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2006年10月

・「とんがり焼き」を食いまくれ

Kangaru

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村上春樹氏、カフカ賞に『光栄です』

授賞とは何の関係もない話。村上春樹の短編集というかショート・ショート集というか、コジャレた小品集に「カンガルー日和」というのがあり、その中に「とんがり焼きの盛衰」という話が収録されている。
自分はこの話が好きで好きで、最初読んだときはゲラゲラ笑ってしまった。
簡単に言うと権威とか権力が、ちょっとしたことからグチャグチャに崩壊してしまうという話である。
何で自分はこんな、世評的にはたいして評価もされていない、冷静に考えても村上春樹の作品としていちばん残らないっぽいこの作品が好きなのだろうか。

ただ世の中には「胸のすく崩壊」というのがあって(もちろん「最悪な崩壊」というのもある)、それがどんなに幻想だの夢だの自分に甘えてるだの非モテだの嫌オタク流だの言われても、ゆるぐことは無かった。

規制権力の崩壊をうたったこの作品を読んでも、実は村上春樹の小説は「羊をめぐる冒険」まで、東映任侠映画的クライマックス主義を貫いていたことは自明である。
(以前、ネット上で「村上春樹の小説の一部は任侠ものである」と書いたら、「ダンス・ダンス・ダンス」がそうだ、と言われてしまった。人それぞれだろうが、自分にとっては「ダンス・ダンス・ダンス」は小説としての出来は別にして、クライマックスというか破壊、崩壊のカタルシスを味わう小説ではない。このときは踏み込んでネット上でコミニュケートしなかったが、次回があればもう少し詳しく説明してみたい。)

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・「サル」全5巻 藤子不二雄A(2000〜2005、小学館)

Saru05

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「プロゴルファー猿」から二十数年、アメリカで影のプロゴルファーとして生きる男「サル」の戦いを描いたゴルフマンガ。

近年のA先生は、それこそ20年以上前の原稿用紙に叩きつけていたルサンチマンは何だったんだ、と思うくらい脳天気なマンガを描いている印象だなあ。「笑うせぇるすまん」とかもみんなこんな感じなのかなあ。

でも絵はいいねすごく。もう大御所になるとどのくらい筆を入れているかもわからないわけですが、これくらい方法論がしっかりしていればそういうことは問題じゃないと思いますよ。ゴルフボールが「ギャン ギャン ギャーン!!」って唸りながら飛ぶところとか。

ただ、サルが三十歳過ぎてもまだ正規のプロになってない、っていう理由が明確だと良かったのに、とは思いました。

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・「喰いしん坊!」(9) 土山しげる(2006、日本文芸社)

Kuisinbo09

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週刊漫画ゴラク連載の大食いマンガ。
安定した人気を保っているようで、喰いワングランプリがクライマックスでいちおう一段落、という構想だと思うので、この巻はちょっと引き延ばし感はある。
TFFとOKFFの、水面下での駆け引きというのはさすがにそろそろ限界かな……と。

だが満太郎のたこ焼き大食いとかね、やっぱり面白いね。

甘味女王・桃子のイチゴショートケーキ邪道食いには大爆笑でした。ありゃもう一点の曇りもない邪道だわ。文句ない。

8巻の感想

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・「餓狼伝」(18) 夢枕獏、板垣恵介(2006、講談社)

Garouden18

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イブニング連載。
もう19巻が出ようってときに何だ、って思う人いるかもしれないけどね、感想書きますよ。

最近あらためて思うんだけど、スーパーマン同士の戦いになりすぎてしまった「刃牙」のシリーズと比べて、この「餓狼伝」は、いろんな質の違う「強さ」を比べてみて、その比較と物語全体での統合によって「真の強さとは何か」を考えるという方向性が明確だと思う。
だから面白いんだと思います。

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【書籍】・「エイリアンの夜明け」 コリン・ウィルソン(1999、角川春樹事務所)

Aliendawn

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コリン・ウィルソンの最も世間的に認められている著作(だと思う)「アウトサイダー」を読んでいない私にとっては、彼の著作は学研の、「ムー」関連の毒々しい表紙の本を買うよりは、よりノーブルな気分を味わいたい不思議大好きっコが手に取る本、程度の認識しかない。

で、結論もたいていは「人生前向きに生きろ」みたいなことになっていて、「あれれ」とも思うのだがどこかに愛嬌みたいなものがあり、憎めないというのが私の印象である。

超能力とかオカルト、世界の不思議現象を収集した本を多く出しているコリン・ウィルソンは、意外にも本書を執筆するまでUFOに関してはたいして興味がなかったようである。

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【書籍】・「不思議現象ファイル」 ジョン・A・キール(1997、ボーダーランド文庫)

Fusigi

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「モスマンの黙示」(「プロフェシー」というタイトルでまだ購入可能)[amazon]で、一部で有名なモスマンについて書いた著者の、ものすごくおおざっぱに言うと未知生物についての本。

このテの本って、事象の羅列が多いんで読むのに時間がかかり、読了するのに2年くらいかかってしまった(笑)。

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・戦略か根性か、補足

の補足。
80年代末からバブル崩壊までの「根性・努力もいいけど戦略もネ!」という論調は、それまで陰の存在だったプロデューサーやコンサルタント、放送作家といったブレーンを表舞台に引っ張り上げることになった。
で、それは前述のとおり、「根性・努力だけではうまくいきませんよ」ということだった。

だが、

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・鴻上尚史は自分にとっては最初の「戦略者」だった

就職の面接で、「すごくおっぱいが大きいけど、得するの?」と聞かれたら……(活字中毒R)

鴻上尚史のコラム「ドン・キホーテのピアス・587」の内容からいろいろ書かれている。
まあ、日本でも「圧迫面接」というのがありますけどね。わざと抑圧的なことを聞いて反応を見ると言う方法です。方法論としてどうなのかってのは、会社の総務部にいたわけではないから知りませんが。

・「“祖国なき独立戦争”を楽しむために—ドンキ・ホーテのピアス」(10) 鴻上尚史(2005、扶桑社)[amazon]

以下、連想したり思ったりしたことをつらつらと。

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・「瀬をはやみ」に関してもろもろ

Mailkeitai

このエントリの続き。

ある意味での衝撃マンガ・瀬をはやみに関して。
何でもそうだけど、ネタものに関してペタッとURL貼り付けて終わり、ハイ次、っていうだけじゃいかんよね、と知り合いの人とネット上で会話を交わしたこともあり、もうちょっと詳細に書きたいと思います(いちおう念のために言っておきますが、URLを羅列していくだけでもじゅうぶん情報の流通には寄与すると思うし、むろんこの件に関してもそういうサイトで知ったのだけどね)。

作画の山本揚志氏の、他の広告マンガ(のサンプル?)。
メール集客甲子園
体当り刑事
アクセスG!G!

「体当り刑事」を読むと、絵柄と裏腹にギャグを考えている作家さんだというのがわかります。
個人的には「メール集客甲子園」が好きですかね。

以下は、作者のHP。名前が同じで絵柄が同じだから、たぶん間違いないと思うけど。
MANGA●日本BD

「瀬をはやみ」の場合、「広告マンガ」って知らないで読んだらそりゃ衝撃度はすごい。
自分もそのように楽しんだし、事前説明をうだうだ聞かないほど面白いマンガであることは確かだ。

だが当然だけど、それだけでは「一発芸」としての受け止め方で終わってしまう。
評者としては、それをどうするかが問題になる(当然、作家としてもそうだろうが)。
投げっぱなしで「紹介逃げ」してしまった方がインパクトは増すだろうし、自分もズルいのでそういう「紹介法」を取ることもある。
しかし、基本的には有機的な紹介というかね、「じゃあこれは何なんだ」っていうところまで、日々考えていたい。

ちなみにミクシィ日記を「瀬をはやみ」で検索したら65件も出ましたよ。
(以下は、別に読まなくてもいいです。)

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・「桃魂ユーマ」(3)(完結) 井上元伸(2006、秋田書店)

Tokon03

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チャンピオンRED連載。
図体が大きいのにヒラヒラの服が大好きな少女・ユーマが、不良ばかりの吹きだまりの高校でガッツンガッツンに肉弾戦を繰り広げるマンガの完結編。

当然、だいぶ前に読んでいて、個人的にはむちゃくちゃに面白い最高の作品なのだが、なんだか個人的に鬱になったので紹介していませんでした。

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【映画】・「スネーク・フライト」

公式ページ

監督:ディヴィッド・エリス

殺人を目撃されたマフィアのボスが、目撃者の青年と彼を護送するために乗り込んだ刑事を殺そうとする。
その手段は、彼らの乗り込んだ飛行機に大量の蛇を乗せることだった!!

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・なんじゃこりゃ!?マンガ

Seo

マンガ「瀬をはやみ」

ザイーガにて知る。
とにかく先入観なしで読んでみてください。後半の展開にビックリ。

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【映画】・「レディ・イン・ザ・ウォーター」

Lady_2

監督:M.ナイト・シャマラン
公式ページ

プール付きアパートの管理人(?)をやっている中年男・クリーブランドは、「夜中にプールで遊んでいるやつがいるから何とかしてくれ」と頼まれる。
実際に犯人をつきとめてみると、それは古代から人間に霊感を与えるという伝説の「水の精」だった。

ネタバレされた状態で「シックス・センス」[amazon]を観たがピンと来ず、「サイン」[amazon]を観てラストに大爆笑し、「ヴィレッジ」[amazon]で「ハア?」と思った私だが、本作はけっこう面白かったですよ。

プロットはお芝居的なんだな。「お芝居」っていうのはどういう意味かというと、日本の小劇場ブーム以降の小さい劇団でやるお芝居が好んでやるどんでん返し、それに近いものが本作にはある(まあ、シャマラン作品だから「どんでん返しがある」と書いてもネタバレにはならんだろう)。

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【イベント】・「集え!正義!! ローカルヒーロー祭り」

Kubi

10月14日(土)、於:ロフトプラスワン。
最近、めっきり増えてきたローカルヒーロー(地域や特定の事象に対してアピールしたり守ったりする、主に特撮チックなヒーロー)の中から以下の3組を迎えた豪華ヒーローアトラクショー。

環境戦隊ステレンジャー
地域戦隊カッセイカマン
超速戦士G−FIVE

開催されてから時間が経ってしまったが、コレは観た「証人」として書いておかねばならないと思うので書きます。
いやー、面白かったですよ。

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・「闇の土鬼」全2巻 横山光輝(2006、講談社)

Yamino

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1973〜74年、週刊少年マガジン連載。
貧農の子に生まれた土鬼は、赤ん坊の頃に間引きされ地中に埋められる。しかし、埋められても死ななかった生命力を買われ、ある男に引き取られる。
彼から裏の武芸をたたき込まれた土鬼は、かつて徳川家の裏組織として暗躍し、幕府ができてからはその力を疎んじられている「血風党」と戦うことになる。

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・「横浜ホメロス」   全2巻  小池一夫、叶精作(2006、小池書院)

第1巻  ヴァーチャル都市編[amazon]

第2巻  サイバー超人編[amazon]

ヴァーチャルリアリティの装置でうんちゃらかんちゃらされた、驚異的な戦闘能力を持つ謎の男が、なんたらでかんたらな組織と戦い続けるという話。

つ、……つまらンッ!!  小池一夫作品にハズレ無しと思っていたが……どうしたンだッ、このつまらなさはッ!!

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・「ザ・コクピット」(2)ラインの虎 松本零士(2003、小学館)

第3巻(文庫版)[amazon]

第4巻(文庫版)[amazon]

コンビニペーパーバック調単行本。1話完結の戦記マンガ、第2巻(小学館文庫2冊分らしい)。
けっきょく、自分にはミリタリーものは理解できないことがわかった……。
こういうものはもって生まれたもので自分ではどうしようもないのであった。

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【雑記】おれって無意識に教師に厳しいよね

リンク先は関連記事を適当に

今回の件で、意見として必ず出てくるのが、

・「(教師の暴言等に関し)それくらいのことで……」
・「昔は生徒はもっと凶暴だったが、今はおとなしすぎる」

というようなことなんだが、

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【アニメ】・「セラフィムコール」第二話「マーガリン危機一髪」

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5年くらい前にやっていた萌えアニメらしい。某所で見せていただく。
1話完結で、この「マーガリン危機一髪」では女の子の部屋に置かれた「マーガリン」という名のぬいぐるみ視点ですべてが画面に映し出されるという実験的な手法を用いている。
しかし、単なる実験作にとどまらず、わずか30分で本当にいろいろなことを描いているし、エンターテインメントとして収束するオチがすばらしい。

ここにくわしいレビューが……と思ったら、たぶん見せていただいた方のサイトですね(笑)。

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【DVD】・「FUTURO 北欧・謎のUFO住宅を追え」

Futuro

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「FUTORO」という名の、1968年に発売されたUFOにも見える住宅について追ったドキュメンタリー。
「プロジェクト・グリズリー」にはダマされ感しかなかったが(まあ、見せ物小屋で騙されたようなものでいいんですけどね)、これは買ってよかったよ。

一見してUFOや未来都市を連想させる外観。しかもバカ高かったという。金持ちが酔狂で、別荘代わりに買うくらいしか考えられないシロモノ。で、実際売れなかったらしい。
いろいろと販売戦略に失敗があったり不運が続いたりしたようで、この住宅に関わった人だれもが「あれが失敗だった」、「これが失敗だった」というのに苦笑してしまった。

しかし、こういう「未来感覚」が金持ちと結びついていて、まあ欧米のことはわからんが日本ではじゅうぶん戦後を引きずっていたのが1968年。
科学技術礼賛の輝かしい未来を無条件で受け入れていた欧米に対し、日本では欧米に対する、そして金持ちに対する憧れと日本の未来への希望とが、こうしたイメージとしての「未来」と結びついて複雑なことになっていた。
だから、日本で発売されたかどうか忘れちゃったけど、もし売り出されたとしても売れなかっただろうし、売れても後々「ものすごく古くさいもの」に風化していっただろうね。

今でこそ、見てるとワクワクな気分になれるんだけど。

ちなみに、このDVDはBGMもシンセサイザーバリバリですばらしい。何ていうの? めちゃくちゃ大ざっぱに言うとペリー&キングスレイみたいな感じで。

ここ、何だろうね。まだちゃんと見てない。

それにしてもこのDVD、結婚してたら奥さんに間違いなく「無駄遣い」って言われるものナンバーワンな気がする。ある意味AV以上に。
購入する人は、「未来都市に住みたかった」人たち(男女問わず)と愛おしむように観るべし。

それが女の子で、銀色のミニのワンピースにアンテナ付きだったら言うことなし。

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・「ザ・コクピット」(1)アフリカの鉄十字 松本零士(2003、小学館)

Cockpit

第1巻(文庫版)[amazon]

第2巻(文庫版)[amazon]

第二次世界大戦中を舞台に、戦う男たちと彼らの使う兵器たちを主人公にした読みきり連作。
コンビニ売り単行本で、2003年初版のものを増刷、ということになっているが2005年に同じ小学館から出た「戦場コミックシリーズ」とかぶっている作品がある。
「戦場コミックシリーズ」は300円で、600円の本書の約半分の厚さだった。最近のコンビニ売り単行本は、新作を300円代で売るものと、往年の名作を以前の「ワイド版」クラスの分厚さで600円代で売り出すものとの2種類、ある気がする。

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【アニメ】・「人造昆虫カブトボーグ VxV(ビクトリーバイビクトリー)」

Kabuto_1

人造昆虫カブトボーグ VxV(ビクトリーバイビクトリー)
(引用開始)
原作 : 原案:タカラトミー
放送局 : BSジャパン/アニマックス(10月10日火曜日午後6:30〜)
放送時間 : 木曜日 18:30~19:00
放送期間 : 2006年10月5日〜
放送本数 : 52本
メインスタッフ : 監督:石踊宏/シリーズ構成:大和屋暁/音楽:後藤郁夫・原田末秋/キャラクターデザイン:野田康行/美術監督:湖山真奈美/色彩設定:箕輪綾美/音響監督:小泉紀介/音響効果:サウンドボックス/アニメーション制作協力:G&Gディレクション
(引用終わり)

某所で見せてもらったアニメ。タカラトミーの原作で、「カブトボーグ」とかいう「クラッシュギア」みたいなオモチャの販促アニメという印象が濃厚な作品だが、第1話のテンションの高さにはひっくり返った!!
何しろ、通常のこのテの作品が半年間かけてやる内容を、たった30分でやってしまったのである。

このテンションを最後まで維持できれば、大傑作になる可能性あり。
また、コロコロやボンボンのホビーバトルマンガが置いてきぼりにしてきた何かを、新しい手法を通して21世紀まで持ち越すことだってできるかもしれない。
(といっても、ウチじゃBSなんて映らないんだが。)

タカラトミー公式

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米沢嘉博の仕事リスト:暫定版

米沢嘉博の仕事リスト:暫定版
シャブ壱inDEEP経由。

「山崎京次」という名前でも書いてたんですね。勉強不足でぜんぜん知らず。

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【雑記】急に思い出した予備校ばなし

「教師によるいじめ」で思い出した話(「いじめ」とは関係ない)。

浪人時代、私は予備校に行っていた。そこのある英語教師が、わりと下ネタ連発して笑わせるような人だった。
で、生徒がエロ本プレゼントしたりとか、なんかそういうくだらない馴れ合いとかがあったんだけど、
ある日、一番前に座っていた生徒(「一番前に座る」というのは、この予備校の場合その先生のシンパだとかすごく勉強熱心だとかであるということ)が、その先生に当てられて、
「パス!」
って言ったんだよね。

そうしたら、今まで冗談交じりで授業を進めていたその先生が激怒して、
「授業を受けに来ているのに、質問に答える気もなしに『バス!』とは何事だ。教室を出なさい。」
って言った。

で、面白かった(?)のは、「出なさい!」って言って、教室がシーンとなって、生徒はあそこまでくだけちゃいけないんだな〜とそこにいる全員が思い知ったのがわかってから、「もうわかったならそういうことはするなよ」っつって授業を始めたんじゃなかったんだよ。

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【雑記】教師がいじめに荷担?

福岡いじめ自殺:発端は学年主任の「いじめ発言」繰り返し

ワイドショーでも観たが、どうも話が見えない事件ではある。
学校側が、公式に、「いじめの原因は教師」と発言したことなど、前代未聞では?
現時点で考えられるのは2点しかない。

・教師が本当にいじめを助長していた。その教師個人の問題
・学校側が学校全体の責任を回避するために、トカゲの尻尾切りを行った

「いちごの名前でランク付け」、「ギブスをはずした少年を偽善者呼ばわり」など、こういう冗談というのは切り出してみてはニュアンスがまったく伝わらない。
「毒舌だけど面白い先生」なのか、「ちょっとおかしいとみんなが思っていた先生」なのか、「非常に不快な先生」なのか、新聞記事などではまったくわからない。

わからないうえで書くが、

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【映画】・「幻の湖」

Maborosino

原作・監督・脚本:橋本忍、1982年、東宝
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マラソンが趣味のソープ嬢が、何者かに愛犬を殺害される。執拗に犯人を捜し回るソープ嬢。一方彼女は(愛犬殺害以前)、琵琶湖畔を走っているときに謎の笛の音を耳にしている。

まあ、そんなことがいろいろあって、何かが起こるかな、と思うと起こらなかったり、起こらないだろう、と思うと起こったりしながら、延々と(まさに延々と)164分にわたって一人の女性の自問自答が滋賀県、東京、そして時空を超えて戦国時代、果ては宇宙までを行ったり来たりして描かれる超異色・超大作。

「何を追って、何を求めて人間は走り続けるのかーー?」
「知りません。もう勘弁してください。」

(以下、ネタバレあり。)

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【DVD】・「プロジェクト・グリズリー」

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山でグリズリーに襲われた男が、なぜか殺されなかったことに疑問を持ち、再度グリズリーへの接近を試みる。このため、熊に攻撃されても大丈夫な防護スーツを開発するさまを描いたドキュメンタリー。

アルバトロス社に対して「やられた!」と思いましたね(苦笑)。
「予告編がいちばん面白い」というヤツです。オチも脱力。観ているとどんどんこちらのテンションが下がっていく構成にも問題があると思います。

田舎に帰り、ヤンキーの先輩に無理矢理海岸に呼び出され、「花火やろーぜー」と言われる。自分以外は大盛り上がり。このテンションなら少しは楽しめるかも……と思っていたら、先輩の持ってきた花火はぜんぶ湿っていた、

たとえるなら、そんな映画です。いやこりゃヒドいわ(ただし、スーツの耐久実験シーンだけを編集して使いたがるテレビマンがいるとしたら、仕方がないとも思う。そのシーンだけインパクトがあるから)。

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【書籍】・「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ OFFICIAL PHOTO BOOK」(2006、メディアファクトリー)

Sukebandeka

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映画「スケバン刑事」のフォトブック。……というより完全に写真集ですね。
後は監督、松浦亜弥などのインタビューがチョコチョコと。
なんか印象として、ものすごく急いでつくった感じ。こういう映画がらみの写真集って買ったのほぼ初めてなんですが、みんなこんななんですかね?

秋山レイカ(石川梨華)の写真が、パンフではほとんど載っていなかったのでこれを買ったんだけど、これでも予想よりは載っていなかったです。いや載ってることは載ってるんだけどね。

私は松浦亜弥にアイドル的な興味を感じたことがないので、この写真集で初めて気づいたんだけど瞳の色が薄いんですね。
瞳の色が薄いと神秘的に見えるんですよ。高岡早紀もそうだったけど。

【参考】
自分の感想

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【映画】・「スケバン刑事」追記

Sukebandeka
10月9日(月)もうこれ以上
(引用開始)
>>この作品はいかんせん描写不足が多いんですよ。
(引用終わり)

ぬお〜そうなんですか。見ていてぜんぜん気づかなかった……。
まあ、私自身がこのテの映画ばっかり見ているので、無意識に脳内補完していたのかもしれません。

石川梨華の出番が少なかった、という意見を他の人からも聞いたんですが、私は彼女の役の「秋山レイカ」って、サキ以上にいろんな顔があるでしょう。学園セレブとしての顔、「スケバン」としての顔、「ロメオ」を愛する少女としての顔。だから、もしかして麻宮サキよりおいしい役かも、と思っていてその辺は気にならなかったんですよね。

あとネット描写もそうとうヘンだったようで。まあこの辺は私は「しょうがないんだ、これはしょうがないんだ」って自分で言い聞かせて見ていた部分は否めませんが(笑)。

・「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ OFFICIAL PHOTO BOOK」 [amazon]

・「刑事マガジン+1」 [amazon]

【参考】
自分の感想

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【MAD】横山光輝作品集 youtube

【MAD】横山光輝作品集

ミクシィで教えてもらい、あまりにも感動したのでここにも貼っておこう。
たった数分間で叙事詩となっており、横山光輝の人生をも思わせる。
また、私はそんなに横山作品に詳しいわけではないんだけど、人に聞けば聞くほど愛がある、シブいつくりになっていることがわかるのであった。

もうひとつ、止め絵を使用しつつ動いているように見える、というのもすごい。
「桃園の誓い」で上のフキダシに向かってPUN UP(で言葉は合ってますか?)するところなんか、アニメともマンガともつかない感動があります。

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【映画】・「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ」

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公式ページ

監督:深作健太、脚本:丸山昇一

アメリカから強制送還されてきた少女(松浦亜弥)。彼女は、アメリカでの不法滞在が発覚しスパイの疑いがある母親を解放することを条件に、特命刑事・麻宮サキとして、爆弾事件の核となっているらしい高校・聖泉学園へと学生として潜入する。

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【雑記】「ネタバレ」を嫌う人を、極端に嫌う人々

広義のオタク系のブログを巡回していると、たまに「ネタバレ」を嫌う人を、極端に嫌っている人に出くわすことがある。
「ネタバレを嫌う」ならまだわかるが、「ネタバレを嫌うこと」を嫌うのである。

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【書籍】・「原田実の日本霊能史講座」 講師:原田実、聞き手:杉並春男(2006、楽工社)

Nihonreinousi

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卑弥呼から始まり、聖徳太子、空海、安倍晴明、日蓮、出口王仁三郎、宜保愛子等々、日本の霊能者30人をポイントとしながら、古代から日本人が「霊」をどのようにとらえてきたか、それにともない「霊能者」もどのように変化してきたかを見て行く日本宗教史・入門読本。

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【訃報】米澤嘉博氏

訃報 米澤嘉博氏

ショックすぎる……。
あまりにもショック……。

米澤さん、コミケではウチの本を1回だけ買ってくれたことがあった。
私は、コミケの生成過程とかどんどん大きくなっていく過程とか、実はそういうのはアウトラインくらいしか知らない。
しかし、何がどうでもその「代表」である米澤さん、私から見るとニコニコしていて気負いも、あるいはいばったところも少しもないように感じた。そのお会いした一瞬だけのことだけど。
その飄々とした感じが印象的でした。

大げさかもしれないけど、ウチの本なんか買うっていうことは相当なフットワークの軽さも感じたし……。

それと、米澤さんの文筆活動について半端な知識しかなくお恥ずかしいかぎりだが、
たとえばオールタイムベストや年間ベストのセレクトなどが、個人的には好きだった。読むときちんと面白いものを入れていた。

あくまでも、私がときおり断片的に見るマンガ評論の文章においては、何か文筆でムーヴメントを起こそう、という気はたぶんなかったであろうぶん、その文章は手堅かったし、勉強になった。
(「コミックマーケット」そのものが、マンガ・アニメにおいては80年代以降、最大のムーヴメントだからだったのか、それはわからないが。)

たとえば「コミックフラッパー」のマンガレビュー連載において、「戦闘美少女の精神分析」がらみで、
「『戦闘美少女』の歴史があるなら、『戦闘美女』の歴史があるはずだ」と書かれていた。

本当! 本当にそうだと思ったんですよ。

米澤さんのマンガ史観や、レビューの手堅さが評価されるのはこれからだったと思うんですよ。

夏目さんのやっているマンガ表現論がこれだけ脚光を浴びる中で、それが一段落したら必ず、米澤さんのような、面白いマンガを面白いと表現し、書けること、
(それはもう表現の性質上仕方ないとして)センセーショナルに取り上げられてゆくマンガやアニメを評する言説に、地に足のついた評価を一つひとつ加えてゆくこと、

そしてむろん「コミックマーケット」という存在を現出させたということ。

それらが今以上に評価される日が来るはず。
何もかもこれからだったのに……。

ご冥福をお祈りします。

……としか、今は言いようがありません。

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・「謎の宇宙人オーパーツ」 監修:並木伸一郎(2006、竹書房)

Nazono

コンビニ単行本。マンガです。
「火星のピラミッド」、「火星の人面岩」などの写真から読みとれる不思議物件、「斜光器土偶は宇宙服を着た宇宙人」などといった奇説、「失われた第五惑星ラハブ」などが取り上げられているネタ。

いや〜悪いことは言わんよ、なんかもうちょっとどうにかした方がいいよ。「並木先生」が子供たちに講釈するという趣向なんだけど、なんか教育に悪い気がする(笑)。
並木伸一郎先生監修の著作は、一読そんなにめちゃくちゃな感じはしないけど逆に言えば飛躍や新味に乏しいと思う。

ラストに「ラハブ」の世界を完全に想像で描いたことだけは、ちょっとだけ評価する(まあ80年代頃のSFアニメ的な世界観だけどね)。

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・「実録! 仰天世界事件史」(2006、大洋図書)

Ziturokusekai
コンビニ単行本。
「911同時多発テロ陰謀説」、「SARS生物兵器説」、「ジョン・レノン暗殺陰謀説」、「巌流島の戦いの裏側」、「上杉謙信女性説」などの一種の伝説を扱ったコミックアンソロジー。

自分がこのテの作品にハマらなかった理由として、反証がほとんどあげられておらず都合のいい意見だけでまとめられていることが多いこと、自分自身が完全に反証となるデータを得られない場合が多い(基本文献を読みこまないといけないなど)ことがあげられるが、本作もまさにそんな感じ。

「そんなわけないだろ」か「そんなこともあったかもね」しか感想が浮かばない。また、トンデモ説はあんがいマンガにするとそのトンデモ性がマンガという表現に吸収されてしまい、「変な感じ」が失われてしまうというメディア上の理由もあると思う。

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・「ダ・ヴィンチと秘密結社」 原作:能登アリス(2006、宝島社)

Dabinchito
コンビニ単行本。
「ダ・ヴィンチ・コード」の三匹目くらいのドジョウを狙った作品。
ドラマ仕立てに、ダ・ヴィンチの謎を追っていくというマンガ。
前作「ダ・ヴィンチの聖杯」(→感想)はなかなかやけくそ的なオチが面白かったのだが、今回のはオチがヒドイ……!!
ものすごい肩すかし。

「シオン修道会」をつくったプランタールの正体などが描かれているのは、70年代のこのテの作品に比べると盛り込みのスピードは段違いに速い。それが時代というものなんだろうし、かといって「ぜんぶウソでした」って展開にならないのもまた人生だ。

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・「実際にあったエクソシスト」 監修:並木伸一郎(2006、竹書房)

Zissainiatta_1
コンビに売り単行本。オール書き下ろしだそう。
映画「悪魔の棲む家」のモデルとなったアミテヴィル事件など、実際にあった悪魔憑き事件をマンガ化。
うーん、実話としての投げっぱなし的な面白味にも欠けるし、創作の飛躍にも欠けるし……。
中途半端な印象は否めない。
なお、「悪魔の棲む家」のモデルとなった「アミテヴィル事件」に関しては、デバンキング的観点から書籍「ニッケル博士の心霊現象謎解き講座」(2000、太田出版)で詳しく解説されています。

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【映画】・「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」

公式ページ

ウルトラ兄弟(マン、セブン、新マン、エース)たちが最後の力を振り絞り、超強力な宇宙怪獣を神戸の海に封印して20年後。
ザラブ星人、ガッツ星人などの悪い宇宙人たちが「宇宙人連合」をつくって結託し、地球に攻めてきた。
それを迎え撃つのは、ウルトラマンメビウス。
メビウスに変身する青年・ミライは、3ヵ月前までウルトラマンや警備隊・GUYSが大好きだった少年・タカトと出会う(彼は天才海洋学者、ジングウジ・アヤの弟だった)。
タカトは、3ヵ月前に怪獣を目の当たりにしておびえてしまい、自分が飼い犬を助けられなかった(けっきょく、奇跡的に助かったが)ことを今でも気に病んでいたのだ。
ミライは、タカトに「ウルトラマンメビウスが怪獣を倒したときに、タカトにVサインを送る」と約束するが……。
(以下、ネタバレあり)

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