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・「UFOおねぇさん」 小野寺浩二(2007、少年画報社)

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中一の少年・山吹陸は、隣に引っ越してきた高二のおねぇさん・春奏そらに振り回されっぱなし。何しろ、そらはUFOと宇宙人が大好きで、本気で信じているのだ。
そんなそらにいらだちを感じてしまう陸。そらが「自分はスペースパトロールだ」と言い出すに至っては、怒りをあらわにしてしまう。しかし、彼女の言うことは本当だった。
彼女は「グレイ」型のバトルスーツを身にまとい、犯罪宇宙人と戦うソラ・ヴァルガナックだったのだ!!

萌え系・せつない系のギャルゲー・エロゲー・ラノベ文脈に、戦後60年のUFO・宇宙人観をミックスした怪作。

タコ型火星人、アダムスキーの出会った金星人オーソン、数多のヘンな宇宙人たち、そしてグレイ。それらがさまざまな切り口によって料理され、陸とそらのせつない関係にからまって得も言われぬラブコメギャグマンガになっている。
多少なりとも実在するとされるUFO/宇宙人に興味を抱いたことがある人なら、その博覧会的様相に驚くだろう。

それぞれの時代にそれぞれの「神話」として語られ、また忘れ去られていったUFO/宇宙人たちをすべてひとつの世界観にブチ込んでしまう強引な手際はマンガならではのもの。たとえばフラットウッズモンスター(いわゆる「3メートルの宇宙人」)や妖精型宇宙人、モスマンなどはすべてヒューマノイドタイプの宇宙人たちが装着するバトルスーツとして描かれている!

あるいは「宇宙考古学」によって宇宙飛行士説もあった「土偶」が萌え美少女ロボットとなり、マヤの遺跡から発掘された、「宇宙船にしか見えない」石棺の蓋のレリーフはそのまま宇宙船となる!
あきらかにここには、70年代のオカルト・超常現象ブームにも、90年代半ば以降、「トンデモ本」という言葉が定着しオウム事件があって以降にも無かった感覚がある。

何というか、90年代初頭に「と学会」によって一周したUFO/宇宙人観が、本作ではもう一周してしまっているのだ(ちなみに、本作に最も大きな影響を与えているのは参考文献にもあげられている、中村省三の「宇宙人大図鑑」であると思われる)。
作者の趣味もあるのだろうが、着実に時代の変化を感じるのである。
ここへ来て、UFO神話は劇的に動いているのだ。大半の人にはどうでもいいことだろうけれど……。

ストーリーは全体的にやや駆け足の印象はあるが、とにかくこれだけ面白く料理してもらえれば満足である。

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