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【映画】喜劇 特出しヒモ天国

1975年、東映
監督:森崎東、脚本:山本英明、松本功
自動車会社の営業マンだった山城新伍は、出入りしているストリップ劇場のオーナーから金が取り立てられず、さらに警察の手入れに巻き込まれて会社をクビに。
以前よりひいきにしていたストリッパー(池玲子)のヒモとして生きていくことにする。
ストリッパーとその周辺で生きる人々を描いた人情喜劇。

監督は山田洋次がらみの人らしいが、「底辺に生きる人々のしたたかな生き様」などをこれでもかと見せられたらどうしようかと思ったんだけども、「いかにもこの頃の東映」という仕上がりになっていて大満足だった。
とくにオープニングの勢いのある曲と、ストリップ小屋の近くにあるらしいお寺での坊さん(殿山泰司)の説法が重なって流されるシーンは、偶然なのかもしれないが本当に曲としてものすごくカッコいいのであった。

この頃の山城新伍の胡散臭さは最高。また、この頃の「底辺の人々の中でも、さらにワリを食っている」存在を演じる川谷拓三も最高である。昔はこういうキャラにも目配りはあった。今は本当にただ笑いものにしている部分があると思う。しかも人間は平等だと前提として、だ。

ついやり場のない怒りで力がこもってしまった。……まあそんなことはともかく、池玲子はキレイだなァ。実は「仁義の墓場」などの、任侠路線でもかなり彼女を見ているはずなのだがまったく印象がない。
脱いでナンボの人というのはやはり存在する。「脱いでも普通の映画に出られる」といった状況であれば、池玲子は消えないで済んだかもしれないと思う。

もちろん、「脱いで普通の映画に出ている人」は昔からいましたよ。森下愛子とか、関根恵子とか。最近だと「つぐみ」とかもそうかも。
でもポルノ出身の人はいったんどうしてもそれを断ち切らないとマズかったということはあったと思うし、それがうまくいかなかった人もまた、多かった。

ポルノ出身者が「脱ぐ/脱がない」の二者択一しか無かった、70年代終わりから80年代にかけての映画界の実情を恨むしかないんだろうな。
いやAVのことを考えると、現在もそう変わらんか。

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