【映画】・「ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT」
車大好き不良少年のショーンは、ある日車の路上レースで騒ぎを起こし、アメリカにいられなくなってしまう。
そして、離婚した父の住む日本・東京へ。
「車には近づくな」と父親から厳命されていたショーンだが、日本にはドリフトがあった!!
最初のレースに負けはしたものの、日本の公道レースの魅力に取り憑かれるショーン。
彼は、日本のヤクザの甥・DK(ドリフト・キング)、彼の仕事仲間のハン(中国人? 韓国人?)とのつき合いに巻き込まれていく……。要するに日本に来ても不良コミュニティに入っちゃうわけね。
その間も、ハンから譲り受けた車でドリフトの特訓に余念がない彼の、行き着く先は。
(以下、ネタバレあり)
町山智浩氏の、ラジオでのこの映画の紹介があまりに面白そうだったので見に行く。
彼は「日本が『ドリフトができるかどうかがすべての価値観になっているかのように描かれてる」と言っていたと思うが、まあ、実際そういう話です。
あらゆる意味で、かなり面白い映画でした。
そもそもが、白人のショーンが学ランを着て、公立高校に通い、最初に出来た友達が黒人の少年(トゥインキー)、同じクラスには黒人系の美少女(ニーラ)がいて……ってどういうクラスだよ!!
(もちろん大半は日本人の学校です。)
しかもトゥインキーはスニーカーやらアクセサリーやらiPodやら、とにかく何でもどこからか仕入れてきては友人たちに売りつけるのをシノギとしているヤツ。
なんだよその設定! 完全に昭和の番長マンガの世界ですよ。
学食シーンが大爆笑で、高級精進料理みたいのがバイキング形式で並んでいるのを勝手に取って食っていいらしいよ! なんか天ぷらが竹篭に入って並んでんの。そんな高校だれだって行きたいよ(笑)。
しかも、それを神妙な顔で食うショーンの隣に座ったトゥインキーが、「日本食は軍隊の食事と同じさ。『中身は聞くな』ってね」などと言う。おまえら自分たちの食うものがどんだけ高いかわかってんのかーっ!!
他にも意図的に日本のエキゾチシズム&日本をパラダイスであるかのように描く描写は徹底している。銭湯のシーンが無理矢理出てきたり、ショーンの父親が住む家が日本風ウサギ小屋だったり。
しかし不良たちは優雅な生活をしていて、モデルのおねーちゃんたちだけが集う秘密クラブ(クラブって銀座とかのクラブじゃなくて、踊るクラブ)があってヤクザの息子はモテモテ、「車でどんなにスピードを出しても警察は追ってこない」とか言ってたり(ウソ言ってんじゃねーよ!!(笑))。
そしてショーンがトゥインキーに誘われたカーキチ(死語)たちの世界では「ドリフトが上手いかどうか」がほとんどすべてを決定する。
ハンが「ドリフトで女をナンパする」シーンなんかはもう最高だ!!
この「特定テーマの競技ものにおいて、その競技の上手さが世界のすべてを決定する」というのは、まあマンガやアニメ、映画のお約束でもあるのだが、最近のこのテの作品は必ずその「ルール」の外部のシステム(要するに権力構造みたいなもの)との関係を描くのが、そんなに強引でもなく描かれる。
まあ話をするとアホらしく聞こえはするが、要所要所に設定上の気配りがあるということだ。
たとえば、ショーンのライバルとなるDK(ドリフト・キング)は、もちろんドリフトが超一流に上手いには違いないが、やはり彼を不良界のボスたらしめているのは、ヤクザ(千葉真一)を叔父に持ち、自身もヤクザ的なシノギをしているからなのである。
彼と友人であり、仕事上のパートナー(借金のキリトリをやっているらしい)であるハンが、ショーンを真の友人と認める、ということが本作のストーリー上のキモである。
このあたりのからませ方は、個人的には及第点だと思う。
欲を言えばDK〜ハン〜ショーンの友情関係がもうちょっときっちり描けていれば、クライマックスもより盛り上がったと思うのだが、まあこの辺はしょうがないのかな。
もちろん肝心のレースシーンは大満足の迫力である。人でいっぱいの渋谷のスクランブル交差点に、猛スピードの車が突っ込み、モーゼの十戒のように人が避けていく中を通り過ぎていくシーンなどは圧巻(あれ、あのシーンすべてがセットなのか? 信じられない。すごい。)
なお、日本人ヒロインとして実写版セーラームーンのセーラーマーズ役だった北川景子が出ている。
「ショーンの友人で女子高生でメカニック」という、これまたマンガチックな役だ。
いかにもアメリカーンな大柄で細くてセクシーな女の子たちが出演者としてはほとんどだから、まあホントの「日本の美少女」として顔もちっちゃく日本人的に華奢な彼女を配するというのは、面白いと言えば面白い。
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コメント
けっこう日本の描写に怒っている人、ネット上で多いね。
でもまあ、あんなもんでしょう。
「ベストキッド3」とか相当ひどいらしい(観てない)んだけど、ワイルドスピード3観て怒る人なんか、これみたら卒倒して死んじゃうかもなあ。
投稿: 新田五郎 | 2006年9月28日 (木) 09時32分