【アニメ映画】・「プロジェクトA子」

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1986年
原作:西島克彦、白坂一美
脚本:森山ゆうじ、西島克彦、川崎知子
監督:西島克彦
キャラクターデザイン・作画監督:森山ゆうじ
16年前に隕石かなんかが落ち、壊滅状態から復興して繁栄を誇っている未来都市。
その中にあるグラビトン学園に、A子と彼女の親友・C子が転校してきた。お嬢様的なB子はC子をわがものにしようと、A子に何かと攻撃を仕掛けるが、超人的パワーの持ち主のA子にはまったく通用しない……というお話。
ウィキペディアによると、併映は「旅立ち 亜美・終章」だそうである。
宮崎御大の「セーラー服が機関銃撃って走り回っているようなアニメを作っているようではダメ」という発言、それには本作が脳裏にあったらしい。
高千穂遙の「ガンダムSFじゃない発言」もそうだが、この「セーラー服が機関銃撃って走り回っているようなアニメ」という発言も、80年代オタク史としてははずせないもののように思う。
……というのは、本作は実際、本当にそのようなアニメだったからである(正確には機関銃は撃ってないけど、それはまあサマツな話)。
ずーっと前に一度観てぜんぜんピンと来ず、今回レンタルで借りて再見したがやはりピンと来なかった。
まあ個人的理由によるのだが、「16年前に隕石かなんかによって都市が壊滅していた」というのが、A子のスーパーパワーと何か関係があると私は思い込んでいて、最後まで観たけどけっきょく何の関係もなかったのでガッカリしたのだった。
今回観てもA子のスーパーパワーの源はさっぱりわからない。「うる星やつら」のしのぶがなぜか怪力だとか、後は海外のアニメでものすごい高いところまで飛び上がったりという誇張表現の範疇だと解釈するしかない(続編で理由が示されるのかもしれないが、まだ観てない)。
しかし、観てもらうとわかるがA子のパワーの表現は「拳銃を乱射されてもなぜか主人公だけ当たらない」といったいかにもマンガ・アニメ的な表現とはちょっと違うように思うのである。そのモヤモヤがあって、最後まで素直に観れないのだ。
まあそんなことは個人的事情にしても、本作の筋のなさ、(いい意味でも悪い意味でも)内容のなさにはちょっと驚かされるところがある。
本作はアクションシーンだとかメカの変形だとかパンチラだとかをただ見せるだけのアニメであり、5分、10分の自主制作ならまだ理解もできるがそれを1時間20分くらいやっているのである。
そして、実はこの「ストーリーのなさ」こそ、旧世代がオタクを攻撃する理由であり世代間の断絶でもあったと思う。
マキノ省三という監督は一スジ、二ヌケ、三ドウサ、と言ったという。スジは脚本、ヌケは映像、ドウサは役者の芝居や演技のことだというが、怪獣映画もそうだがオタク好きのする映像作品には価値基準として一番にくる「脚本」の面白さが欠落しているものが少なくない、とオタクより前の世代に解釈されていたフシがある。
だからこそ、「ゴジラは反戦映画」などのエクスキューズを必要としたらしい(脚本が面白い怪獣映画もたくさんあるが、それは怪獣マニアではない私が言ってもしょうがない)。
でだ、80年代以前と比べても、この頃には本当にストーリーのないマンガやアニメが(オタクシーンでは)多かったように感じる。そもそもが、アニメや特撮というのは映像作品は脚本の面白さだけではない、ということを無意識に主張するもののように思うのだが、まあその辺は時代性といろいろからみがあるんだろうね。
だけれども、それを「冷戦下の凪のような平和を享受する一般市民の感覚を反映してる」などと書くと足下をすくわれることになるんだよな。今でもストーリーがない作品ってけっこうあるからね。
「本質的に広義の映像作品はスジを必要としていないのではないか」という大前提に立ったうえで考えるべきことなのかもしれないですよ。
えーと、他にもいろいろ書きたいことはあるがまたの機会に。
86年当時の、アニメオタクの雰囲気を味わいたい人は観た方がいいですよ。
あ、それと監督が「ナジカ電撃作戦」の人だと知って、ものすご〜く納得がいきました。
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