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【映画】女番長ブルース 牝蜂の挑戦

THE 女番長(スケバン)全開ガールズパワーラピュタ阿佐ヶ谷

1972年、東映京都

監督・脚本:鈴木則文、脚本:皆川隆之
出演:池玲子、渡辺やよい、杉本美樹、潤まり子、宮内洋、荒木一郎、小山明子、小池朝雄、梅宮辰夫

京都を地盤とするすズべ公グループ・パール団は、大阪のスケバングループと抗争を繰り広げつつ、地元の暴力団にも目を付けられて売春組織の構成員にさせられそうになる。
それに戦いを挑むパール団リーダー・池玲子。

全編に流れる「反権力」のクスグリに耐えられるかどうかが、本作の評価を分けるかもしれない。
たとえば売春組織において、お客さんに合わせてセーラー服や色っぽい衣装などを女の子たちに配るシーン。
「なんでか婦人警官と自衛官だけは人気ないなあ」
と、チンピラやくざがつぶやく。

オープニングは舞妓さんに化けたパール団の一員(たぶん)が、ホームレスのばあさんから小銭を盗む!(ひでー)
「朝日ジャーナル」を往来で広げた池玲子、「なんだ、むずかしくってぜんぜん面白くない」と言いつつ、
街頭の雑誌販売の店に行って「マンガと取り替えて!!」
そして「少女フレンド」を広げて、他のスケバンメンバーとそれを読みながら大笑い。

いやこういうの、ホント最近見ないから個人的にはウットリしてしまいましたよ。

「婦人警官や自衛官の制服だけ人気がない」なんて、ウソもウソだと思うけど、フェチ的な混ぜっかえしがないだけわかりやすいとも言える。
っていうか、最近私はそういうフェチ的な価値転換、価値相対化みたいなもの、大切だとは思うけどそっちに偏りすぎてもなあ、と思っていたところだったので、見ていてニヤリとしてしまった。
(もちろん、時代的にはこのテの権力批判が無効化してしまったから、フェチ的混ぜっ返しが出てきたという順序なんだけどね。)

それと、実はある時期まで監督の鈴木則文もあまり好きではなかった。70年代後半以降の鈴木則文の映画ってものすごく泥臭く感じていたし、本質的に下品だし、貧乏くさいとも思ってた。 でもトシは取るもんで、今ではそれらにはそれなりに理由がある気がするし、何よりも展開が飽きさせない。

本作では、主人公は三重に抑圧されている。まず世間的には「母親のいない子」として抑圧され(たぶんそれが理由で)ズベ公になり、次にアウトローの世界でも大手暴力団に抑圧される。さらに女であるために売春組織に組み入れられそうになる。

それらすべてに抵抗していく池玲子がカッコいい。顔立ちがエロすぎて、今じゃぜったいありえないタイプ。
叶姉妹や倖田來未は、きっと彼女のパロディなんだな。

池玲子のライバルは、純だったけど集団就職で田舎から出てきて工場長に襲われてからグレてしまったという子。この子の宮内洋への純愛が報われないところがせつない。その理由が、宮内洋が貧しいためレーサーを目指しているからだったりとかのエピソードもズバッと一本筋が通っている。

また、池玲子(すいません役名忘れました)の母親がなぜ彼女を捨てたのか、その理由は母親もまた、何かに抑圧されていてそこから解放されるためだった、ということも堂々と描いたりする。

これはもしかしたら深作欣二だったら女の弱さにするか、梶原一騎だったらマザコンの裏返しの憎悪とかを描いたりするかもしれないけど、
この映画だと「何かから解放されるために戦った者」として親子を同列に描いてしまうところがすごいなあ、と。

全体的に、これみよがしじゃないところがすごいです。
いや反権力テーマはしつこいくらいに出てくるけど、それ以外はまったくの娯楽作品だから。

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コメント

徹子の部屋
59歳で驚異の若さ井上順の(秘)健康法
3月23日(木) 13:20~13:55 テレビ朝日

若いというからにはどこかで活躍しているのでしょう。

投稿: 番組表を見て新田さんを思い出したので | 2006年3月23日 (木) 04時33分

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