【書籍】・「トンデモ本?違う、SFだ!RETURNS」山本弘(2006、洋泉社)
SF作家でありSFマニアの著者が、小説、映画、マンガ、アニメなどの中から陽のあたらないマイナーSF作品をピックアップ、それらを通してSFの面白さについて語る単行本の第2弾。
一読して思うのは、「芯」の通った人は違うなあ、ということ。本書の場合は「SF」という芯のことなんだけど。やっぱり、人間どこかにそういう座標軸を持っていないとダメだなと痛感しました。
「SF」に限らずね。
いろいろと面白そうな作品が紹介されているのは、前のときと同じ。
この他にも、著者のSFに対するポリシーがうかがえて興味深い。
たとえば「デタラメでも何でも、面白ければいいのでは?」という疑問に対しては、
「『デタラメでも面白ければいい』と言っていいのは読者だけ。作者がそれを言うのは許されない」と、実に明解。
2ちゃんねるをときおり騒がせるパクリ問題に関しても、いろいろ書いてあって面白い。
80年代半ばから10年くらいかな?「日本SF冬の時代」なんてのがあったことを思うと、今SFはわりと追い風なんではないかと思う。
それも、不遇の中で情熱を維持してきた人のおかげという部分もあるだろう。
それを考えると、まあ他のダメダメなジャンルに関してもちょっとは希望が出てきたかな、と思ったりしましたね。
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