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【小説】・「ダ・ヴィンチ・コード」(上)(中)(下)  ダン・ブラウン(角川文庫)

Davinci

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ルーヴル美術館館長ジャック・ソニエールは、何者かに殺害される。彼は死の直前に、奇妙なダイイングメッセージを書き残していた。
ソニエール殺害の濡れ衣を着せられた象徴学者ロバート・ラングドンと暗号解読官ソフィーは、ダイイングメッセージの謎を追ううちに世界がひっくり返るほどの秘密を知ることになるが……。

読後の評価は「まあまあ」という感じだったのだが、元ネタとして他の人の書いた著作があると知って、さらに評価が下がった。そうなると核となるアイディアは借り物だから、小説技巧だけの評価となる。
ラングドンとソフィーが場所を変えながらあわただしく暗号を解いていくサスペンスは確かに先を読ませる力を持っている。
しかし、あらかじめ論文調の元ネタがあることを踏まえると、説明ゼリフを説明らしく見せないような工夫が凝らされている、あるいはそうせざるを得ないということがわかってくる。

肝心の謎解き部分だが、正直日本人にはそれほど衝撃的なことでもないだろう。このため、とても地味な印象がある。どうも本作を読んで私が感じる最大のモヤモヤは、「キリスト教圏の人が読んだらどう思うかわからない」という点にあるのかもしれない。

後は映画版を見たときの感想と同じである。要するに、宗教的な非合理を現代から後出しジャンケン的に、合理的にとらえようとしている点がひっかかるということだ。もともとのシオン修道会をめぐる伝説にそのような要素は無かったかもしれないが、本作の作者にはあったと思う。

しかし、その点について言いきることができないのは、キリスト教文化に連綿と流れているであろう異教的イメージを、本作の読者がどのようにとらえているかの情報が、自分には不足しているからである。

どう思っているんだろうね。よくわからんです。

あ、あと本作を教養小説というか、うんちくがたくさん書いてある本としてとらえている人もいるけど、
まあ細部は私も知らないことばかりだけど、概要は高校の世界史をひととおり知っていれば、書かれていることが完全におかしいと断言できなくても疑問を持つことはできると思う。

日本人が宗教オンチという問題もあるのだろうが、単純に高校で世界史をやってきたのと来なかったのとでは、本作を本当のことと信じるかどうかの区別がかなり明瞭につくのではないかと思うのだが、どうだろうか。

【映画】ダ・ヴィンチ・コード感想

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