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【映画】・「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」

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ウルトラ兄弟(マン、セブン、新マン、エース)たちが最後の力を振り絞り、超強力な宇宙怪獣を神戸の海に封印して20年後。
ザラブ星人、ガッツ星人などの悪い宇宙人たちが「宇宙人連合」をつくって結託し、地球に攻めてきた。
それを迎え撃つのは、ウルトラマンメビウス。
メビウスに変身する青年・ミライは、3ヵ月前までウルトラマンや警備隊・GUYSが大好きだった少年・タカトと出会う(彼は天才海洋学者、ジングウジ・アヤの弟だった)。
タカトは、3ヵ月前に怪獣を目の当たりにしておびえてしまい、自分が飼い犬を助けられなかった(けっきょく、奇跡的に助かったが)ことを今でも気に病んでいたのだ。
ミライは、タカトに「ウルトラマンメビウスが怪獣を倒したときに、タカトにVサインを送る」と約束するが……。
(以下、ネタバレあり)

「何かのファンになる」、「何かに入れ込む」ということは、基本的に自分を対象と同一化させる、あるいは同一化しているかのように思い込むことである。
実際の怪獣を前にして勇気が出なかったとき、タカトのウルトラマンやGUYSに対する心は急速に離れてしまう。
その気持ちはすごくよくわかる。

話は飛ぶが、「最強伝説黒沢」の冒頭のシーンで、ワールドカップに熱狂した黒沢は直後に急激に冷める。
むろん、それは自分とサッカー選手たちとの関係の、決定的な乖離に気づいてしまったからである。

少年時代、スーパーヒーローものに非常に入れ込んでいたのに、どこか冷めた見方をするようになったり完全に興味を失ってしまったりするのはよくあることだと思う。
こうした心理の中には、実際問題「どうがんばったってヒーローにはなれないよ」というあきらめが、私は存在していると思う。

そして、タカトが落胆する一方でウルトラマンも完璧なヒーローではない。慢心や失敗もあるし、常に自己研鑽を必要とする。

要するに、クライマックスに至るまでは、少年・タカトとヒーロー「ウルトラマン」という存在がどのように結びついているべきかという、関係性の結び直しの物語だと言える。
だからこそ、「メビウスがVサインを送る」という、まるで手術を受けたがらない少年と一流プロ野球選手のような関係が、凶悪な宇宙人によって突き崩される。
メビウスと、ウルトラ兄弟たちがピンチに陥ることをタカトが目の当たりにすることによって、タカトにとって「ウルトラマン」は完全無欠の存在ではない、と理解される。
3ヵ月前に怪獣におびえた自分と、ピンチに陥るウルトラマンたちをシンクロさせることができる。

そこからタカトが自己回復をはかるという展開は、よくよく考えるとありがちなパターンなのだがやはり感動してしまう。
ここまでで1800円の元は取ったと感じた。

なお、クライマックスの戦闘シーンに関してはネット上の感想でいろいろ言われるが(地球上なのにみんな3分以上戦っているのはおかしいとか)、自分はウルトラマンの戦い方というのはあまり人間くさくなっても……と思う方なので、あれでもいいと考えた。
逆に言えば、前半の「ウルトラマンは神ではない」というセリフは、クライマックスであまりにも「神」的な、力押しの戦いをすることに対するエクスキューズだとも読みとれないこともない。
(まあ、大半の人は逆に、「ウルトラマンは神ではない」と言いながらなぜ「神」的な戦いをするのだと思うかもしれないけど。)

自分にとってウルトラマンが怪獣に勝つ、ということは、スーパーヒーローもののストーリーの中でぜったい成し遂げられなければならないもの、一種の「儀式」のようなものなので、まああれはあれでいいかな、と思ったのだった。

なお、私の深読みか思い違いかもしれないが、「マンガ的」な要素が強い映画だった。
ここに出てくる「ウルトラ兄弟」は、私から観ると内山まもるの「ザ・ウルトラマン」そのものだし、
宇宙人が一人ひとり出てくるのは「死亡の塔」のパターンをやりまくった往年のジャンプマンガのものだし(宇宙人の一人がブルース・リーが手でクイクイ、とやる挑発をやってた)、
バリヤーみたいなものに覆われた閉鎖空間での戦いも、個人的には宇宙刑事の「なんとか時空」よりも、「魁!男塾」の閉鎖された闘技場を勝手に連想した。

そう、「ウルトラ兄弟」は男塾の二号生、三号生っぽくもあり(笑)、
ゾフィーやタロウのかけつけ方も「男塾」っぽかった。

だからこそ、やたらと「努力、根性」みたいなことを言ってたのかもしれないな(それは極論)。

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ネタばれ少々ありますので未見の方は御注意を。 お子さんと一緒に行こう、等と考えているお父さん、お止めなさい。え?つまらないから?とんでもない!逆です!というかリ [続きを読む]

受信: 2006年10月 2日 (月) 20時02分

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