【映画】愛と誠 完結篇
1976年、三協映画
監督・脚本:南部英夫、脚本:山根成之、長尾啓司、原作:梶原一騎、ながやす巧
出演:早乙女愛、加納竜、柴俊夫
愛と誠が通う花園実業高校が、理事長の息子・砂土谷峻率いるヤングマフィア「緋桜団」に占拠されてしまう。
誠は峻は戦うことになるが……。
映画の出来としては中の下くらいだが、30年経った現在では到底考えられないストーリー展開に耽溺。
この頃の学園ものは、「学園もの」であって「学園もの」ではない。いつでもキャラクターたちがスタスタと校門をくぐり抜けて出ていってしまうような感触がある。
「学校」という空間に囲い込まれた中でいかに生きるか、ということを本気で命題にしていた作品が、70年代当時あったかどうかも疑わしい(「中学生日記」ってこの頃からあったかな?)。
80年代に入ってからの「金八先生」あたりから、ようやく同世代の子役を使うようになってややリアリティが増すが、それまではきっと「学校」に何の執着もない人たちが撮っていて、当時はあまりにもありえない設定や展開にあきれていたけど、今見るとかえってすがすがしい。
主人公が自分を「いらない人間」と規定し、どこまでも捨て身の行動を繰り返していくさまは、「いらない人間」の根拠が不明なだけに不気味で、なおかつ鮮烈な印象を与える。
早乙女愛は梶原一騎のキャラクターとしては、「あしたのジョー」の白木葉子などのバリエーションだが、「いいとこのお嬢さん」を聖女にまつりあげるさまは、今考えるとかわいらしく感じられるところもある。
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