような動きがあり、その流れでアニメ・特撮のコミカライズを発掘してくるという動きがあったように記憶している。本書は、そんな中から出版された。
あれからもう10年近く経っていると思うと、愕然としてしまう。

すがやみつるの仮面ライダーコミカライズは、「新・仮面ライダー」から続いている(初代のコミカライズもあったかどうかは調べてません。すいません)。掲載誌やページ数、締め切りなどの制約がったことをかんがみても、この「アマゾン」あたりからマンガとしてうまくなっているように思う。

それにしても「仮面ライダーアマゾン」、「マダラオオトカゲ」(知らない)をモチーフにしたというそのデザイン、呪術めいた手術で変身するという設定、当初は主人公が日本語をしゃべれないなど、今読んでもあまりに斬新すぎる。
74年頃の放送だというが、その頃の怪奇・オカルト・疑似科学ブームを考えるといかに狂った時代だったかわかります。

私自身は、子供時代に仮面ライダーにハマったという記憶は実はぜんぜんないのだが、主題歌が超名曲なのと、「アマゾン」の斬新ぶりに変身ポーズはよくマネしていたことを思い出した。
今だと映画の「スパイダーマン」に近いのかね。だけど「スパイダーマン」が「科学実験」というものがワンクッション介在しているのに比べ、「超古代の技術」で変身するというのは今観ても「アマゾン」はイイですな。

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【雑記】・「『少女革命ウテナ』から11年」

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実は「アキハバラ電脳組」について書いたのは、こっちについて書きたいから、っていう一面もあった。
去年書いておけばよかった。去年なら10周年、って大義名分があったから。


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