【演劇】デビルマン〜不動を待ちながら〜
HOTROAD★TRAIN Vol.3
作: じんのひろあき、脚色・演出: 宇治川まさなり、企画: 山田とゐち、制作: OFFICE HOTROAD
於:アイピット目白
マンガ作品「デビルマン」の終盤、牧村邸にパニックに陥った人間たちが突入する直前の一夜。
牧村美樹の両親は連行され、美樹とその友人、そして不動明から「美樹を守ってくれ」と頼まれた男女数名が、籠城を余儀なくされる。
デビルマン・不動明がやってくることに唯一の望みを託して……。
その一晩の人間模様を描いた作品。
いやあ、すごく良かったですよ。
基本的に、悪魔と間違われているという状態で取り囲まれた人々が、自分が生きるために人を殺せるのか? とか、人を殺してまで自分は生きていたいのか? とか悩んだりモメたりするという内容なんだけど、
予想していたような安易なヒューマニズムにも、安易なアンチヒューマニズム(最近多いんだ、このテのが)にも走らない実に誠実な作品でした。
舞台は牧村邸での一室のみで、暗転とかはあるけど基本的に場面転換はなし。その中で1時間50分という時間を十数人の登場人物がどのように持たせ、そして原作どおりなら全員(牧村美樹までもが)死んでしまうラストになだれこむのか? を、見事に見せてくれましたね。
気合いが入っているというのか、何かこう骨を感じましたよ。
牧村美樹(平田裕香)以外はほとんど全員ダブルキャストなんですが(私が見たのは「チームデーモン」で、もうひとつが「チームサタン」)、
これならもう一方も見ていいと思いました。
たぶん役者によってかなり違うテイストになるタイプの脚本や演出ですねこれは。
惜しむらくは、「デビルマン」という題材を扱ったわりにはビックリするくらい会場が狭くて。
この内容なら、「デビルマン」という作品のヴァリューもあるのだから、3倍の会場でも入ったかもしれません。
まあ、実は平田裕香嬢見たさにチケットを取った私としては、まさか実物の彼女を3メートルくらいの距離で見られるとは思ってもいませんでしたが(笑)。
現在の政情不安などもコミにして「どう生きるか?」を考えたときに、「前向きになるしかない」ということを、安易に流れずに実にまっとうにつきつめた、ひさびさにいい作品を見せてもらったと思いましたね。
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