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2007年12月

【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」2回連続更新で最終回

9回、10回と連続更新して最終回となりました。
8回まで読んでくださっている方は、お間違いのないように9回からお楽しみください。

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【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第10回(最終回)

第1回から読む

第9回

しかし、柿三郎の身体が一瞬半透明になったように見え、弾丸は彼の身体を素通りした。

「ギャーッ!!」

すごい声がした。柿三郎の真後ろにいた、ジンパチの子分の声だった。
弾丸は、彼に命中したのだ。

「!?」

驚くジンパチ。
しかし、そのほんのわずかの瞬間、柿三郎は10メートルの間合いを一気に1メートルにまで詰めていた。

「ローリング、シュナイダーッ!!!!!」

柿三郎のフィニッシュ・ブローが炸裂した。彼の左拳は、激しく回転する渦状の光を発し、ジンパチの持った拳銃に命中。

拳銃はチョコレートのようにひしゃげ、次に握ったジンパチの指を粉砕し、その手首をも粉砕し、右腕を折り、彼の右肩を破壊した。

「うぎゃーっ……」

「ローリング・シュナイダースペシャル!!!!!」

ジンパチが痛みで絶叫しようとしたとき、今度は赤色の光を放った柿三郎の右拳が、彼の左こめかみにヒットした。

その瞬間、ジンパチの頭蓋骨と脳髄は同時に破壊され、右の耳からブシューッと、脳漿が噴出していた。

ジンパチは、死んでいた。

「ズンドコ之助のローリング・シュナイダーなど、ただの技の残骸にすぎん。本当にこの技を復活させたのは、このぼくだ……」

右拳と左拳を血で真っ赤に染めながら、柿三郎はたたずんでいた。

しばらくすると、背後から異次元警察官が二人、やってきた。

「とうとうやっちまったな、柿三郎」

そのうちの一人が言った。

「何を言ってるんだ……。ポッピョピョン家とバーバーダム家を滅ぼすために、黙って見ていたんだろう? もしかしたら、ジンパチを呼び寄せて泳がせていたのもあんたらなんじゃないのか?」

柿三郎は言った。言っている間にも、彼の両手には手錠がかけられていた。
柿三郎は、抵抗しなかった。

「そんなにあそこに捨ててあったサンドイッチが欲しかったのか?」
「まあ、話はゆっくり署で聞くとするよ……」

二人の警官は、柿三郎を連行し、ジンパチとその子分の死体をかかえて去っていった。

「遅れちゃった……」

またしばらく経つと、「存在感薄い公園」に一人の人影が現れた。

ひょっとこ姫であった。

栗太郎の死後も、寂しくなって何となく公園に来ていたのだ。

「何かあったのかな……」

血で汚れた地面を不審そうに眺めるひょっとこ姫。
バイト先のコンビニから直行して来たので、小麦粉ババアが死んだことすら、彼女は知らない。

「きょうだいみんな死んじゃった……」

ひょっとこ姫は、ベンチに腰かけてじっとしていた。

数分経つと、いつの間にか歌を口ずさんでいた。

それは、「ピョメピョメ倶楽部」の歌であった。
(完)

もう一度、第1回から読む

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【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第9回

第1回から読む

第8回

「やられた……! それにしても、どいつもこいつも、敵の差し入れを食うとは……」

ジンパチは舌打ちしたが、すぐに思い直した。
「この町のボスになるのはおれだ。そのときには仲間が少ないほうが、分け前は増えるというもんだ」

この段階ではじめて、ジンパチは実家に足を踏み入れた。
「むっ」
小麦粉ババアも、死んでいた。手には食いかけの饅頭を持っていた。

「桃次郎のしわざか……」

いまいましく思いつつも、そろいもそろって敵の差し入れを食うという神経が、修羅場をくぐってきたジンパチには理解できない。

ジンパチは、小麦粉ババアの死体を見つめながら、一升瓶を取り出して酒を飲みだした。
しばらくすると、電話が鳴った。

「バーバーダム家だ」

出ると、凛々しい若者の声がした。
「ジンパチか。おれはポッピョピョン家の最後の生き残り、柿三郎だ。貴様、越えてはいけない一線を越えてしまったな。勝負がしたい。明日の午後2時、『存在感薄い公園』に来い」
「わかった」

探す手間が省ける。ジンパチは短く返事をして、電話を切った。

翌日、午後2時、「存在感薄い公園」。
ジンパチは早めに来て、場の状況を把握しようとしていた。
本来なら、栗太郎のときのように遠方から狙撃してしまうのがいちばんだろうが、柿三郎が場所を指定してきた以上、こちらの出方もお見通しだろう。

そこで、死角のないよう公衆トイレを背に、どこから柿三郎が着てもいいように待っていた。

もちろん、自慢の拳銃はきちんと手入れをしてあるし、ある「汚い手」も用意していた。

「逃げなかったんだな……」

午後2時ぴったりに、柿三郎はやってきた。
栗太郎は顔は栗、身体はマッチョだったが、柿三郎は顔が柿、そして身体は栗太郎など問題にならないくらい筋肉質であった。

位置はジンパチの真正面である。距離は10メートルほど。
この瞬間、狙撃してもじゅうぶんやつを殺せる……。

ジンパチは一瞬そう思い、そして次の瞬間、その考えを撤回していた。

いや、違う。こいつはできる。

ジンパチに、初めて焦りのような感情が芽生え始めていた。

「栗太郎兄さんが、跡取りとなったのはやはり失敗だったんだ……」

柿三郎は、勝手にしゃべり始めた。

「そもそも、ポッピョピョン家は格闘家の一族だった。
今では忘れ去られているが、異次元ではちょいと名前を知られたこともある。しかし、父のズンドコ之助はおそろしいまでに怠けるのが好きだった。
20年前、祖父のドンドコドコ佐衛門が死んでから、ズンドコ之助はこれ幸いと格闘家の看板をおろし、ニート生活に入った」

「子供たちにも、格闘技を教えることはしなかった。毎日まいにち、怠けてばかり。
怠け者の栗太郎にいさんを跡取りにすえたのも、息子の代で格闘家としての活動が復活することを防ぐためだった」

ジンパチは、柿三郎の話を聞きながら、隙をうかがっている。

「しかし、自分はイヤだった。毎日まいにち怠けて暮らすのが……。
そこで、重い石を持ち上げては谷底に放り投げる仕事をした。生活費を稼ぐのはもちろんだが、格闘家としての鍛錬の意味もあった」

「ズンドコ之助は、私が肉体労働をしているとしか思っていなかっただろうが、実は違う。
バイトの後には、格闘技の特訓に明け暮れた。祖父のドンドコドコ佐衛門、父のズンドコ之助の技を復活させるのは大変だった」

ジンパチは、「今だ!」と思い、前方に左手でわずかに合図を送った。

パーン!!

何か大きな音がした。ジンパチの子分が、合図を受けて出した音だった。

その瞬間、柿三郎はハッとして動きを止めた。

「何がどうだろうと、死ぬのはおまえだぜ!!」

ジンパチは抜き身の拳銃を構えて、撃った。距離は10メートル。避けようがない。

第10回(最終回)に続く

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【イベント】・コミックマーケット73

WAIWAIスタジオ
12月31日(月)
東京ビッグサイト
西1ホール や36a

新刊はありません。たぶん。
「ぶっとびマンガ大作戦」の既刊を、ちまちまと売り続けます。400円。


「と学会誌」の委託もやります。これは面白いよ!!

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・「金魚屋古書店」(1)~(5) 芳崎せいむ(2004~2007、小学館)

Kingyoya05
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「金魚屋古書店出納帳」の続編だかしきりなおしかわからん。
とにかくどんなマンガでも揃う古本屋「金魚屋」をお話の舞台の核として、そこに出入りする人の人間模様を、毎回実在のマンガとからめて描く1話完結形式の作品の第5巻。

現在、最新刊は第6巻。

1巻までの感想は、「出納帳」について書いたテキストとほぼ同じ。

やはり本作は、非常に重要だと思うんですよね。「マンガを語る」とはどういうことかを考える上で。

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【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第8回

第1回から読む

第7回

栗太郎の死をかわぎりに、小麦粉ジンパチによる「ポッピョピョン家狩り」が始まった。

次男・桃次郎は、コンビニで立ち読みした帰りに狙撃され、死亡。

四男・梨士郎は、ネットカフェから出てきたところを狙撃され、死亡。

五男・芋梧郎は、場外馬券場の人ごみで、後ろからナイフで刺されて死亡。

六男・檸檬六郎は、床屋でひげをそってもらっている最中、ガラス越しに拳銃で撃たれて殺害された。

すべてがジンパチのしわざであることはあきらかだった。

ズンドコ之助は、パニックにおちいった。
何しろ、バーバーダム家は、「給食の犬食い」という防御呪文しか知らない小麦粉ババアを除いて、すべてが拘置所に入っていると思っていたのだ。
そこにまさか、いなくなっていたジンパチが表れるとは思ってもいなかった。

しかも、前々から「最も危ないヤツ」だということは知れ渡った男である。

すでにポッピョピョン家は、栗太郎も含め四人がジンパチによって殺害されている。

そのうち、いわゆる「ファミレス戦争」の舞台であったファミレスの店長まで、ジンパチによって撃ち殺されてしまった。

ポッピョピョン家で残っているのは、バイトをやっている柿三郎と、自分しかいない。

ズンドコ之助は、「警察に通報」に引き続き、二度目の決意をしなければならなかった。

……「狙撃事件、殺害事件があいついでいる」という情報はあっという間に町内に広まった。
今は人っ子一人、路上を歩くものもいない。

木枯らしが吹いていた。

閉店してしまったファミレスの前に、男が立っていた。
ジンパチである。

しばらくすると、彼の前方10メートルほどのところに、男が現れた。

ズンドコ之助であった。

「やっと当主のおでましか。待ちくたびれたぜ」

ジンパチは、右手に握った拳銃に頬ずりした。

「これだけ死人が出てしまったとあっては、私が出てくるしかない、と思ってな……」
「おいぼれがどこまで通用するか、相手になってやるぜ」

二人の間の空間に、異様な緊張感が立ちこめていた。

しばらくの沈黙の後、ダッシュしたのはズンドコ之助だった。

「ローリング・シュナイダーッ!!」

ズンドコ之助の左拳はまばゆい光を放ち、ジンパチの顔面向けて解き放たれた。

ズキューン!!

しかし、ジンパチの拳銃さばきの方が何倍も早かった。

フィニッシュブロー「ローリング・シュナイダー」がジンパチに達する前に、ズンドコ之助の眉間は拳銃で撃ち抜かれていた。

ファサ……というような、まるで布きれがふんわりと地面に落ちるように、ズンドコ之助は倒れた。

「あっけない最後だったぜ」

ジンパチは肩頬を吊り上げて笑った。

プルルルル、プルルルル……。

ジンパチの携帯電話が鳴った。

出てみると、ジンパチの子分の男だった。

「アニキ、今大変なことになってますぜ。拘置所の小麦粉ジョー、小麦粉豊作、小麦粉キャッツ、小麦粉太郎の四人が、差し入れの饅頭を食べて全員死んだそうです! なんでも毒入りだったそうで……」

「何!? いったいだれがそんな差し入れを!?」

「なんでもポッピョピョン家の桃次郎とか言うヤツだそうで……」

いったいいつ饅頭が差し入れられたかを、子分に聞く。
それは桃次郎をジンパチが殺害する直前のことだった。
桃次郎は、コンビニで立ち読みする前に拘置所に寄っていたのだ。

第9回につづく

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・「GUNSLINGERGIRL」(4)~(5) 相田裕(2004~2005、メディアワークス)

Gunslinger05
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「月刊コミック電撃大王」連載。
1巻から3巻までの感想は、こちらを参照してください

イタリアの公益法人「社会福祉公社」は、事故などで重症を負い、なおかつ引き取り手のいない少女たちに「義体」という身体を与え(一種のサイボーグ?)、薬物による「条件付け」をほどこして戦闘マシーンとして鍛え上げる。
少女たちは、公社の男たちと組み行動する。その関係は「フラテッロ(兄弟)」と呼ばれる。仕事は主に、闇社会につながる人間の暗殺や反政府組織の殲滅。とくに、五共和国派(通称パダーニャ)は繰り返し出てくる宿敵であるようである。

この作品は本当に静かに恐く、また数年経って続きを読んだがいまだに「萌え」シーンと「マンガ」の現状のなかで異彩を放っている。

詳述しよう。

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【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第7回

第1回から読む

第6回

やけに寒い日だった。

今日も、栗太郎とひょっとこ姫は「存在感薄い公園」で会っていた。
すでにピョメピョメ倶楽部の話題も尽きていたが、やがてお互いの日常生活について語り合うようになっていた。

「……気づいていたよね?」

ひょっとこ姫が言った。下を向いている。ひょっとこのお面のせいで、表情はわからない。


「ああ。おやじたちがファミレスの座席を奪い合っていることだろ?」

栗太郎はため息をついた。
あんないがみ合いをしていたら、いつまで経っても自分とひょっとこ姫は、大手を振って会うことができない。

しかも、ひょっとこ姫のきょうだいたち……。小麦粉ジョー、小麦粉豊作、小麦粉キャッツ、小麦粉太郎、すべてが、ズンドコ之助の通報によって逮捕されてしまったのだ。

栗太郎には、済まないと思う気持ちがある。

「いいよ……。ドロボーはドロボーなんだから。捕まるのも、時間の問題だったよ」

ひょっとこ姫は、言った。
小麦粉ババアは放心状態になってしまい、今では家で異次元テレビをぼーっと眺めている状況だという。

「ウチのおやじだって、毎日ファミレスに入り浸って、柿太郎のバイト代でビールばかり飲んで……。ひどいもんさ」

栗太郎は言った。

しばらく沈黙が続いた。

「ねえ、なんで栗太郎さんは働かないの?」

ひょっとこ姫の何気ない言葉に、栗太郎は激しく動揺した。

(自分が怠け者なのが、バレた……!?)

必死にごまかしてきたが、とうとう言われてしまった。ああ、弟の柿太郎がバイトしてるなんて言わなければよかった……。弟と比べられてしまったのでは?

栗太郎の心の中に、さまざまな思いが去来する。

しかし、とっさに栗太郎はしゃべっていた。

「ぼくがニートなのには、わけがあるんだ。実は全異次元ニート選手権というのがあって……」

栗太郎の必死の自己弁護に、ひょっとこ姫の彼に対する好意はガラガラと崩れ去っていった。

当然、「全異次元ニート選手権」なんて、ない。

「私だって、コンビニでバイトしているのに……。この人は話を聞いていると、ピョメピョメ倶楽部のCDを図書館で借りて家で聞いて、後は毎日、つくりおきのおかゆをすすっているだけじゃない……」

ひょっとこ姫の疑念が最高潮に達したとき、一発の銃声が轟いた。

「栗太郎さん!!」

ひょっとこ姫が叫ぶ。栗太郎の胸板を、拳銃の弾丸が貫通したようだ。
栗太郎の胸から、ピューッと血が葺き出して来る。

「バーバーダム家を、なめるなよ」

声にひょっとこ姫が振り返ると、そこには拳銃を持った男が立っていた。

「ジンパチにいさん……!! いつこの町に戻ってきたの……!?」

「二、三日前さ。ひさしぶりに来たので少し様子をうかがっていたんだが、妹のひょっとこ姫よ、おまえもこんなチンケなやつに関わるんじゃねえよ」

彼の名は小麦粉ジンパチ。小麦粉ジョーの弟であり、小麦粉豊作の兄である。三年前にやくざの舎弟になって三人殺し、ずっと逃げ続けていたのだ。

それが今、帰ってきた。

「おれはこの町のボスになる。そうしたらひょっとこ姫も、ハンバーガーだけでなくチーズバーガーも食べられるようになるぜ」

ジンパチは姿を消した。ひょっとこ姫は追おうとしたが、栗太郎が撃たれたことに気づき、彼の方を振り返った。

栗太郎は、死んでいた。

第8回につづく

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【雑記】90年代テクノの頃

Frogman Records~BESTにしてLAST!
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フロッグマン・レコーズがベスト盤を出した後、「冬眠」するという話題。

以下は単なるノスタルジーです。

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【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第6回

第1回から読む

第5回

午後2時頃。
ズンドコ之助は、「存在感薄い公園」で仲良く語り合う栗太郎とひょっとこ姫を苦々しく横目で見ながら、隣のゴミ捨て場でサンドイッチをあさっていた。

ズンドコ之助は、当然、いまだに栗太郎がひょっとこ姫と仲良くしていることをよく思っていなかったが、バーバーダム家との「ファミレスの座席争奪戦」にかかりきりになっており、それどころではなかったのだ。

いつものゴミ捨て場にいるズンドコ之助の背中に、焦りの色がにじみ始めた。

「サンドイッチが、ない……」

ニートであるズンドコ之助の一族、ポッピョピョン家は、ほとんどここに捨ててあるサンドイッチのみで生活している。
ここのサンドイッチがないとなると、死活問題だ。

「もしかして……。やつが!?」

ズンドコ之助は、つぶやいた。

「おばば様。我々の手を持ってすれば、このようなことはたやすいですよ」

ここはバーバーダム家。
小麦粉ジョーが、ドサッと放り出したものは、大量のサンドイッチであった。

小麦粉ジョーは、バーバーダム家のドロボー行為の中心人物である。

「でかしたぞ、ジョー。これでやつらは兵糧攻めにあったも同然……。まもなくファミレスから手を引くじゃろう」

小麦粉ババアは、嬉しそうにサンドイッチのひとつを手に取り、包装をはがしてひと口食べた。

「やつらの金銭の収入は、柿三郎のバイト代のみですからな。金銭がなくなれば、ファミレスになど入れなくなるのは必定」

柿三郎は、栗太郎、桃次郎の弟で、重い石を運んでは谷底に投げおとすというバイトをやっている。

「これで再び、われらの天下じゃ!!」

小麦粉ババアは、嬉しそうに笑った。

実際、二、三日してズンドコ之助はファミレスから姿を消した。
昼頃には手つかずで残っていたサンドイッチが根こそぎなくなっていたため、ズンドコ之助は午前中にも行ってみたが、やはりなくなっている。
仕方がないので、面倒くさかったが早朝4時起きしてごみ捨て場を見張る。

すると、サンドイッチが捨てられてすぐさま、それを拾って持っていく人影があった。

「小麦粉ババアのところの、小麦粉ジョーじゃないか!!」

ズンドコ之助はやっぱり、と思った。
「我らのライフラインを絶って、ファミレスから撤退させたのだな……」

ズンドコ之助は悔しさのあまり、拳をワナワナとふるわせた。
彼の顔には、ある決意があった。
「最後の手段を使うしかない。」

ニートの彼にはないほどの、決意の表情であった。

数日後。
小麦粉ジョー、小麦粉太郎、そして小麦粉豊作、小麦粉キャッツといった、銅線ドロボーの兄弟の面々が全員、異次元警察に逮捕されてしまった。

ガランとした家の中で、小麦粉ババアは呆然としていた。
「やつじゃ……。やつが通報したんじゃ……」

しかし、考えてみれば隣近所に「あの人たちはドロボーで生計を立てている」と知られていた彼らである。
今まで、捕まらなかった方がおかしいのであった。

「わしはどうすればいいんじゃ……。もうファミレスに行けないではないか……」

具なしのお好み焼きを自分でつくって食べながら、小麦粉ババアはつぶやいた。
ひょっとこ姫のバイト代は、貯金をしろと言ってあった。今さら、家長としてひょっとこ姫に金を無心するわけにはいかない。

これが「第二次ファミレス戦争」の結末である。
最後の決戦が近づこうとしていた。

第7回につづく

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【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第5回

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第4回

今日もファミレスの奥の席を占拠しては、ドリンクバーだけ頼んでずっと携帯ゲームをやっている小麦粉ババアの孫、小麦粉太郎。

不自然なくらいに広げた足が、いかにも「陣取っている」という雰囲気を漂わせている。

そこにやってきたのが、ポッピョピョン家のズンドコ之助の息子、桃次郎であった。
大きめのめがねに、「ポッピョピョン家」の「ポ」と書かれたキャップをかぶっている。
ストーンウォッシュのジーンズに、上はそこらへんで買ったスタジャンであった。

年齢は、桃次郎の方が小麦粉太郎よりわずかに上だろう。

「キミさあ、これ見たことある?」

桃次郎は、一枚の紙きれを小麦粉太郎に渡した。

ゲームを邪魔された小麦粉太郎は、一瞬けげんそうな顔をしたが、渡された紙きれを見たとたん、興奮して立ち上がった。

「こりゃあ、アイブ裂きのヘアヌード写真じゃねえか!!」

アイブ裂きというのは、異次元界のトップアイドルである。

「なんでおまえがこんなもの、持ってるんだよ!!」

立ち上がった小麦粉太郎は、桃次郎に詰め寄った。

「裏山に、たくさん落ちてたよ」

桃次郎がそう言うと、小麦粉太郎は携帯ゲームを放り出して走り去っていってしまった。

「でかしたぞ、桃次郎! おまえはわが一族いちばんの切れ者じゃ!!」

ズンドコ之助は、小麦粉次郎が占領していたファミレスの席に座ってビールを飲んでいた。
つまみはポテトフライのみで、もう3時間もねばっている。

「して、どうやってやつを外に出させたんだ?」

ズンドコ之助が聞くと、桃次郎は説明をした。

桃次郎は、パソコンの写真修正ソフトを使って、アイブ裂きの顔と、他の女優のヌードの身体とをくっつけて加工したのである。

我々の世界で言うところの、アイコラである。

しかし、小麦粉太郎はパソコンはおろか、写真をそこまで加工できるということも知らない。
だから、「本当にアイブ裂きが脱いだ!!」と思い込み、興奮してしまったというわけだ。

「だけど、彼は幸せですよ。ぼくがつくったアイブ裂きのヌードを裏山で大量に見つけて、喜んでいるに違いありません」

桃次郎は得意げであった。

その後、ズンドコ之助はふたたびファミレスの席がバーバーダム家によって乗っ取られないように、一族の者を交代でファミレスに送り込むことにした。

暇人なら、ポッピョピョン家の方がバーバーダム家よりもずっと多い。

こうしてバーバーダム家は、ファミレスからしめ出されることになってしまった。

これが「第一次ファミレス戦争」の幕切れであった。
しかし、バーバーダム家も恐ろしい作戦を立てていたのであった。

第6回につづく

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【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第4回

第1回から読む

第3回

受話器を持った手がワナワナと震え、何か言い返そうと焦るが口はぱくぱくとするばかりで声が出てこない。

「-ー!!」
{なんだ?」

小麦粉ババアの叫び声があまりに激しいので、ズンドコ之助には聞き取れなかった。とっさに聞き返してしまう。

「少なくとも、箱入り娘のひょっとこ姫はもともとひょっとこ王国のお姫様。クーデターで国を追われたが……。おまえらのようなニート風情にとやかく言われる筋合いはないわ。
おまえたちに、あのファミレスの奥の席はぜったいに渡さん!!」

今度ははっきりと聞き取れた。

「なんだと、このー!!」

ズンドコ之助がさらに何か言いかけたとき、ガチャン、と電話が切れてしまった。

牛くんが、勝手に切ってしまったのだ。

「警察呼ぶよ」

牛くんが、顔を2ミリくらいまで近づけて言ってきた。
よだれくさくて恐いので、ズンドコ之助は家に帰った。

そして、残りのサンドイッチをまた食った。

数日後。
いらない本を整理していたら、その中の1冊に1000異次元円札がはさまっていたので、ズンドコ之助はひさしぶりにファミレスに行った。

そうしたら、彼が自分で「自分の場所」と勝手に決めている奥の座席が、見知らぬ小僧に占拠されていた。
丸坊主で、真っ赤なスウェットを着ている。視線は手元の携帯ゲームにはあるが、ただならぬ迫力がある。

(小麦粉ババアの孫だ!!)

ズンドコ之助は思った。

小麦粉ババアには、日々ドロボーに励む息子や孫が何人もいる。今、座席を占拠しているのもそのうちの一人だろう。
ひょっとこ姫の兄か弟に違いない。

「あいつ、よく来るの?」

ズンドコ之助は、近くを通りかかったウェイターに聞いた。

「最近、毎日来ますね。1日のうち三分の二くらいはあそこの席にいます」

三分の二! それではほとんど自分があそこの席に座れないではないか。

(ババアだ!)

小麦粉ババアが、いやがらせに孫の一人を、陣取らせているに違いない。
しかし、ケンカに弱いズンドコ之助には何も言うことができない。

ズンドコ之助は家に帰った。
家には何もしないでゴロゴロしている、彼の子供や孫がたくさんいる。

そいつらには、正面切ってこわもての小麦粉ババアの孫を何とかできるものなど、一人もいない。
しかし……。

「そいつは、小麦粉太郎ですね。小麦粉ドロボー一家の中でも下っ端で、使い走り的存在です。別にドロボー稼業においてはいてもいなくてもいいので、ファミレスの席を陣取らされているのでしょう」

やや生意気な口調でペラペラとしゃべる少年。
彼はズンドコ一族の中でも最も情報通と言われる、栗太郎の弟、桃次郎であった。

「ぼくにいい考えがあります」

第5回につづく

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【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第3回

第1回から読む

第2回

「存在感薄い公園」の近くにあるゴミ捨て場には、なぜか賞味期限を1日か2日しか過ぎていない大量のサンドイッチや菓子パン(もちろんビニールの封を切ってない)が捨てられていた。

ポッピョピョン家の家長・ズンドコ之助は、それを拾って生計を立てていた。
今日も大量のサンドイッチをカバンにつめて、ほくほく顔で「存在感薄い公園」の前を通り過ぎようと思ったときに、いつもは人のほとんどいない公園に人影が見えた。

よく見ると、息子の栗太郎と、宿敵・バーバーダム家のひょっとこ姫が、二人仲良くピョメピョメ倶楽部の振り付けを練習しているではないか!

その場は、早くサンドイッチが食べたいという気持ちで頭がいっぱいだったので立ち去ったズンドコ之助。

家に帰ってサンドイッチをむさぼり食い、おやつ用に残してあったモモ缶のつゆを飲んでひと息ついてから、隣の家に行った。

隣には、牛さん一家が住んでいた。牛さんは、今から3000年くらい前に遺伝子操作で人間っぽくなった牛の子孫である。

「牛さん、電話貸して」
「ええ~またあ~」

牛さんのおとうさんはあからさまにイヤそうな顔をした。
電話を止められているズンドコ之助は、しょっちゅう電話を借りに来るのだ。

牛さんがいいとも悪いとも言う前に、ズンドコ之助は牛さんの家に上がりこみ、電話をした。
もちろんバーバーダム家に、である。

「もしもし」
「はい」

出たのは、バーバーダム家の家長である小麦粉ババアである。
ババアは、昼間は畳をむしって過ごしているだけなのでヒマなのだ。

なお、ドロボー稼業なのでニートのズンドコ之助よりも金を持っている。
だから、電話もある。

「おたくんところの娘が、うちの息子と公園で遊んでいたぞ! おまえらのようなドロボー一家とつきあっているとドロボーがうつるんじゃ!!」

ひどい言い方であった。
しかし、基本的にバーバーダム家は本当にドロボーなのでババアには返す言葉がない。

第4回につづく

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・「最強伝説黒沢」(6)~(11)(完結) 福本伸行(2005~2007、小学館)

Saikyo11
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本作が雑誌連載で最終回になったときに、最終回だけ読んでこのテキストを書いた。

「嫌われ松子の一生」と比較して書いたのだが、「松子と似てません」と言われて、かなり後悔した。
単行本ベースで読んでいたため、最終回だけ読んで書いたからだ。
これでは、反論されても単行本を読み直さないと書きようがない(私はマンガを読むのに時間がかかる)。それに、「最終回だけ読んでテキストを書いた」と断り書きはしたんだけれども、やはりそういうことはすべきではないと思った。

で、やっと最後まで読んだんだけど、

やっぱり映画「嫌われ松子」に似ていると思うよね。私は。

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【感動近未来小説】・「ズンボボズボボボ伝説」第2回(感動の最終回)

第1回

マサオが覗き穴から覗くと、そこには美少女が立っていた。

長い髪は美しい紫色、瞳の色も紫色に合わせている。きっと未来カラーコンタクトレンズを付けているのだ。
大きな赤い矢印が下に向かってついている、テカテカしたミニのワンピースを着ている。
手にもった小さなバッグは明るいオレンジ色で、用途不明のダイヤルが二個、付いていた。
足には膝丈の白いブーツ。白に、図案化されたオレンジ色のイナズマが走っていた。

「ど……どちらさんで?」
マサオがおそるおそるたずねると、

「私のこと、ママから聞いてなかった? 私、ルハミ」

ルハミ……ルハミ……。

マサオはその名前を頭の中で反芻して、思い出した。

死んだ義母・ハナコには、とうの昔に家を出て行ってしまった娘がいると言っていた。
その子の名前が、確かルハミだった。

「ああ、もしかして……」

写真も見せてもらったことがあるが、そのときには瞳の色も髪の色も黒かったし、とっさにはわからなかったのだ。

「わかった? わかったなら入れて」

ルハミがせかしたので、マサオは家に入れた。

「ズンボボズボボボ伝説って知ってる?」

部屋に入るなり、ルハミが聞いてきた。

説明しよう。ズンボボズボボボ伝説とは。
「ズンボボズボボボの木」の下で告白すると、恋がかなうという伝説である。

しかし、そのためには「ズンボボズボボボの歌」を歌わなければならない。

「こんな歌よ」
ルハミは歌いだした。

ズンボボズボボボ ズンボッボ
ズンボボズボボボ ズンボッボ

ズボンを履いたら 尻に穴
靴を履いたら 底に穴

お出かけしたら 雨降りで
道を歩けば いきどまり

それ!
ズンボボズボボ
ズンボボズボボ

嗚呼 青春の1ページがあるのなら
52歳は 青春の100ページ

マサオは黙ってその歌を聴いていたが、しばらくしたら地鳴りのような音が聞こえてきた。

「何!? どうしたの!?」
「歌だ! あんたの歌で、このボロアパートが崩れようとしている!!」

「キャー、助けてー」
「うわー」

……100年後。

科学が発達しすぎて、人類は滅んだ。

焼け野原を、猿のような生物がトボトボと歩いている。
猿は歌いだした。

ズンボボズボボ
ズンボボズボボ

一匹の猿が歌いだすと、姿は見えないが、あちこちから同じ歌を歌う声が聞こえてくる。

酸性雨が降ってきた。

冬が始まろうとしていた。
(完)

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【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第2回

第1回

「ピョメピョメ倶楽部」のことで意気投合した栗太郎とひょっとこ姫。
しかし、お互い自己紹介をしたときに二人に衝撃が走る。

栗太郎は、ニートで近所の迷惑家族・ポッピョピョン家の跡取り息子。
ひょっとこ姫は、銅線ドロボーとして売り出し中でいきがってバカやってる最中のバーバーダム家の箱入り娘。

両者がファミレスで敵対していることを、二人は知っていたのだ。

「もう会えないかもしれませんね……」
栗太郎は、足元の石ころを蹴っ飛ばしながら、寂しそうにつぶやいた。
ひょっとこ姫は、栗太郎を勇気づけるように、
「ねえ、決まった時間にこの公園で会わない? ここってけっこうみんな知らないと思うんだ。」

二人がいる公園は、通称「存在感薄い公園」。正月に餅つき大会があったときも、その存在感の薄さにだれも集まらなかったという逸話を持っていた。

「じゃあ、毎日午後2時、ここで!」

栗太郎は晴れやかな声でいった。ニートは時間が自由だからである。
ひょっとこ姫は、箱入り娘だったので銅線ドロボーには参加していなかったが、コンビニでバイトしていた。
だから、栗太郎に笑顔で同意した後、バイトの時間帯をずらさなければならなかった。

その日から、栗太郎とひょっとこ姫の、「ピョメピョメ倶楽部」を介した逢瀬が始まった。

といっても、二人ともマニアでもなければコレクターでもなかったから、貸しCDを二人で借りては聞き入ったり、「ピョメピョメ倶楽部のヴォーカルってDV疑惑があるって本当?」などのゴシップを話したりして時間を過ごした。

しかし、そんな幸せも長くは続かなかった。
両家の主が、二人の出会いに気づいてしまったのである。

第3回へつづく

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【感動近未来小説】・「ズンボボズボボボ伝説」第1回

西暦2507年。
人類は混迷の21世紀を脱し、世界は統一された。宇宙に進出、海底にも基地をつくった。
透明のチューブの中を、カプセルの錠剤のような飲み物が猛スピードで行き来し、
六本木ヒルズ並みのビルがバンバン建っている。

もちろん、エコロジーにもじゅうぶん気を遣った都市設計だ。
六本木ヒルズ並みのビルとビルの間には、神宮の森くらい広い森がボンボンとできている。

工場の煙突からは、ミントの香りのする煙が出ている。
この煙は、吸うと健康になる薬が入っている。

会社や学校はすべて、自宅にあるネットからアクセスできるが、それでは人と人とのコミュニケーションがとれないのではないかという配慮から、みんな朝から会社や学校へ行く。

カプセルに入って行くので、満員電車の苦しさもない。
カプセルの中は、20人くらいが入れる広さ。横座りに座れる椅子が並べられていて、ゲームやネットやりほうだい。
一定の間隔で蛇口が壁から出ていて、そこからはオレンジジュースやりんごジュースが出てくる。
ちなみに、これはタダで飲める。

スポーツは、野球とサッカーの人気が高かったので、両者の間をとって「キックベース」が世界的なスポーツとなっている。
日本ではキックベースのセ・リーグとパ・リーグがある。それぞれのチームが優勝して、さらに日本シリーズへの出場チームが決まると、
決勝は相撲で行われる。

相撲は、こうしたかたちで残っているのである。

そんな世界に、マサオは住んでいた。

マサオは中学三年生。
ごく普通の少年だ。
頭の程度も、容姿も十人並みである。

ただ、今ひとつのほほんとしすぎていて、何かに燃えるということがない。
何でもそこそこにはこなすが、それ以上のことはしないのだ。

両親にとっては、育てやすい子供ではあった。
しかし、マサオの実母は、マサオが小さいときに病死してしまった。
父親のマサユキは、ほとんど男手ひとつでマサオを育ててくれた。

そんな父親が、再婚することになった。

父の再婚相手は、女性ながらイタリア料理の店長をやっているという人。
とにかく、未来ではイタリア料理は大人気。
だれもが先を争って「ピザ」とか「パスタ」という文字をタトゥーに入れてしまうほどの人気であった。
再婚相手の女性の名前は、ハナコと言った。

非常にやり手であった。
支店を5つも持っていて、常に忙しそうにどこかに携帯電話をかけている。

逆に、父のマサユキはのんびり屋である。
仕事は、コンブを「ひらひら~っ」と走らせながら歌を歌うという、芸人であった。

ある日、マサユキはハナコの経営するイタリアンレストラン「ザピ」で、余興に出演することになった。

コンブを「ひらひら~っ」とさせながら、「浪花節だよ人生は」を歌うマサユキ。
その癒しの芸に、ハナコは惚れ込んでしまった。

二人は、スーパースペースシャトルで月に新婚旅行に行くことになった。

今では、月は新婚旅行の定番なのだ。

たくさんの人に見送られて、二人はスーパースペースシャトルに乗り込んだ。

しかし、月に行く途中で謎の隕石にぶつかってしまった。
スーパースペースシャトルは、大破。
乗員はすべて、死んでしまった。

マサオは呆然とした。
一人ぼっちになってしまったからだ。

不幸中の幸い、ハナコの遺産は膨大だったから、生活には困らない。
残されたイタリア料理店は、ハナコの右腕だった男・イモゾウが切り盛りしているから心配はいらない。

マサオは、今日も一人、家に引きこもって20世紀の遊びであるジグゾーパズル(しかも絵が何も印刷されていない難易度の高いやつ)を寂しくやっていた。

キンコーン

呼び鈴が鳴った。

「だれだろう……」

マサオが面倒くさそうにドアのところにある覗き穴を覗いてみると、そこには一人の美少女が立っていた。

第2回(後編)につづく


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【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第1回

異次元暦2520年。
ポッピョピョン家とバーバーダム家は、ファミレスのいちばん奥の席を「自分の席」と勝手に決めていた。
ポッピョン家は基本的にニートなので利用するのは昼過ぎに起き出してから夕方まで、
バーバーダム家は銅線ドロボーなので、仕事前の夜7時頃からファミレスを利用していた。

しかし、ある日、祭日だったので偶然かち合ってしまった!

「ローリング シュナイダーッ!!!!!」

ポッピョピョン家の家長であるズンドコ之助のフィニッシュブローが閃光とともに炸裂。

「給食の犬食い!!」

バーバーダム家の家長である小麦粉ババアが呪文を唱えてそれをガード!!

激しい戦いの後、「遠くから赤ちゃんの鳴き声が聞こえる」とだれかが言い出したのでみんな恐くなり、その場は引き分け。

しかし、両家の仲は決定的に悪くなった。

そんな両家には恋する男女がいた。

ポッピョピョン家の跡取り息子、栗太郎。
顔が栗のかたちをしている。首から下は超マッチョ。
栗より焼き芋が好き。

バーバーダム家の箱入り娘、ひょっとこ姫。
プラスチックで出来ているが、鋼鉄風に色が塗ってあり、ウェザリングでちょっと汚しを入れているひょっとこの仮面をかぶっていて生まれてから脱いだことがない。

二人は図書館で知り合った。

CDの貸し出しコーナーで、「ピョメピョメ倶楽部」のアルバムをどっちが先に借りるかで大喧嘩。
しかし、公園で缶コーヒーを飲みながら「ピョメピョメ倶楽部」についての情熱を語り合い、意気投合。

第2回へつづく

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コミックマーケット73

WAIWAIスタジオ
12月31日(月)
東京ビッグサイト
西1ホール や36a

新刊はありません。たぶん。
「ぶっとびマンガ大作戦」の既刊を、ちまちまと売り続けます。400円。

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・「実録2007ワイドショー 10大ニュース」(2008、宙出版)

コンビニ本。マンガ。
宙出版の、芸能ネタ系のマンガには基本的に好感を持っている私ですが、これはちょっと……。急いでつくりすぎたという感じと、テキストによる記事をそのままマンガにしましたというものが多いので今ひとつ、という感じ。

ただし、パリス・ヒルトンやブリトニーのマンガは面白かったです。

それと、羽賀研二の生い立ちから逮捕までがマンガ化されていたが、この「羽賀研二の転落人生」みたいな話、コンビニコミックで私の知るかぎり4、5回マンガ化されている。これだけマンガ化された芸能人は、ここ近年ちょっとないのではないだろうか。

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・「秘密結社のヒミツ2」(2008、宙出版)

コンビニ本。マンガ。
フリーメーソン、法輪功、スカル・アンドボーンズ、人民寺院、オウムなど。

中でもフリー・メーソンネタがひどい。「坂本竜馬メーソン説」がまたマンガ化されていた。ひどいのは「不都合な真実」陰謀説。ゴアがメーソンで、産業停滞のためにウソをバラまいているという話。
「不都合な真実」の真偽に関してはもちろん詳細に検討されねばならないだろうが、これを「陰謀」の一言でかたづけるのは思考停止もはなはだしい。まあ、お話の展開としては「エコも鵜呑みにするな、自分の頭で考えろ」っていうことになってるけど、陰謀論自体が一種の思考停止でしょうが、とつっこみのひとつも入れたくなる。

陰謀本は好きじゃないのでほとんど読まないが(マンガだけ読む)、読むたびにしみじみと思うのは、「自分の不幸を他人のせいにする最も低レベルな形態」が陰謀論だということだ。
こんなことを考えているヒマがあったら、革命のひとつでも起こした方がいいというものだ。

「秘密結社のヒミツ」感想

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・「フリーメイソン暗黒史」(2007、イースト・プレス)

コンビニ本。マンガ。
陰謀系のマンガは総じて面白くないが、これもご他聞に漏れず面白くなかった。

私は他のどんなトンデモ話より陰謀論が嫌い。それは、自分よりも能力のあるものに対するひがみ・やっかみを、「陰謀論」という、多少、ほんの少しではあるが知的な思考によってくつがえそうというさもしい根性が見えるからである。

そんなことをやっているヒマがあったら、宝くじでも買った方がマシである。

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【映画】・「エクスクロス 魔境伝説」

公式ページ

監督:深作健太、脚本:大石哲也

ネットで検索しても出てこないくらいの秘湯に出かけた女子大生・ひより(松下奈緒)、と愛子(鈴木亜美)が、村の儀式の生贄にされそうになって追いかけ回されるというホラーもの。

言い方は悪いが、これは思わぬ拾いもの!! 料金ぶん楽しませてもらった。

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【雑記】・「つんくのギャグセンス」

なるほど、なるほど
確かに、天素のリアルタイムの意味ってのは私にはちょっとわからないかもしれませんね。
つんくにとっての「天素」の意味も、自分にはきちんと理解できてないかもしれませんよ。
その辺のことを書いた本が出たら、私も読んでみたいです。

で、仕切りなおして、天素は関係ないものとして、
「つんくのギャグセンス」ってものを考えてみたいんですよ。

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【ポエム】・「これを読む人をガッカリさせよ」

テーマ:これを読む人をガッカリさせよ

第一部
ウンコ、ウンコ~!!
(まず下ネタ)

牛乳にケーキを入れたら、コーヒーになる!!
(ウソの情報)

週末、少年になる。
なんとかかんとか、プライスレス
(鼻持ちならないスノッブ)

ウンコ、ウンコ~!!
(また下ネタ)

「ライオンの赤ちゃんは、抱けません」
(わざわざ来たのに、がっかり)

「ぼひゃー、ぶひょあー」
(飽きたので、もう擬音)

ケツ毛バーガー
(いきなり、旬でもなんでもなく、かつ品の無い話題)

たのきん、全力投球!!
(飽きたので、意味のない単語)

第二部
今、女子高生に大人気!!

上海ガニ!!

女子高生が万引きして、
コンビニの前ですすってます!
上海ガニを!!

そして未来……

ブーツを脱いで朝食を
ブーツを脱いで十六トン

プールの端でチュートリピャン

ピャンピューピョンでピョンピャンピー

パンピョンポーで ポンピョンパー

パンポンピンポン ポンペンピンパン

はいおしまい

第三部
この緑の地球……
この地球を、
ぜったい土星人にはわたさんっ!!

「土星人対策委員会」

天下り御用達の団体。
「いまだに人類を土星人から守っている」ということが実績とされ、
年間100人近い役人が天下りしてくる。

従業員は二名。

ネコのニャン
犬のこたろう


そして……。

「つめきりのジョー」

つっめきり!
つっめきり!
つっめきり!
つっめきり!

わー

ひゃー

ごわー

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【萌え談義?その4】・「あまりにも狭くとらえられすぎている危険性」

人と話をしていると、「萌え」概念を賛成派も反対派も、狭くとらえすぎていることを自分は危険視している。
でもそういう人はあまりいませんな。

何度も書いているけど(ブログって同じことを何度も書かないとすぐ忘れられちゃうから)、
「萌え」ってオタク第一世代とそれ以降の世代を、それ以降の世代が自分たちを独自のものとして浮かび上がらせるために積極的に使った言葉、という印象がある。
もちろん、第一世代でも「萌え」って使う人はいるのだが、その辺は曖昧になっているようだ。

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【雑記】反省

ここ2、3日、何となく書き込みがギスギスしておりました。

反省します。

まあ、私もいろいろありまして……。

察してくださいよッ!!

いろいろっていうか、具体的に書くと身体がボロボロでして……。微妙に。

あと、
「ビスケット」と「クッキー」を間違えただけで、社長に怒られる。
フリーマーケットで、クーピーペンシルを1本だけ買う。
サスペンダーに、手の甲の肉をはさむ。
ジョッキでメープルシロップを飲みほす。
四十過ぎて山奥に「ひみつきち」をつくる。
「もぐもぐごっくんた」という商品名を却下される。
「そういえば最近、ブルーデーって言わないな」とつぶやいたらセクハラ訴訟。
立ち食いそばがうまい、まずいなどの会話でしか盛り上がれない。
昔のアニメの話ばかりする。
蝶ネクタイを行商。
「この漬物石は、我が家のアイドルです。」
「ユリイカ」がずらりと並んだ友人の本棚。
なぜかそろいのTシャツではなく、ワッペンをつくる。
「セクシーアクションありますか?」という問い合わせの電話が別々に1日三件も。
「はじめの一歩」が中途半端にそろった喫茶店。
地球のマントル対流を表現するCG。
ドリンクバーで、けつまずく。
「だれか来た?」と思ったら空耳。
遠くで若者の騒ぐ声。
自動販売機が撤去された後の、くぼみ。
旅館に入って、テーブルにおいてあった饅頭を食べたら夕食食べられない。
ラーメンのスープをぜんぶ飲む、飲まないでケンカ。
サラリーマン川柳を、ひたすらほめまくるというバイト。
他人の彼女と適当な会話をつなぐ数分間。
居酒屋に来るなりメシを食いだすやつ。
「今、雨降ってる?」と聞かれ、考え込む間の沈黙。
イヤイヤ行く動物園で、臭さばかりが気になる。
パソコンマニアの人の、すごくきっちりしたパソコン梱包。
フランスパンrをかじったら、歯が折れた。
映画館の中が、異様にキャラメルのにおい。
子供の工作に豆電球を仕込まなければいけないので、憂鬱。
途中で読むのをやめた、翻訳もののポルノ小説。
「給食当番」という名前の、おどけたバンド。
一人ごとに返事して、キレられる。
ミッキーマウスの、裏声。

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私的映画オールタイムベストテン

男の魂に火をつけろ!というブログで募集しているので選んでみた。

私は以前、あるブログで募集した「年間ベストテン」に嬉々として投稿したら、「あ、うーん、えっ? ああ、そういうのもアリだよね」みたいな書かれ方をしてモニターの前でブチ切れ、あやうく無差別に代官山あたりを砲撃しようと思ったがすんでのところで思いとどまった。

リンク先なら、趣向が近いと思われるので、そういうことはないと思う。

(以下、順不同)
1.デスレース2000(米、1975年)
2.丑三つの村(日本、1983年)
3.ファイトクラブ(米、2000年)
4.0課の女 赤い手錠(日本、1974年)
5.温泉みみず芸者(日本、1971年)
6.太陽を盗んだ男(日本、1979年)
7.俺たちに明日はない(米、1967年)
8.ブリスター!(日本、2000年)
9.危いことなら銭になる(日本、1962年)
10.戦国魔神ゴーショーグン 時の異邦人(日本、1985年)

自分は映画には「復讐」しか、ほとんどもとめていない。スカッとする復讐(陰惨すぎる、観客に「こんなこと、してはいけないんだなあ」と思わせるような、文芸的な復讐はダメ)が描かれていない映画はそれだけでマイナス200億点!!
それとは別系統で「スタイリッシュな犯罪もの」も好きだけど、そんなに知らないので1つだけ入れた(「危いことなら銭になる」)。

以下は簡単な私による解説。復讐に興味の無い者、アンノン族的感性の持ち主、自分だけ安全圏にいて核問題や死刑廃止問題などについて語るのが好きな人は、見ないでいいです。

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【雑記】・「史上最大の愚問・紅白歌合戦は是か非か」

今日の昼間、床屋に行ったらテレビで確か小倉なんとか氏が「紅白歌合戦は日本の文化か?」というテーマでいろいろやっていた。

これが、おそろしくクダラナイ内容だったので死にそうになった。

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【雑記】・「この間のアメトーーク」

ひさしぶりにテレビのことを書こう。
この間のアメトーークが「つんくファミリー」というテーマで、つんくと昔から仲のいい芸人たちがつくとともに出ていた。

まあナンシー関的な厳しい目線で見れば、正直、現在のつんくのバラエティ露出は非常に微妙な部分がある。
「大プロデューサー」として扱うべきなのか、「おもしろいおっさん」として扱うべきなのかが常に微妙なラインにある。
これは年齢も関係しているだろう。つんくが現在、50過ぎていて、もっともっと「おっさん的」であるなら「いじる」こともできるのだが、現役で歌手をやっていて、しかもたとえば小室哲哉などと違って「話せる、聞けばいろいろと答えてくれそうなプロデューサー」というイメージがあるから、これはかえって立ち位置がむずかしいと言える。

それにしても、つんくの芸人好き、芸人と仲がいいというのは私にとっても一時期謎であった。
ずいぶん前にアンバランス(今回、最大級に無名だった漫才コンビ。出ていたのはそのうちの一人。「ごきげんよう」のまえせつをずっとやっているという)の番組があったときに、花束を持ってゲスト出演していたのを覚えている。

単なるパフォーマンスかと思っていたら、本当にアンバランスと仲がいいとは知らなかった。

そして「天素に入りたかった」という感想が本音であり、とどめなのだろう。
で、私、好きな人には悪いけど「天素」ってぜんっぜん面白いと思っていなかったというのもあるが、若手だったからなじみやすいというのがあったにせよ、もしかしてつんくの笑いのセンスって「天素かよ!?」と思ってしまったことも事実である。

つまり、「笑い」に敏感だったほぼ同世代のミュージシャンとしては、やはり電気グルーヴの永遠のライバルがシャ乱Q、およびつんくなのだなと思った。

補足的なエントリ

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【雑記】・2ちゃん用語~時代はもう戻らない~

ブログとかで、2ちゃん用語がちょっとでも使われているだけで萎える。読む気なくす。
しかし、ずっとそういうことは書かないで来た。
だって、知り合いでいっぱい、使っている人いるもん。

んだから「使うな」って意味じゃないんですよね。

わかりますか、このニュアンスが。

ただ私が嫌いってだけで。

たとえば、私が小島よしおをすっごい嫌いだとしても、
小島よしおの存在は許しているし、
誘われれば一緒にご飯くらい食べてもいいというような。

そういう感覚です。
本当は小島よしおの芸風、大好きだけど。

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・「マカロニほうれん荘」全9巻 鴨川つばめ(1977~1980、秋田書店)

Makaroni
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週刊少年チャンピオン連載。
アパートで一人暮らしをすることになった高校生・沖田そうじには、強烈な個性を持つ先住者・トシちゃん25歳ときんどーさん40歳がいた!! 時代にザックリ爪あとを残した歴史的ギャグマンガ。

「今、マカロニほうれん荘についてまともなことが書けないと、オマエに先は無い」と、暗黒ビリジアン星人に言われたので、書きます。
このテキストが、2007年から70年代のギャグマンガを観た壮大な後だしジャンケンにすぎないとしても。

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【雑記】・「昨今のルール問題」

韓国が先発メンバー変更 紳士協定を無視 野球アジア予選
この件、実際にそういうことをやった韓国より、「ルールの範囲内だから当然」とか言っているやつの方がむかつくわ。
いや、「むかつく」っていうよりは、若い人の多くはそういう考え方になってんのかね、って思う。

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・「地上最強の男 平松伸二短編集1970-2000」(2002、ソフトマジック)

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平松伸二の短編集。どれも面白いが、最後に載っている単行本未収録の「マーダーライセンス牙」がとくに面白い。

「死刑制度の是非」を題材としたためにどここからクレームが付いてしまったというが、物語に安易におとしどころがつけられないとわかった場合、いったいどういう回答が存在するのか? という好例になっている。

簡単には答えが出ない社会問題や、解決するには壁が高すぎる問題にブチ当たったとき、「ゴーマニズム宣言」的アプローチとも、あるいはそこから極端に振り子が揺れた状態にある、オトコの腐ったような内省独白イジイジ系ラノベとも違ったものが、そこにある。

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・「武闘マン餓王」 全1巻 平松伸二(1996、集英社)

こっちに書いたった。

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・「スピリチュアルぱらだいす」(1) 小野寺浩二(2007、小学館)

Spritualp
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月刊サンデーGX連載。
美少女・美月ルナは、とにかく霊が見たくて見たくてしかたがないが今まで一度も見たことがないスピリチュアル研究部部長。そんな彼女を好きになってしまった霊感体質を持つ少年・玉置忍は、あちこちの霊の出そうな場所に引っ張りまわされるが……という話。

「UFOおねぇさん」(→感想)ではUFOを扱ってたが、今度は心霊。小野寺浩二のオカルトに対するバランス感覚は実にすばらしい。そうなんだよね、信じてないけど好きなんだよね。けっこう本も読んでるみたいである。

ラブコメというか萌えマンガとしても面白い。1巻の終わりのほうでは、ルナがなぜそんなに霊を見たがるのかの理由が明らかになる。どうやら急展開があるようで、次の巻が楽しみだ。

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・「不倫に溺れた芸能人」(2007、宙出版)

コンビニコミック。
阿蘭澄史。
コレはシリーズ中でも、個人的にはあんまり面白くなかった。

主に芸能人の不倫・離婚問題を扱っているんだが、今や一般人も芸能人を糾弾できるほど清い交際をしているわけでもないんだろうし。
一般人の熟年離婚なんかも、芸能人ほど過激ではないものの超・穏当な過去の夫婦関係の瓦解、と言えるんだろうし、どうもおとしどころがハッキリしない。

ただ「だ■たひかるは私生活ではS」っていうのだけ面白かった。彼女が女王様スタイルで夫をいじめている描写が出てくるが、果たしてだ■たひかるを女王様にしたいマゾというのは存在するのだろうか……?

……存在するんだろうね。

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・「喰いしん坊!」(16) 土山しげる(2007、日本文芸社)

Kuisinbo16
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漫画ゴラク連載の大食いマンガ。
ついに4強が対決するクライマックス。いやがおうでも盛り上がる。もうちょっと西山(西川きよし似)の敗北の要因が決定的な方が良かった気はするが、ともかく面白い。

15巻の感想

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・「日常」(二) あらゐけいいち(2007、角川書店)

Nitizyo02
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たぶん少年エース連載。
学園のゆかいな仲間たちのおもしろ行動が、楽しく描写されるシュール系ギャグマンガ。
……などと説明しちゃっていいのだろうか。
いずれにしろ、「あずまんが大王」以降のキャラクター配置や展開の仕方をシュールギャグに援用したということは言えると思う。

以前は、ギャグマンガといえば突出した「異常天才」(呉智英のつくった言葉)が騒動を巻き起こす、といったたぐいの話が多いが、本作ではそういう役割になりそうなキャラクターも、単にダジャレ好きの女の子などと同等に、並列に描かれている。

自分がSFに対して半可通なのを承知で書けば、これはどっかに載っていた「サイバーパンク終結宣言」かなんかの説明と同じく、
たとえば「異形であるフランケンシュタインが事件を起こす」物語から、「フランケンシュタインを思わせる合成人間」が合法化し日常化し(「日常」でつながった!)清掃作業員なんかを普通にやっている世界への変化に近いキャラクター設定と言えよう。
(たぶんこういうポストモダンがどーたらこーたら言う物言いは、職業的レビュアーがさんざん書いていると推察するが。)

もっとも、「あずまんが大王パターン」にしなくてもじゅうぶん面白いマンガが描ける作者だとは思いますけどね。

1巻の感想

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