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【映画】ダ・ヴィンチ・コード

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監督:ロン・ハワード
脚本:アキヴァ・ゴールズマン

ルーヴル美術館館長が、館内で何者かに殺害される。
館長が死の寸前に残したのは、奇妙すぎるダイイング・メッセージだった。
宗教象徴学を研究する大学教授ハワード・ラングトンと、暗号解読官ソフィー・ヌヴーはこのダイイング・メッセージの謎を解くうち、古来より続く秘密結社・シオン修道会のおそるべき謎を解き明かすことになる。

全世界で5000万部を売ったという小説の映画化。
小説の方は、非常に映画的だなと思わせたが、実際映画にすると説明ゼリフばかりで意外に映画向けではないプロットであることがわかった。むずかしいもんである。
日本語吹替版で見たが、これは字幕版で見たらかなり退屈なのではないかと思う。

見どころは、原作のような挑発的な感じではなく、ところどころに「言い訳」が入っていること。
聖杯伝説にしても、宗教史学者ティービングの自説展開にいちいちラングドンが否定的な見解を示すシーンがあったり、
「教会が殺人を行っていた」ことを(一部の不穏分子の仕業であれ)ほのめかしていた原作と違い、「影の議会」という架空の組織を教会側にも設定することで、フィクション性を高めている。

本作に関しては、キリスト教文化圏のタブーや、現状でキリスト教がどのようにとらえられているかということがヒットや批判の重要なポイントなのでいいかげんなことは言えないが、
本作が映画として最大公約数的(海外の人間も見ると想定しているという意味で)なセンを狙っていることを前提とするならば、

シオン修道会VS影の議会は、そのまま911のテロ事件や、その後のアメリカのイラク侵攻を批判しているように思われる。
まあ、「ただ批判してみただけ」というヌルいものではあっても。

肝心のキリスト教の飛躍した解釈についてたが、私個人の考えとしては、宗教の非合理性を合理的に解釈しようというねじれが、原作にも本作にもあると思う。

日本の伝奇小説は、近代化に対するアンチという立ち位置が明瞭にあるが、
本作の場合は現代にまで続く非合理性を、(それがトンデモ理論であることは置いておくとして)過去を洗い直して過去から「非合理である」として撃つ、ということになる。

少なくとも、日本人にはこういうタグイの物語を欲する屈折というのはないのではないか、と思った。

【小説】・「ダ・ヴィンチ・コード」感想

【書籍】・「ダ・ヴィンチ・コード最終解読」皆神龍太郎(2006、芸文社)感想

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