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【アニメ映画】・「鉄人28号 白昼の残月」

公式ページ
監督・脚本:今川泰宏
不発弾を奪おうとする三体の巨大ロボットに苦戦する鉄人。そこに現れたのは、正太郎の操縦機を使って正太郎以上の力を発揮し、ロボットを退けた青年だった。
彼は金田博士が本来の「鉄人」の操縦者として育てたもう一人の「正太郎」だった。
一方、不発弾はただの不発弾ではなく、金田博士が発明した、生物以外のものを破壊し一帯を廃墟にしてしまうという「廃墟弾」であることが判明。鉄人は廃墟弾撤去にとりかかる。
さらに復員兵の姿をした暗殺者「残月」が、正太郎少年の命を狙う。

何年か前にやってた今川監督のテレビシリーズの続編になるのかな? 戦後間もない日本のディティール描写、「廃墟弾」や「残月」をめぐる謎の引っ張り方など非常にまとまっていると言える。見て損はないことは断言できる。

しかし、私がテレビシリーズを観るのを途中でやめてしまったことと関係してくるのだが、「鉄人」という存在を「人間が兵器としてつくった」と規定し、「戦後の世界にはそぐわない存在」として描き続ける監督の意図が、どうも最後まで飲み込めない。
もちろん、「価値観の変わってしまった戦後、戦前の考えをもったままの人物が行動する」、「戦中から戦後への価値観の変化を何の抵抗もなく受け止めた人々に、過去の怨念を抱いた人物が復讐する」という物語は珍しくはないが、それは昭和30年代から40年代、実際にリアルタイムでそういう経験をした人の作品が多かった。

今川監督はまだ50歳にはなっていないだろう。それがなぜこういう話を書くのか? というのが、よくわからないのであった(不可解、ということもあるが私の知識不足で本当によくわからない)。

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コメント

 こんにちは。
 自分も見ましたー、鉄人。

 で、劇場版はTV版とは若干設定が異なる、パラレルワールドですね。
 このあたり、解説本に詳しいんですが、キャラやメカの設定が、TV版と異なっています。村雨一家のメンバーも死んでませんし、クロロホルムがベラネード財団の人間になってますし、バッカスやギルバートなどもベラネード財団のロボになってます(TV版では、バッカスはアメリカ軍のロボ、ギルバートは宇宙開発用ロボ)。

 なので、TV版とは別物として見た方が良いかと思います。

>「鉄人」という存在を「人間が兵器としてつくった」と規定し、「戦後の世界にはそぐわない存在」として描き続ける監督の意図


 ま、思想的なとこは良くわからんですけど、今まで「鉄人を戦争の道具」という側面から強調した作品はあるようでなかったですから、そのあたりが原因かもしれませんね。
 実際、最初の白黒版はアニメ自体が黎明期ゆえにそこまで十分描けなかったでしょうし、太陽の使者は80年代のスーパーロボットとして設定自体リセット。
 FXにいたっては「原作の続編」という設定なのに、根本的にどこか間違った方向にばかり力を入れた、勘違いな作品に。

 ゴジラなどと同じく、鉄人も「戦争によって生まれ、戦後日本の象徴的存在に」なったキャラなわけですし、鉄人というキャラクターや作品世界を突き詰めた結果、このような作風になったとは考えられないでしょうか?
 まー、これもまた自分の推測ではありますが。

 ただ、スカっとする冒険活劇とは異なる作風ではありますけどね。そこが自分にとって、この作品の唯一の欠点です。

投稿: 塩田多弾砲 | 2007年5月12日 (土) 09時39分

どうもです。
パラレルワールドなんですね。
「ビッグファイアが収監されてる」というくだりがあり、テレビシリーズで何かあったのかと思ったんですがあの辺、わかりにくかったです。

>>今まで「鉄人を戦争の道具」という側面から強調した作品はあるようでなかったですから、そのあたりが原因かもしれませんね。

で、私、実は「ジャイアントロボ」を最後まで観てないんですよ。
それで途中まで観て言うのもなんですけど、「ジャイアントロボ」も「原子力」っていう一種タブーのエネルギーで動いてましたよね。

だから、今川監督って巨大ロボを「タブー視される兵器」として描きたいのかなあ、と思いまして(あ、「ジャイアントロボ」は最後まで見ますので、最後はバラさないでください(^^;)。お願いします)。

>>ただ、スカっとする冒険活劇とは異なる作風ではありますけどね。

テレビの方もそうでしたよね? だから観るのをやめちゃったんですが。


投稿: 新田五郎 | 2007年5月13日 (日) 20時59分

 レスありがとうございましたー。
 今川版Gロボは、自分も途中までしか見てないので、オチは知らないッス(汗)。

 ただ、「ジャイアントロボ」という作品自体、ポスト鉄人と言える作品(と思う)ですので、OVA化にあたってはそのあたりを鑑みて、あえてタブー視される兵器という設定にしたのかもですね。

 鉄人もGロボも、最初から「破壊と悲劇をもたらす兵器」として製造された存在。
 故に、それが在り続ける、そして操るには、多大なる責任と問題が発生し、それを踏まえて運用するなり破棄するなりしなければならない…みたいなとこがあるんじゃないかと。

>>>ただ、スカっとする冒険活劇とは異なる作風ではありますけどね。

>テレビの方もそうでしたよね? だから観るのをやめちゃったんですが

 もとより、今川版は「当時鉄人を楽しんでいた世代」向けに作ってた…とこが感じられます。陳腐な言い方をすれば、「大人向け」といったような。
 ただ、この爽快感の無さが、どこか奇妙な魅力を感じさせたのも事実ではあるんですよね。

 いや、自分は「優れた技量持つ子供が大人を翻弄する」みたいな設定や作風が大嫌いでして。鉄人FXがまさにそれだったので、辟易してたのも手伝ったのかもしれんですが。
 食い物に例えると、自分にとって今川鉄人は「美味くはなく、むしろ固く苦味がある。が、その固さと苦味がどこかクセになり、食って腹にたまるのが心地よいようなステーキ」ってのを連想させるのですね。
 
 見る人間は選ぶ作風ではあるでしょうが、自分としてはこれがまたちょっと気に入っていたり。
 
 ただ、昭和史とか昭和の事件などとリンクしてたりするとこがありますので、そういう側面から見直したら、また新たな発見があるかとも思われます。決して成功してる…とは言い切れないけど。

 パラレルワールドでちょっと思い出しましたが。
 鉄人の原作も、連載とカッパ・コミクス版とではかなりの差異があるんですよね。ひょっとしたら、それを踏まえてあえて劇場版は、TV版とのパラレルにしたのか…と穿ってみたり。

投稿: 塩田多弾砲 | 2007年5月13日 (日) 21時34分

今川監督が鉄人をやる、サブタイトルが白昼の残月と聞いたときはOVA版のGロボの世界観でやると思いましたが、どうやら違ったようですね。
私はアニメとか観ないたちなんですが、Gロボだけは横山オールスターと聞いて観た口なんです。
期待していたモノとは違いましたが、鉄人はそこそこ面白かったです。

投稿: アントン | 2007年8月 1日 (水) 01時05分

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