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・「バナナシスターズ」 ひろもりしのぶ(1985、白夜書房)

Banana
みやすのんきがひろもりしのぶ名義でロリコンマンガ誌などに描いた作品をまとめたもの。電子出版されてるようですね。
80年代にひたりたい! と思って読んだらドンピシャの内容。

たとえば一発目に収録されてる「Carry On Wayward Son」。なんか昔の……何年代だろう? とにかく「名作劇場」みたいなアニメの服装をしたイギリス人(?)美少女が、なぜかバスケットの中に入った不気味なクリーチャーを子犬のようにかわいがって飼っている。しかもエロあり、なんていうのは、まさしくこの時期のマイナーマンガの象徴的な作品ということができる。
要するに、自分の好きなものをぜんぶ詰め込んでそれにいっさいの説明も、整合性もない。

「孤独のメッセージ」という作品は、超未来、戦乱の中で主人公と意志をもったパワードスーツがケンカしたりしながら生き延びるために戦う。
80年代半ば、パワードスーツネタって多いんだよなあ。志郎正宗の「アップルシード」(これは正確に言うとパワードスーツではないかもしれないが)の1巻が出たのがやっぱり1985年。83年の劇場用アニメ映画「クラッシャージョウ」にも確かパワードスーツが出て来てる。
なんでだろ、リアルロボットアニメが出てきた頃だから、じゃあもっと先祖がえりしてパワードスーツを……ってことだったのかな?

他にもグラビア風とか、スカトロとか、まったくのアニパロとか。本当に好きなものぜんぶ詰め込んでる感じなんだよね。

巻末のインタビューでは冗談か本気か、「今の子供たちはすべての表情が下手」、「人間とのつきあいが不器用」などと書いてある。当時子供だった人は今は三十代前半ですか。もう四十歳すぎると三十代の人ともたいして意識、変わらなくなるけどね。

まあ、みやすのんきってどういうパーソナリティの人か知らないけど、メジャー誌にもマイナー誌にも描いてて、同人誌もやって、彼女もいて、なおかつロリコンマンガを描いている人からすれば、本気度の高い痛いオタクと自分を差別化したかった、というのはあったと思う。
オタクなんて昔っから差異化ゲーム、最優位ゲームの権化みたいなところがあるけど、80年代にはまだ、今みたいにネットがあるわけじゃないからあんまり日のあたるところではその辺の違いがよくわからなかったりしたんだ。

話を戻すと、この頃のSF的センスで現在まで生き残っているのが志郎正宗、ということになるのかな。
でも、この頃の他のクリエーターの、スプラッタやSFホラーやブレード・ランナーやパワードスーツなどに対する執着は、看過すべきではないと思いますけどね。

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