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【アニメ】・「これはプロット知るだけでご飯三倍は食える!」

「ルパン三世 GREEN VS RED」、私、まだ観てない!!
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ネットウロウロしていたらブチ当たった「ルパン三世」のあらすじを読んだ。
むちゃくちゃ面白そう。あらすじが面白すぎて、本編を観るのがかえって恐い。

昨日もテレビで「カリ城」やってたみたいだし、「ルパン三世」について考えるにはいい機会だ。

その1
ここ数年、自分はずっと「フィクションにおけるアウトロー」について考えてきた。
地元にへばりついている人間ほどアウトローに憧れる。子供の頃、いちばんあこがれたヒーローはアウトローだった。
だから、座頭市とか木枯し紋次郎とか。ああいうのが良かったな。「怪傑ズバット」とかさ。
別に好きじゃなかったけど寅さんもそういうキャラクターだったし。

まあ、完全なる放浪者、漂泊者でなくても、組織に所属しても自由にふるまっているヒーローというのはわりといた。「太陽にほえろ!」のジーパン刑事とか、ジェームズ・ボンドとか(007は2、3本しか観てないけど)。
それがいつの間にか、だんだんいなくなった。

もうひとつ、「正体を隠して戦うヒーロー」というのにも自分は小さい頃あこがれていた。この場合、定住地を持っているんだけど、正体を隠すということでヒーローは「自由な場」を獲得できる。だから、ちょっと違うけど自分にとってはアウトローものに近い感じで見ていた記憶がある。

現代は、むしろ「組織とどう丁々発止でやりあっていくか」ことを描く方が、共感を得られるんだと思う。あるいはチーム戦ね。
変身ヒーローも、「正体がバレるとまずい」っていうの……ウルトラマンシリーズがあるか。平成ライダーはどうだったかな。私が観た何作かの平成ライダーは、「変身能力」が強化服以上の意味を持っていなかったけど。
「名探偵コナン」は正体を隠してるけど、なんか自分的には違うんだよなあ。

その2
それらが時代とともに流行らなくなったというのは、私にも感覚的にわかる。
アウトローものは、いつ頃あたりを最後にするかな? もっともそのあたりの変化が如実に表れているのは、「必殺シリーズ」だと思う。
まず、中村主水は「正体を隠しているヒーロー」の最後の一人という気がする。
そして、「正体を隠したヒーロー」が主水で、それに対応してなんだかアウトローっぽいやつが仕事人にはいたような気がするけど、あくまでも主水とのバランスで存在が許される感じだった。

「カリ城」は、「ルパン三世」の真の面白さを追及する人たちにはあまり評判がよくない。
しかし、「カリ城」公開の時点ですら、「アウトローのスーパーヒーロー」というのにちょっとだけリアリティがなくなっていたという事実は、あることはある(ま、その後何事もなかったかのように「ルパン三世」は続いていくわけだけど)。

(途中でストップ)

あれれ、途中で筆が止まっちゃったな。
「ルパン三世」を語るためには、かたづけなくちゃいけない問題が二つある。

ひとつは、基本的に日本人は「シリーズ化して、どこを切っても同じような安心できるヒーロー像」を、90年代以降構築できないでいるということ。
これが、国民性そのものが変わってしまったのか、それとも根本的にエンターテインメントの構造が変わってしまったからなのかが自分にはわからない。
まあ、キャスティングを気にする心配がない推理小説などの分野には、人気の名探偵が存在しているかもしれないが、
ウルトラマンと仮面ライダーを除いて、「どこを切っても同じ安心できるヒーロー像」は、
古畑任三郎くらいじゃないか? あと名探偵コナンか。「裸の大将」もドランク塚地で復活しましたが、まあそれくらいかなあ。

反面、ハリウッド映画ではわりと「シリーズ化できるヒーロー像」の構築には成功していると思う。
「ダイ・ハード」、「バットマン」や「スパイダーマン」は、現代的な解釈で、ヒーローとしてのお約束は守ってシリーズ化されてるし。

もうひとつは、「ルパン三世」のシリーズそのもの、ルパン固有の問題。
実は、私「バイバイ・リバティー危機一髪!」以降、テレビのルパンシリーズをほとんど観てません。だってつまんないんだもん!! やはりある程度アベレージヒッターでないと、ヒーローものは続かない。

だから、もしも「ルパンVSクローン」並みの傑作が何本か生まれていれば、「時代が変わったから、ルパン三世を現代でやるのはむずかしい」っていう意見そのものが出てこなかった可能性も考えられる。

上記二つの事情をふまえて、初めて「時代とルパン」について考えられるわけだけど。
上記の「ルパン三世 GREEN VS RED」のあらすじは、なかなか面白いと思うんだよね。

ただ、上記二つの事情についてあまり調べたり考え抜いたりしないで書いてしまうけど、日本人は欧米人と比べて、ワンパターンのものをうまいことまとめてウェルメイドに仕上げる、というのが不得意に感じる。
80年代の幻の押井版ルパン三世なんてどう考えても「ルパン三世」という作品を解体させて終わらせようとしているふうにしか感じられないし。

しかし、ハリウッド映画を観ていると、過去のものをただ踏襲してつくるのでもなく、一気にメタな方向に突き抜けて作品を解体していくのでもない、「第三の道」があるように思うんですけどね。

だから、「ルパン三世 GREEN VS RED」が、いったいどのレベルで仕上げてきているのかは非常に気になるところだ。

それでもって、実際観た感想

なお、この件に関連して映画「魔法にかけられて」について次に書いてみたい

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