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【映画】・「バックダンサーズ!」

公式ページ(注:音が出ます)。

監督:永山耕三

人気女の子ヴォーカルのバックダンサーだった4人の女の子。
ヴォーカルの突然の引退により、解散に追い込まれるが……。

映画館で予告編を観たとき、これは観るしかないと思った。
「裏方だった者が、頑張ったことによって表舞台に出る」、なんていうのは燃える設定である。
ストーリーも王道ゆえに、大ハズレになることもないだろう、と期待していた。
しかし……。

まあひと言で言って、「盛り上がりそうなところを一つひとつ親指で潰していくような映画」であった。
感動するべきツボは要所要所にあるのだが、フィルターを通してスクリーンを観ているような感じ。
テレビドラマ畑の監督だと知って、なるほどと感じてしまったのだが、テレビドラマとして8回とか10回連続でやれば面白くなったかもしれない。
そんなふうに思わざるを得ない。

まず登場人物が多すぎる。
「バックダンサーズ」だけで4人(平山あや、hiro、ソニン、サエコ)。コレに男性の新米マネージャー、hiroのことが好きなクラブDJ、hiroと深い因縁を持つおじさんロッカー(陣内孝則)、などがからむ。
4人のキャラクターはよく描き分けられているが、それらをぜんぶ盛り込んで詰め込み過ぎの印象だ。

面白くなりそうな要素はいくつかある。
たとえば、結婚宣言してスパッとやめてしまう人気アーティスト(長谷部優)と平山あや、hiroは最初三人で路上で踊っていたこと。
長谷部優が最初にアイドルとしてスカウトされたことになっていて、「才能や人気のある者ほど、その地位を簡単に手放してしまう」ことを、踊ることが好きだが自分の居場所を確保するのが大変だと感じている平山あややhiroと対比することもできたはずだ。

あるいは、4人のチームワーク。
キャラは描き分けられているが、個性のぶつかり合いによる相乗効果とか、あるいは不協和音がきちんと描かれたとは言いがたい。その理由は、「バックダンサーズ」結成の経緯がアッサリしているからだろう。

バックダンサーズが、メインヴォーカル引退のあおりを食らうまでを、時系列で追ったのはどうかと思った。まず序盤がタルいのだ。
ここは予告編と同じく、ヴォーカル引退のシーンから描いた方がよくなかっただろうか。その後、4人の関係性は回想形式で描けばいいのだから。

ダンスシーンも、あまりよくない。いや、主役の4人は頑張っているのだが、撮り方がうまくないのか迫力が今ひとつ。
4人が、ものすっごくダンスがうまいわけではないのはこちらもわかっているのだから、再起をかけてアマチュアダンスコンテストに出場して踊るシーンと、クライマックスのゲリラライブのシーンはどちらか一つで良かったと思う。

また監督が「東京ラブストーリー」などのトレンディドラマに関わったとは思えないほど、ところどころにダサいシーンがあるのも気になった。
物語序盤、ヴォーカルの引退によって、パーティーで意にそわないセクシーな衣装で踊れと強要された4人が、酒に酔ってめちゃくちゃなダンスを披露するシーンがあるが、これが尋常でなくダサい。

「変なおじさん」の振り付けで踊ったりするのだが、ハロプロ関係でアイドルたちが「変なおじさん」だの「アイーン」だのが取り入れられた振り付けで踊っているのを、監督は知らなかったのだろうか?
「変な踊りを踊った」ということを表現したいなら、もっとヘンにしなければダメである。

またクラブDJの男性がhiroに思いきって愛の告白をする、しかし彼女に背を向けて叫んだときはhiroはスタスタと歩いていってしまっていた……なんて、そんなベッタベタなシーン、ひさしぶりに観ましたよ(笑)。しかも別のシーンとの天丼と来たもんだ。

さらにレコード会社=メジャー、クラブカルチャー=アンダーグラウンド、という対比があるが、その対比を真木蔵人の起用だけで済まそうというのにも、怠慢を感じてしまった(真木蔵人は、なんかHIPHOPの世界に顔がきくらしい、という情報がないとよくわからない)。これじゃ真木蔵人がかわいそうである。

本作を救っていたのは、実はおちぶれかかっている売れないロッカー役の陣内孝則である。
たぶんこの映画の中でどのようにギャグの緩急を入れていいかわかっていたのは陣内だけだろう。彼のシーンで、かろうじてメリハリができていた。
私は陣内にそれほど才能を感じているわけではないが、たとえるなら不慣れな海外旅行で、日本ではたいして親しいわけでもない人をすごく頼りにしてしまう、そんな心理をこの映画内の陣内に感じてしまった。

どのような経緯でできた映画なのだろう? と、観ながら首を傾げざるを得なかった。
平山あやはこの映画のために一からダンスを学んだというし、ソニンの、黒人の女の人みたいな筋肉にも魅力がある。
hiroにもサエコにも、それなりの役割がある(陣内に「私、四十代までOKなんだ」と言う小悪魔的なhiroと、ブリッコっぽいが芸能界での上昇志向が強いサエコ、というのもキャラ的には面白かったのに)。

それなのに、監督というか演出だけがダメなのだ。

なんか、出演者がかわいそうに感じてしまったのであった。
もう寝よう。

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