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・「萌道」 カラスヤサトシ(2008、竹書房)

Moedo
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ギャグマンガ家・カラスヤサトシが、メイド喫茶だとかメイドの足ツボマッサージだとか、そういう萌え系の店に行くなどして「萌え」を学ぼうとするレポートマンガ。

面白いんだけど、けっきょく今ってレポートマンガみたいな実録的なものがいちばん受けるのかなー、フィクションじゃダメなのかなー、と思ってしまったりした。

萌え産業みたいなものに関しては、私は何も言うことはない。ただ、私のものの考えの立場からすると、否定することはできない。

以下は単行本とぜんぜん関係ない話。

一人ひとりの人間に「強さ」を要求する思想が、ここ30年くらいのトレンドじゃないかと思います。ニーチェ的なというか。
でも、じゃあその「強さ」をいったいだれが欲しているのか? というと、もしかして言いだしっぺの人間だけなんじゃないか、という強い疑惑が私にはある。

もちろん、強い人間は強さを行使して生きていく権利があるかもしれない。が、だれもがそんなふうになれるはずがない。
「萌え」っていうのは、そういう疑問に答えていると思う。
弱い人のための考え方だと思うんですよね。

ただ、「萌え」思想には難問があって、これを突き詰めていくと少子化になって日本人は滅びてしまう。

そういう意味では、寂しい人間にとってのあくまで対症療法的な考えかも、とも思う。

「萌え」をめぐる議論は、永久に結論が出ないことがあらかじめわかってしまってもいる。
それは、「強い/弱い」が任意に決められてしまうから。

それを考えるとワーキングプア問題を考えることは、それ関係の本、一冊も読んでないけど「生活」がかかってるだけ強いよなあ、と思う。
経済的な弱さは、数字で計れるからね。

「萌え」は一億総中流的な考えから出てきたもんだから、そこには本質的に「経済的にはまずまず、均等である」という前提での差異化ゲームがある。それは今後、うまく転がしていかないと捨てられてしまう可能性はある。

今後は、オタク内に決定的な経済格差が出てきたとき、どうなるかというのが問題になるでしょう。
そのときが、そういう思想のふんばりどころですよ。

そうでないと、後続世代から「一億総中流幻想の落とし子にすぎない」という意味で一蹴されてしまう可能性はあるからね。
生き残る方法は、社会的、経済的なものも含めて、「妄想」がどこまで有効か、っていう問題意識を持つこと。
不景気が続くとなかなかむずかしい戦いになると思うけど、がんばってる人にはがんばってほしい。

などと、単行本にぜんぜん関係ないことを書いてしまった……。
すいません。

おわり。

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