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・「カラスヤサトシ」(1)~(3) カラスヤサトシ(2006~2008、講談社)

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まあ今の時代、5年くらいのスパンはあんまり関係ないのである。逆に、5年くらいで去ってしまうブームは去ればよい。消える作家ならば、消えればよい。

というわけで、もうみんな知ってると思うけど4コママンガ「カラスヤサトシ」の紹介です。

もともと「アフタヌーン」の読者ページ「愛読者ボイス選手権」において、読者へのお題と同テーマで書かれていたものだという。
とにかく、「あるある」と「ないない」の微妙な感じがものすごい。本人はシュールより断然ベタが好き、と書いてあったが、結果的にシュールなオチになってることもある。

どういうことかというと、普通の人の日常で、思いついてもすぐ忘れてしまうことや、心に浮かんでも現実や他人の心の中にないためにすぐ消えてしまう心情をパッ、とつかんできて出すのがうまいのだ。

たとえば、「人のいない部屋をのぞくと泣けてくる」というのがある。「新しいものを取り出すとなぜか哀しい気持ちになる」というのもある。一瞬「えっ?」と思う。わけがわからない。が、自分の胸に手をあてて考えてみると、まったくのとんでもない感情ではない、ということがわかるのである。

普通は、そういう感情は三十歳もすぎると整理されてくるものだ。「自分でもわからない感情」というのはなくなってくるし、あってもそれらは日々の忙しさの中でバッサリとそぎ落とされていく。作者はそれをきちんとキャッチして、マンガにしていく。

姉の子供(甥、姪)を観ていて、「この子たちは姉が生まれたときからずっと一緒にいたのではないか?」なんて書くところは本当にすごい。並みの作家なら、それだけで短編一本書いてしまうような考えである。それを4コマでサラリと書いちゃうところがカッコいい。

なお、アフタヌーン誌上でも話題になっていたらしい、作者が一人でやっているという「自作のリング上で、買ってきたライダー怪人のガシャポンを戦わせるゲーム」の話は、断続的に出てくるがどれも超絶的に面白い。人間の想像力って、イイよね。

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