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【映画】・「俺の血は他人の血」

公開:1974年、松竹

監督:舛田利雄

主演:火野正平、奈美悦子、フランキー堺

ヤクザが激しい抗争を繰り広げる街にやってきた青年・絹川良介。彼は怒りが頂点に達すると「エスクレメントオ!」の叫び声とともに超人的な力を発揮するのであった。飄々とした恐喝屋・六さんにその力を見込まれて、良介は抗争に巻き込まれてゆく。

「筒井康隆作品の映像化第1作」などの記録的、資料的な意味をのぞけばとりたてて観る必要もない、なんてことなさも極致の映画なのだが、検索したらものすっごいけなしているブログがあったので対抗してほめてみようと思う。

……まあ、原作は読んでないんだけどたぶん原作の周到さ、ということに尽きるね、この映画は。「時をかける少女」、「文学賞殺人事件」、「パプリカ」くらいしか観たことないんだけどいずれも「ああ、たぶん原作がよくできているんだろうなあ」と想像させる。
たとえば本作は血液を輸血されたことが主人公のパワーの源になっているんだが、「血液なんて時間が経てば新陳代謝ですべて入れ替わってしまうはずなのに……」なんてわざわざ登場人物に言わせてる。
繰り返すが原作読んでないけど、これって原作にあったセリフじゃないかなあ? つまり、筒井康隆が原作執筆時に、荒唐無稽な設定であってもいちおうSF的解釈を入れようとした努力の結果のように思えるのだ。

もうひとつ思ったのは、本作が最近ではあまり見ない「一人の超人的な男によってすべてがいい方向にむちゃくちゃになる話」だといういこと。それだけでも観る価値があると思った。
そういうジャンルが、実はヒソカにあるのだ。「ウルフガイ」だって「座頭市」だって、そういう話なのだ。
そういう話がまったくない社会というのは滅びるのだ。だから、その一点だけでもこの映画は正しい。

あと奈美悦子の正統派的美人ぶりにも驚いた。それが(現在のように)あんなんなってしまうとは……。

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