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・「ビッグコミックスピリッツ」11号(2006、小学館)

すっかりマンガ雑誌から離れてしまっていたので、突発的に読もうと思って購入。

巻頭グラビアは安めぐみ。

実はスピリッツを買ったのは、学生時代以来だから18年ぶりくらいじゃないか?(自分で驚いた)

当時は、白井……さんとかいう編集長がブイブイいわしていて、少年ジャンプと並んで成功したマンガ雑誌の代表だった気がする。「電車の駅のひと駅ぶんで、1作読めるように計算してある」とか言っていた。

当時の私は非常に青かったため、そういう「計算ずくでやってます」みたいなことを公表されるのがイヤだったし、あと当時連載していた「ジパング少年」というマンガがすごいキライだったんですよね。

(今読めば、印象がまったく違う可能性はあるが)

内容は、管理教育に嫌気がさした主人公がどっか外国(南米?)で自由に生きようとする、というような話。

1989年頃からの連載。

60年代、70年代のマンガに比べれば、たぶん80年代のマンガって管理の時代ですよ。

ジャンプ400万部だって、編集者の管理能力みたいなところが注目されるばかりで、作品論や作家論なんかなかった(あるいは少なかった)時代でもある。

そして、来るべきバブル経済のために、みんな「それで金持ちになれるなら」って管理すら容認した、あるいは放置したんですよ。

それを今さら、「管理教育に反発して海外へ飛び出す」っていう作品を書かれても……っていうのがあった。

同じことは、それよりちょっと前に始まった江川達也の「BE FREE!」にも言えて(こっちは他社だけど)、

このマンガって管理教育を是と言っているのか非と言っているのか、はたまた「是」と言っているようでいて「非」と言っているのか、漠然と読んでいるとサッパリわからない作品でした。勢いはあったけど。

なんだか、当時そういう混乱に嫌気がさしてたんです。

いつだって嫌気はさしてますけど。

さて、信濃川日出雄「fine」は、新連載。
大学の芸術学部出身で画家を目指し、うだつの上がらない男が同窓会で同級生と再会して……みたいな出だし。

ここ数年、ホントにダメ青年ものみたいなのが流行ってるなあと思う。

本作は連載第一回で何とも言えないが、そこそこ自虐ユーモアもあって、浅野いにおほどの痛さはない。こういうマンガってどこかでスコンと突き抜けてないと見ちゃいられないからね。

そういう「突き抜け方」を、今後読むとすれば見ていきたいですよ。

それにしても、菊地成孔がどっかで書いていたが、こういう「美大」だとか「美術系サークル」だとか、あと音大?  そういう特殊な人間の集うマンガがけっこう企画として上がったりヒットしているというのはここ数年の現象なの?

たとえば「ふぞろいの林檎たち」なんかとは似ているけどどっか違うよね。

まあ、マンガ家にそういう出自の人が多いとか、青春群像が描きやすい、ということはあるとは思うけどね。

昔っからあることはあるし。「ネコじゃないモン!」とか、すごい懐かしいよなあ。

さくらももこ「ひとりずもう」が新連載第2回。

中学に上がった女の子を描いた作品だが、予想どおり生理になることをすごいいやがってた。

女の子一般ってどういうものかわからないけど、さくらももこは生理をすごいいやがるタイプの人だと思ってたから、なんだか展開が予想どおりだった。

まあ、嫌がったからどうだってことはないけどさ。

ちなみに、男で精通現象を極度にいやがるってのは……まあ、男の場合は事前にどういう身体変化が起こるのか把握してない場合が多いんじゃないかと思うけどね。

細野不二彦「電波の城」。細野不二彦はきれいでイヤな女を描いたら天下一品。本当にイヤな女が好きなんだろうなあ。魔子ちゃんとか、ぜったい無理して描いてたんだろうな。

雁屋哲、花咲アキラ「美味しんぼ」。超ひさしぶりに読んだら、ゆう子さんがまた妊娠。

自分にとっては、心底どうでもいいマンガになってしまった。「究極のメニュー」は、作品内でも本当に「単なる新聞社の企画」に成り下がってしまった。もうそんなことは数年前からずっとそうなんだろうな。

「究極のメニュー」の幕の引き方に関しては、「ものすごくつまんない簡単な料理を究極とか言うんじゃないか」とか、「山岡と栗田の結婚式のときに究極のメニューが出されるんじゃないか」とか、いろいろ言われてたけどこれじゃもう終わりようがない。

終わりどころを失った気がする。

そして先に名前をあげた江川達也の「日露戦争物語」。

……もしかして「HUNTERXHUNTER」の下書きっぷり以上の問題がここにあるのでは……ううう。

18年経っても思うのは、おそらくターゲットである読者層(十代〜二十代後半?)の悩みをうまくすくいとって、

「こういうふうになったら気持ちいいんだろ?」みたいなところを巧妙に提示してる、ってことですかね。

もちろんまったくわかってないのも論外だけど(それだったら売れないだろうけど)、

マンガはクルマじゃないからね。

クルマってよく知らないけど、年齢とか所得でターゲットが細かく決まってるんだって。

だからたぶん「ビッグコミック」というレーベルは、それぞれのターゲットに対し、細かく提示するものを分けているんだと思うよ。

そのいたれりつくせり具合を、

……まあ見届ける意志が自分にあるかどうか、だよなあ、と思う。

今だったら仕事がない、人生に目標が持てない、彼女ができない、将来が不安だ、

そういうことが若者、あるいは「青春」という時期から脱しつつある年齢層が持っている悩みだというのは私にだってわかりますよ。

それに処方箋なり、安心感を与えるとか、逆に不安を煽って続きを読ませるとか、そういうことができるのは(私がやれって言われてもできないけど)わかってます。

それだけじゃない作品が提示できるかどうかなんでしょうねえ。

当たり前の話かもしれないけど。

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