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【雑記】・「映像ソフトなどに関する署名について」

日本では公開もされてないしDVDも出ていない映画「HotFuzz」に関して署名運動も起こっている。

で、それに関する違和感を示したのが自分はなぜ「署名」に違和感を感じるのか?(躁うつ病高齢ニートの映画・TV・床屋政談日誌)というエントリ。
(引用開始)
映画を売買して商売にするのは業者さんたちの仕事であり、消費者が「署名」してこれを売ってください、なんてのは少し変ですよ。商売人はシンプル。売れるなら売れる。売れないなら売らない。仮に本当は売れるのに不勉強で逸失利益を積み重ねていたとしても、それを消費者が正してあげる必要はない。例えば「あ、そう、じゃあ俺はもうアンタたちが配給する映画は観ないよ」というポーズで示せばよい(それが「市場」ってことでしょう? 違うの?)
(引用終わり)

このテキストは、町山氏のアジリに対する違和感含むものだと思う。

で、私個人の意見を表明しておくと、

・その1
映画オタクにとってのクズ映画が公開されることに関して、私自身はそれほどおかしいとは思っていない。大衆の好みとオタクの好みには、決定的な、そして永遠に相容れることのない断絶がある。

ちなみに、そういうことに関して、一般大衆へのナビ、一種のソムリエとしてのオタク、という役割を社会的に位置づけようとしたのがオタク第一世代のスポークスマン的な役割をしてきた人たちだろう。

しかし、あくまでもオタクというのは一般大衆にとっては「外部」な存在なのだから、そしてオタクの方が圧倒的に少数なのだから、市場の論理によって大衆向けの映画が製作され、公開されることを私は町山氏ほど「ダメなこと」とは思っていない。

一方で、「お願いしてこれを売ってください」って言うことが、変なことだとも思わないですね。だってそれくらいしか、オタクという「数として少数な人々」は訴える力、ないんですよ。署名くらいやったっていいんじゃないかな。

要するに、私が言いたいのは「どんな映画が公開されることが正しいのか」ということではなく、観客として「お願いしますよ」って言うしかない、という消極的、絶望的立場しかないということです。

あんまり「弱者」って言葉を使うと問題かもしれないけど、オタクの中にも弱者はいる。たとえば地方在住者は、韓国版DVDも入手はむずかしいかもしれない(通販やってるかどうかは、調べてない)。
あるいは、視聴環境だって小さいテレビだけ、という人もいるかもしれない(貧弱な視聴環境しかないならそれはオタクではない、という理屈は、私は採用しない。まあ、このあたりは「なんだかんだ言ってオタクは金がないとできない」っていう根本的な問題になるんだけど)。

もっと単純な問題として、今回はたまたま韓国版DVDに日本語版吹き替えも字幕も付いているけど、言葉の壁で楽しめない人だっている。

また、クリエイター的能力から考えても、本当にどうにもならない人たちというのは(私も含めて)存在していて、そういう人はひたすらに作品を「受容」していくしかない。「受容」していく以外に、どのような態度も示せない(しかし何らかの立場は表明したい)という人もいる。

そういう人が、上からの立場ではなく、単に「お願いします!」って言うことは、別に悪いことではないんじゃないですかね。

(あと、まあ素朴な問題点だけど「映画は商品なのか、文化なのか」という超・根本的な問題もあるんだけどね。それに関しては素朴すぎるのでここでは語りませんけど。)

・その2
そして、徹底的にお願いします、お願いします、という下手(したて)に出る態度を追求する中で、いつしかやっぱり町山さん的態度に私の心情は少し、反転していく。
それは当然、「オタクがオタク的なものを楽しみたいから業者にお願いする」という態度ではなく、
「アホみたいな一般大衆を啓蒙してやる」という見果てぬ夢からくる態度である。

そう、「オタク」という種族がいるわけじゃない。たとえばの話、1000人しかいないオタクが1万人を相手にする市場に、多数決の論理ですでに決着がついている問題に関してワガママを言っている、という構図のみを、自分は問題視しない。それなら確かに署名は意味がない。

個人的態度として、下手(したて)、下手(したて)に出る果てには「いつかこんなクソ一般大衆を啓蒙し、もう少しこの俺様が生きやすい世の中にしてやる」という気持ちがある。
そういう、弱者的立場から高慢な、上から目線への揺れ動き。それが自分の態度ですね。客観的に観て。
我ながらとってもとってもファニーだと思います(笑)。

逆に言うと、「自分の支持者は1万人」とか「10万人」ってあらかじめ規定して、その人たちに対してしか情報を発信しない人は、自分にとってはつまらないんですよね。
私が、個人的に信頼できる人がみんな大好きな「山本夏彦」が嫌いなのはそこに理由があります。
それと、完全に「外部」というか「マレビト」的な立場の橋本治も心の底からは信用できないですね。ってそれは余談か。

【映画】・「ホットファズ(Hot Fuzz)

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