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【感動近未来小説】・「ズンボボズボボボ伝説」第2回(感動の最終回)

第1回

マサオが覗き穴から覗くと、そこには美少女が立っていた。

長い髪は美しい紫色、瞳の色も紫色に合わせている。きっと未来カラーコンタクトレンズを付けているのだ。
大きな赤い矢印が下に向かってついている、テカテカしたミニのワンピースを着ている。
手にもった小さなバッグは明るいオレンジ色で、用途不明のダイヤルが二個、付いていた。
足には膝丈の白いブーツ。白に、図案化されたオレンジ色のイナズマが走っていた。

「ど……どちらさんで?」
マサオがおそるおそるたずねると、

「私のこと、ママから聞いてなかった? 私、ルハミ」

ルハミ……ルハミ……。

マサオはその名前を頭の中で反芻して、思い出した。

死んだ義母・ハナコには、とうの昔に家を出て行ってしまった娘がいると言っていた。
その子の名前が、確かルハミだった。

「ああ、もしかして……」

写真も見せてもらったことがあるが、そのときには瞳の色も髪の色も黒かったし、とっさにはわからなかったのだ。

「わかった? わかったなら入れて」

ルハミがせかしたので、マサオは家に入れた。

「ズンボボズボボボ伝説って知ってる?」

部屋に入るなり、ルハミが聞いてきた。

説明しよう。ズンボボズボボボ伝説とは。
「ズンボボズボボボの木」の下で告白すると、恋がかなうという伝説である。

しかし、そのためには「ズンボボズボボボの歌」を歌わなければならない。

「こんな歌よ」
ルハミは歌いだした。

ズンボボズボボボ ズンボッボ
ズンボボズボボボ ズンボッボ

ズボンを履いたら 尻に穴
靴を履いたら 底に穴

お出かけしたら 雨降りで
道を歩けば いきどまり

それ!
ズンボボズボボ
ズンボボズボボ

嗚呼 青春の1ページがあるのなら
52歳は 青春の100ページ

マサオは黙ってその歌を聴いていたが、しばらくしたら地鳴りのような音が聞こえてきた。

「何!? どうしたの!?」
「歌だ! あんたの歌で、このボロアパートが崩れようとしている!!」

「キャー、助けてー」
「うわー」

……100年後。

科学が発達しすぎて、人類は滅んだ。

焼け野原を、猿のような生物がトボトボと歩いている。
猿は歌いだした。

ズンボボズボボ
ズンボボズボボ

一匹の猿が歌いだすと、姿は見えないが、あちこちから同じ歌を歌う声が聞こえてくる。

酸性雨が降ってきた。

冬が始まろうとしていた。
(完)

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