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【雑誌】・「パチスロ7 Jr.」 8月号(2007、蒼竜社)

Pachisro7

鶴岡法斎、宮塚タケシ「ヤマアラシ 〜CROSS OVER〜」が今月で最終回。
いやー、こういうふうに終わるのかー、と感慨にふけってしまった。
最近、スロットのマンガを細かく読んでいるわけではないけど、本作の主人公・トシユキのように、「スロプロになりたいけどなれない」といった半端な若者を、ギャグでもコメディでもなく、スロットの雑誌に描くというのは他にあまり例がないのではないかと思う。
でも、決してダークになりきらず、変な楽観主義も入れず、義理人情なども描き、それでいて最後まで安易なお約束には落ち着かず……という読んでいてとても面白い作品でした。

なんとなく70年代っぽいけど、そこには確実に「現在」があった。登場人物はきっちり、2007年を生きる人たち。
いかにもイマドキ風に人生を絶望していたりとか、達観していたりとか、そういうのいっさいナシで、でも今、現在の人間を描いてたと思います。

何というか、たとえばスロプロって着地点が無い職業だと思うんですよ。変なたとえだけど「ディオラマ大作戦」とう私の大好きなマンガがあって、「ジオラマづくりの好きな少年」の話なんだけど、最後は「アメリカの工房でSFXの手伝いをしないか」って言われてアメリカへ行く。
「ジオラマづくり」でも「SFX」っていう着地点が(まあかなり荒唐無稽とはいえ)存在するんですが、
スロプロにはそれがない。まあややリアルな話なら、「真剣にスロライターを目指す」とかそういうのもあるんだろうけど……。
で、前作「ヤマアラシ」では、「スロットを求道的にやっている人間の着地点」っていうのを、わりとだれもが納得するかたちで描いていたと感じるんですよ。
それが、続編「ヤマアラシ 〜CROSS OVER〜」では、主人公はスロプロにすらなれない半端者、という設定だったからいったいこれはどうするのかと思っていたんですね。

「きっぱりやめて就職」っていうのもアリはアリだけど、どこか安易な気もするし……。
と思っていたので、なんか感心しました。

それと、最後まで読んであらためて思ったのは一種の群像劇なのだなと。
だから主人公の生き方だけで完結するわけじゃないんですね。物語に参加している人たちがいて、成立しているって感じで。
そんなことを思いましたよ。

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