【映画】・「神様のパズル」
監督:三池崇史
エグゼクティブ・プロデューサー:角川春樹
脚本:NAKA雅MURA
寿司屋見習いでロッカーを目指す青年・綿貫は、双子の如才ない弟が恋人とタイ旅行をするから、自分の代わりに学生として大学へ行ってくれと頼まれる。
ゼミに出席した綿貫は、さらに人工授精によって生まれた天才少女・穂瑞沙羅華をゼミに参加させてほしいと教授から頼まれる。
自分の殻に閉じこもっているっぽい沙羅華を説得するのはとうてい無理かと思いきや、「宇宙は人間につくれるのか?」という疑問を投げかけると彼女は思いがけず興味を示し、ゼミに出てきた。
物理学のことなどまったくわからない綿貫は、沙羅華とともに「宇宙は人間につくれるのか」の証明をしなければならなくなる。
すごい不入りだなんていうニュースも読んで、いったいどうなるのかと思ったら、形容しがたい怪作・快作に仕上がっていた!!
まあ、たぶん理系の人から観るとトンデモ映画なのだろうが、特定の人間の「生きざま」と「宇宙とは何か?」という疑問が、ひたすらにパワーによって無理やりに結び付けられ、アウフヘーベンされる。
その手つきは「幻の湖」的だとすら言うことができるんだが、あっちは「送り手が何を考えているのかサッパリわからない」から観客をおいてけぼりにしたトンデモ映画になってしまった。
しかし、この「神様のパズル」は、送り手が何を伝えたいのかがビンビンに伝わってくるのである。
三池監督の仕事の中でも、監督性・作家性をおさえている作品の中ではそうとうにぶっとんだ内容になっているのではないか。
惜しむらくは、宣伝をまったくしていないように感じたことと、ポスターを観ただけでは映画の内容がまったく理解できないこと。
主演二人はとてもがんばっているが、キャスト的にも弱かったのかもなあ……。
とにかく、爽快な、さわやかなトンデモ映画。新宿歌舞伎町では明日まで、しかも1日1回しかやらないというのはちょっと不遇すぎるだろう。
こういう映画が評価されないと、何のためにみんな苦しいことを我慢して生きているのかわからないよ!!
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