« 【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第4回 | トップページ | 【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第6回 »

【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第5回

第1回から読む

第4回

今日もファミレスの奥の席を占拠しては、ドリンクバーだけ頼んでずっと携帯ゲームをやっている小麦粉ババアの孫、小麦粉太郎。

不自然なくらいに広げた足が、いかにも「陣取っている」という雰囲気を漂わせている。

そこにやってきたのが、ポッピョピョン家のズンドコ之助の息子、桃次郎であった。
大きめのめがねに、「ポッピョピョン家」の「ポ」と書かれたキャップをかぶっている。
ストーンウォッシュのジーンズに、上はそこらへんで買ったスタジャンであった。

年齢は、桃次郎の方が小麦粉太郎よりわずかに上だろう。

「キミさあ、これ見たことある?」

桃次郎は、一枚の紙きれを小麦粉太郎に渡した。

ゲームを邪魔された小麦粉太郎は、一瞬けげんそうな顔をしたが、渡された紙きれを見たとたん、興奮して立ち上がった。

「こりゃあ、アイブ裂きのヘアヌード写真じゃねえか!!」

アイブ裂きというのは、異次元界のトップアイドルである。

「なんでおまえがこんなもの、持ってるんだよ!!」

立ち上がった小麦粉太郎は、桃次郎に詰め寄った。

「裏山に、たくさん落ちてたよ」

桃次郎がそう言うと、小麦粉太郎は携帯ゲームを放り出して走り去っていってしまった。

「でかしたぞ、桃次郎! おまえはわが一族いちばんの切れ者じゃ!!」

ズンドコ之助は、小麦粉次郎が占領していたファミレスの席に座ってビールを飲んでいた。
つまみはポテトフライのみで、もう3時間もねばっている。

「して、どうやってやつを外に出させたんだ?」

ズンドコ之助が聞くと、桃次郎は説明をした。

桃次郎は、パソコンの写真修正ソフトを使って、アイブ裂きの顔と、他の女優のヌードの身体とをくっつけて加工したのである。

我々の世界で言うところの、アイコラである。

しかし、小麦粉太郎はパソコンはおろか、写真をそこまで加工できるということも知らない。
だから、「本当にアイブ裂きが脱いだ!!」と思い込み、興奮してしまったというわけだ。

「だけど、彼は幸せですよ。ぼくがつくったアイブ裂きのヌードを裏山で大量に見つけて、喜んでいるに違いありません」

桃次郎は得意げであった。

その後、ズンドコ之助はふたたびファミレスの席がバーバーダム家によって乗っ取られないように、一族の者を交代でファミレスに送り込むことにした。

暇人なら、ポッピョピョン家の方がバーバーダム家よりもずっと多い。

こうしてバーバーダム家は、ファミレスからしめ出されることになってしまった。

これが「第一次ファミレス戦争」の幕切れであった。
しかし、バーバーダム家も恐ろしい作戦を立てていたのであった。

第6回につづく

|

« 【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第4回 | トップページ | 【感動自作小説】・「栗太郎とひょっとこ姫」第6回 »

創作」カテゴリの記事