【雑記】Shop33が閉店?
Shop33は、洋服屋であり、クラブイベントのフライヤーなどが置いてあり、また各種フリーペーパーやミニコミ、インディーズのテクノのCD、カセットなどを販売する店だった。
私が知っているのは移転前の吉祥寺店。90年代、テクノのCDとかレーベルのTシャツとかがどこで売っているのかまったくわからなくて、よくここで買っていた。
インターネット普及前の話だね完全に。
このお店で発行しているフリーペーパーがものすごくカッコよくて、「フリーペーパー」の可能性がもっともあったのって、やっぱりインターネット普及前の90年代前半までなんじゃないか。あとアート系の作品とか自作CGの入ったフロッピーとかも売っていて、それにもフリーペーパーが付いてたし、なんだかよくわからないガバ(音楽のガバ)のミニコミとか買ってたなぁ。
このガバのミニコミも面白かった。当時「エレキング」という「論」系のテクノ雑誌があり(「フロア寄り」の「LOUD」と棲み分けていた印象があるがある時期を境にどっちもどうなったかぜんぜん知らないな、あ、今のLOUDはこれか?)、それが「ガバ」を意図的に無視しているんだ、ということがえんえんと書いてあった。
それこそ今なら2ちゃんでスレが立ちそうな話だ。
そういえば確か「LOUD」でもどこぞの海外ミュージシャンと、この雑誌周りのだれかがケンカして人種差別的発言をしたとかしないとか問題になって弁明みたいのが載っていたな。
これも今なら2ちゃんでスレが立ちそうな話だ。
90年代前半のテクノシーンは本当に雑誌が貴重な情報源だった。あと店頭のポップ。「渋谷系」って渋谷のどっかのレコードショップ(忘れた)の品揃えやポップがつくった、っていうのが本当なら、逆に言えば「インターネット普及以前の情報文化」っていうことだよね。
そうそう、「情報」っていうことで言うと、ニフティのダンスミュージック会議室(ひとつの掲示板に過ぎず、大きな「フォーラム」ではない)に当時名が知られているほとんどのテクノ関係者が参加していたということもあったなぁ。
だいいち、シスオペがダブマスターXだったし。石野卓球まで書き込んだことがあったんだもん。すごい話だよ。
話がどんどんズレるが、90年代テクノの「思想」っていうのは、それまでの「現代思想」的なものの実践というイメージがすごくあったから、それは今思えばインターネット的なものでもあったんだろう。
ところが、実際インターネットが出来てからは情報がまったく霧散してしまって、自分の印象としてはものすごく薄くなってしまった。
えーと、話を戻そう。「Shop33」には、90年代前半には確実にそういう「総合情報発信基地」みたいなところがあったと思う。また懐古的なことを書くとどっかから怒られるかもしれないけどさ、ただインターネット普及前にマイナーな新しい情報を発信するには、受信するにはどうしたらいいかっていうのの最後のイメージって、自分はこのお店なんだよな。
そもそも今後リアルな「店」が情報発信をするということがあり得るのか? ということも考えさせるわけですよ。
まあなんかかんかはできているんだろうけど、情報の扱いがここ10年でどんだけ変わったか、と感慨に浸ってしまうんだよなあ。
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