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【映画】・「ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE」

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監督:マッコイ斉藤、脚本:オークラ

何十億円もするという、黄金でできた珍笛「ルイ14世の長っ鼻」をめぐる、ジャガーさんや悪人っぽい人たちとの争奪戦。

うーーーーーーーーん、評価がむずかしいですね。
真っ先に書いておきたいのは、要潤(ジャガーさん役)の新しい魅力を引き出したこと。要潤はコメディもできる、ということを知らしめたこと。そのことだけは書いておきたい。

後は……。

まあよくも悪くも、テレビバラエティノリだということですね。

どういうことかというと、箇条書きにすると、

・ストーリーがない
・キャラクターの掘り下げがない
・細かいところで笑いを取りに行きすぎる
・全体的にガチャガチャしすぎ

……ということです。
とにかく、どのくらいストーリーがないかというと、原作にうっすらとある、「マジメにミュージシャンになろうとするピヨ彦が、ついつい異常天才であるジャガーさんのペースに乗せられてボンクラな学校生活を満喫してしまう」というところの描きこみがぜんぜんない、ということです(ピヨ彦のモノローグで説明されているだけです)。

あるいは、一人ひとりを掘り下げていけばじゅうぶん面白くなったはずのふえ科メンバーのキャラクターにも掘り下げがない。ハマー、高菜、どちらも食い足りなかった。

「細かいところで笑いを取りに行きすぎる」、「全体的にガチャガチャしすぎ」、これはもう、最近の日本のコメディ映画の特徴じゃないかなー。
私も「クロマティ高校」までは許してた。我ながら不遜な言い方ですが。確かにフレディ役が名前忘れちゃった、中堅の俳優さんだったり、っていうのは確かに面白かったですよ。
あるいは、最後に宇宙猿人ゴリが出てきてメチャクチャになるとかね。

ところが、気がついてみるとそんなんばっかりなわけですよ。
考えると、クドカンの悪影響なのかな。あるいは、小劇場系の芝居から来た人の特徴なのかなあ。

クドカン、三木聡、それと松尾スズキの「恋の門」もガチャガチャした映画だった。あるいは、うがった見方だと思われるかもしれないが松本人志の「大日本人」は「テレビバラエティっぽくしないようにつくろう」と、テレビの人が思ってつくったんじゃないかと感じてしまう。

で、「クロマティ高校」以外は、監督が映画プロパーの人じゃないことが、少なくともこのガチャガチャ具合と関係あるのは間違いないと思っています。
一方で、三谷幸喜も芝居畑の人なわけですよね。少なくとも「十二人の優しい日本人」なんてものすごく芝居っぽい映画だったし。で、彼がおそらくアメリカとかイギリスのお上品なコメディの影響下にある脚本を書いて、「大人の鑑賞に耐える」的な感心の仕方をされて、
一方でパンク的な志向を持った人たちが、よくも悪くもガチャガチャな映画を撮る。
そして、そのどちらものが「コメディ映画」という領域において、芝居人である、と。

これは、日本の映画界はもうちょっと考えたほうがいいと思いますよ。

監督のマッコイ斉藤って人はよく知らないんだけど、脚本のオークラは人力舎と関係の深い人らしいんで、本来は私が好きなパターンのはずなんですよ。
だけど、映画というフィールドでは、もはやそういう芝居的、あるいは人力舎的(都会的なお笑いセンスという意味)な方法論は、個人的には食傷気味でした。

この映画、興行的に成功するか失敗するかはわかりませんが、少なくとも要潤だけはコメディをやめないでほしい。それだけは言えます。

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