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【書籍】・「トンデモ本の世界V」 (2007、楽工社)

Tondemov
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「著者と違った意図で本を楽しむ」シリーズの1冊。「U」と同時刊行された。
本作では、「トンデモ本大賞」受賞作品「「ガチンコ心霊交遊録」、「人類の黙示録」などが面白かった。他もぜんぶ面白いですけど。

山本会長の「あとがき」は、「セカイ系」という言葉は一行も出てこないけどものすんごくまっとうな「セカイ系批判」になっております。正統的なSF的思考をする人が、正統的にセカイ系を批判すると確かにそうなりますわな。
(あ、「セカイ系」って言葉が今でも有効かどうかは私は知りませんが、主人公の「日常」と、彼を取り巻く大きな世界が断絶している物語のこととして、私はこの言葉を使っています。)

以下は余談。

まあ感想は人それぞれで、いちいち文句を言っても仕方がないが、ネットで見ちゃうとなんか言いたくなるんだよね。
まず「ここ数年の『トンデモ本の世界』は、批判が主眼となっていて殺伐としていた」という意見。
これは、と学会が他のサブカル的ツッコミ本とは違い、「オカルト、疑似科学」を題材にしてきた以上起こりうる誤解なのかな、と。
たとえば音楽でもマンガでもプロレスでも、何でもいいけれども狭義のサブカルチャーを扱う場合にはすべて「愛あるツッコミ」で済むんですよ。
思想的にひどいのがあったら除外すればいいだけだし。穏当な本をつくることはできると思う。

でも、「トンデモ本」の世界というのはもっと魑魅魍魎がうごめく世界で、詐欺、差別、常識に対する悪い意味での混乱を持ち込むこと、テロなどと背中合わせなわけですよ。
だから、当然いつもニコニコというわけにはいかない。
どこかで、厳しく線引きをしなければならない。

だから「殺伐としてる」って印象を受けるんだろうけど、それは「トンデモ本の世界」が「変わった」のではなく、昔からそうでしたよ。

時代の変化に合わせて、執筆のトーンで変わってきたところもあると思いますが、それはまた別の話。

もうひとつは「と学会年鑑」の方がつまらない、ってたまに引き合いに出されるんですよね(苦笑)。

「と学会年鑑」は、どっちかというとみんなが普通に想像する「サブカル」の世界に近い気はする。街のヘンなものを記録しようという「VOW」に近いところもあるし。
「トンデモ本の世界シリーズ」に比べると雑多な印象を受ける人もいるかもしれないけど、「と学会年鑑」的な雑多さの中から、いくつかものすごくおもしろいことどもが探し出されてきているということを、覚えていてほしいなあ、と思ったりします。

10年前に「発情期ブルマ検査」がトンデモ本大賞を受賞したことの意味の大きさを……。まあ、わかんない人が多いんだろうな、私もがんばらねば、と思うだけですね。

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